今回はVisaカードとMastercardのどちらを選ぶべきかで迷っている…という方のために、VisaとMastercard双方の特徴をわかりやすく紹介。
海外ではどちらの国際ブランドのほうが使えるのかとか、国内だけだとどうなのかとか、そういったVisa&Mastercardの違いが気になる方は是非、この記事を参考にしてもらえればなと思います。
※そもそも国際ブランドとは何?という方は、こちらの解説記事を先にどうぞ。
VisaカードとMastercardの比較:
国内でのサービス内容について:
まず、日本国内ではVisaカードだろうがMastercardだろうが、そのサービス内容には大きな差はありません。
もちろん完全に同一かといえばそんなこともないのですが、極端なサービス格差は存在しないため、もう好きなほうを直感で選んでしまってOK。
特にこれからはじめてクレジットカードを作るような初心者なら、考えるだけ無駄といって良いでしょう。
どちらを選んでも大丈夫となります。
使えるお店の数もほぼ同じ:
ではVisaカードとMastercard、それぞれ日本国内で使えるお店の数には違いがないのか…というと、実はその通りで、全くといっていいほどその数に差はありません。
なぜなら今やクレジットカード払いが使えるお店=Visaカード&Mastercardが使えるお店と考えて問題がない状況があるため。
Visaカードだけしか使えないお店とか、Mastercardだけしか使えないなんてお店は、日本国内にあっても数百店舗くらいかと思われます。
- Visaカードしか使えないお店:滅多に存在しない
- Mastercardしか使えないお店:滅多に存在しない
全体から考えると無視して問題ないレベルです。
海外で使えるお店もほぼ同じ:
同様にアメリカ、オーストラリア、香港、フランス、イギリスなどなどの海外で使えるお店の数もほぼほぼ同じ。
昔はアメリカだとVisaが強くてヨーロッパやオーストラリアだとMastercardしか使えない店があるよ…なんて話をする時代もあったのですが、現在では地域性が解消され、どこにいっても使い勝手が気になることはなくなりました。
少なくとも滅多に海外旅行に行かない方や、海外に行くにしてもホノルルやローマといった観光地だけな方が気にする必要はまったくなし。
観光地ならVisa、Mastercard両方がストレスなく利用できます。
VisaとMastercardの国際シェア:
そんな使える場所がほとんど同じなVisaカードとMastercardですが、国際的なシェアには大きな差が存在(NILSON REPORTより転載)。
ご覧のように2倍とまでは行きませんが、VisaとMastercardには段違いのシェア格差があることがわかります(UnionPayは中国の国際ブランド「銀聯」)。
日本での国際ブランドシェアも類似:
この差は海外だけの話ではありません。
日本国内でもVisaカードとMastercardのシェアには同じような差が存在するので、『とにかく多くの人が使っている国際ブランドを使いたい!』と思われた方は、MastercardよりもVisaを選ぶほうが無難。
その比率は下記記事にまとめてありますが、だいたいMastercardの2倍くらいVisaカードは発行されてる状況がありますよ。
※上記記事はちょっと古いデータですが、VisaとMastercardの国内シェアについては当時からあまり変化はあまりません。
加盟店の数がほぼ一緒な理由:
ちなみに。
日本国内でVisaカードとMastercardが使えるお店がほぼ同数な理由は、三井住友カードや三菱UFJニコスカードといったクレジットカード会社が2つの国際ブランドをセットにしてお店を開拓しているから。
つまり飲食店や小売店といったお店でクレジットカード決済を導入すると、これら2つの国際ブランドとの契約がセットになるので、使えるお店の数は常に同数になるのですね(加盟店になる方法は下記記事参照)。
お店側としても、あえて片方だけを導入する理由もありません。
Mastercard加盟店のみを探す会社も:
但し、国内にはMastercardのみの加盟店を探している中小クレジットカード会社がいくつか存在するため、こういうレアな事例を含めると、Mastercardが使えるお店のほうが僅かながら多いんじゃないかなと推測。
逆にVisaカードのみが使えるお店を探しているクレジットカード会社は私が知る限り存在しないため、日本国内での総数でいうとMastercard加盟店のほうが微妙に多いと思われます(それでも前述のように国内で数百件単位と推定される)。
VisaやMastercard付きなら使えるお店の数は一緒:
時々、Visaのマークが付いた楽天カードよりも三井住友カードのほうが使えるお店が多いんじゃないか…なんて思われている方がいるのですが、VisaやMastercardが付いたクレジットカードなら使えるお店の数は国内&海外ともにほぼ一緒。
発行会社が大きいから使える場所が多いわけではないので、使えるお店の数だけで言えば中小カード会社発行のカードでも同数となります。
- 間違い:
楽天カードよりも三井住友カードのほうが使えるお店の数が多い。特に海外では三井住友カードが圧倒的有利。 - 正解:
同じVisaマークが付いたクレジットカードであれば、楽天カードでも三井住友カードでも使えるお店の数はほぼ同数。海外で使えるお店も一緒。
使い勝手に差はありません。
VisaカードとMastercardの違い:
前述の通りVisaカードとMastercardという2つの国際ブランドに大きな違いはありませんが、細かくいうと多少の違いがあるにはあります。
項目別にわかりやすく解説していくので、細かい違いまで知りたい方は参考にどうぞ。
コストコではMastercardのみ利用可能:
会員制のスーパーマーケットとして人気のあるコストコでは、現時点でMastercard付きのクレジットカードのみが利用可能(Visaカードは使えない)。
- Mastercard:利用可能
- Visa:利用できない
過去にはアメリカン・エキスプレス・カードのみが利用な時もあったのですが、各国際ブランドとの交渉の結果か、現在ではMastercardだけが使える状況ですね。
それゆえ、普段からコストコを利用している方や、これからコストコを使う予定があるならMastercard選択がおすすめとなります。
オリンピックやワールドカップだとVisa:
2024年のパリ五輪に行きたい方はVisaを選択しておいたほうが良いかも。
というのもオリンピックではVisaが公式スポンサーになっているため、MastercardやJCBといったクレジットカードの利用ができないためです(引用はこちら)。
- オリンピック会場での支払い:Visaのみ
- オリンピックのチケット取得:Visaのみ
Visaは、オリンピック大会の唯一の決済テクノロジースポンサーとして、東京2020公式チケット販売サイトからのチケット購入で使用できる唯一の決済ブランドです。
まぁオリンピック観戦に興味がない方にとってはどちらでも良いですが、『機会があれば行ってみようかな?』と思ってる方ならVisaブランドを選ぶほうが無難。
会場での支払いがスムーズになること間違いなしです。
ラグビーワールドカップではVisaも使えた:
2019年に日本で開催されたラグビーのワールドカップではMastercardが公式スポンサーになっていたのですが、オリンピックを独占しているVisaとは異なり、試合チケットの購入等でVisaカードやJCBカードが使える状況がありました。
- 東京オリンピック:Visaのみ利用可能
- ラグビーワールドカップ:MastercardだけでなくVisaやJCBも利用可能
ではなぜ、Mastercardは自社ブランドだけで決済を独占しなかったのか…というと、この辺はまぁVisaとMastercardの国際ブランド力の差でしょうね。
要するにVisa独占で困る人はそこまで多くはありませんが、Mastercardだけしか使えないと困る人がそれなりに多くなってしまうので、Mastercard側が不評を恐れて独占しなかった可能性は高いように思います(せっかくスポンサーになってもMastercardに対して悪いイメージを持たれてしまっては意味がないため)。
国際ブランドの選び方:
引き続き、クレジットカード作成時における国際ブランドの選択基準&方法を紹介していきます。
国際ブランドは重複しないようにする:
ここまで説明したように、VisaとMastercardの2つはほぼほぼ同じ。
どちらを作るべきかで迷ったら直感で選んでしまってOKなわけですが、それはあくまでまだ1枚もクレジットカードを持っていない場合の話。
たとえばすでにVisaカードを持っている方が2枚目もVisaカードを作る…というのはちょっと勿体無いので、下記のように所有カードにあわせて作るブランドを変えるのがおすすめです。
- Visaカードを持っている方:2枚目はMastercard
- Mastercardを持っている方:2枚目はVisaカード
要は2種類揃えておくと安心…ってことですね。
個人的にはJCBカードもおすすめ:
また、すでにVisaカードやMastercardを1枚持っている方は、2枚目にJCBカードを作るのもおすすめ。
VisaやMastercardのサービスには大きな差はありませんが、VisaとJCB、MastercardとJCBのサービスには大きな違いがあるので、2枚目のクレジットカード作成ならJCBを狙うのもアリだと思います。
事実、海外での優待サービスや東京ディズニーリゾートキャンペーンなどなど、JCBにはこのブランドならではのキャンペーンや特典が多数存在。
加えて、日本人であれば日本発のクレジットカードブランドを保有することを是非、検討ください(おすすめのJCBカードは下記記事参照)。
アメックスやダイナースクラブも面白い:
同様にVisaカードやMastercardをすでに保有中なのであれば、2枚目や3枚目にアメリカン・エキスプレスやダイナースクラブといった国際ブランドのクレジットカードを作るのもひとつの手。
それらのブランドは主に高所得社向けのサービスを重視しているところなので、美味しいレストランに行きたいとか、会員限定のイベントに参加したい方などに向いていますよ。
まぁその代わりに年会費負担は重いものになる&VisaカードやMastercardよりは使えるお店が少ない点がこれらの国際ブランドのデメリット。
詳しくはアメックスとダイナースクラブの使い勝手についてまとめた下記記事をどうぞ。その使い勝手がわかります。
中国に長期滞在する予定があるなら銀聯カードも:
上海、深セン、北京、大連といった中国の都市に長期で滞在する予定がある方は、中国で使いやすい国際ブランドである「銀聯カード」をVisaカード&Mastercardに加えて保有しておくとなにかと便利(入手方法は下記記事参照)。
VisaやMastercardでも支払いできないこともないのですが、お店の人間が手数料の高いVisa&Mastercardを嫌がる傾向にあるので、銀聯カードを1枚持っておくとお店の方に感謝されますよ。
語学留学や海外赴任の際はどうぞ。
迷ったらVisaカードが無難:
それでもまだ『うーん、どっちを作るか迷ってる!』という方は、やはりVisaカードを作るのがおすすめ。
Mastercard保有者よりVisaカード保有者のほうが世界的にみても多いので、まずは最大手のブランドから作れば問題ないでしょう。
その後、クレジットカードに関する知識を得たのち、MastercardやJCBカードを作るのが無難そうです(カードの知識をもっと学びたい方はこちらのページも参照)。
以上、VisaカードとMastercard、どちらを選ぶべきかその違いを専門家が解説!クレジットカード作成時に国際ブランドの選択が難しい方に…という話題でした。
参考リンク:
海外で使えるおすすめのVisaカードが欲しい方は下記記事も参考に。
とにかくVisaカードは世界中で使えるクレジットカードブランドゆえ、1枚持っていると不便しませんよ。