今回はあまり活用できていない方が多い、クレジットカードの家族カードについての解説をしていってみたいと思います。
家族カードとは何かという基本的な解説はもちろん、その利用メリットや注意点までを徹底的にまとめていますので、家族カードに興味がある方はこの機会にその概要を学んでみてください。
しっかり理解すれば年会費の節約ができるだけでなく、家族に万が一があった時の補償強化も期待できますよ。
家族カードの基礎知識:
家族カードとは?
まず、家族カードとはその名の通り、自分の家族が使うことができるクレジットカードのこと。
本来、クレジットカードというのは利用規約上で「名義者本人(自分)」しか使うことが出来ないものと定められているんですが、この家族カードであれば自分の妻や両親、子供にも自分のクレジットカードを使わせることができるようになります。
- 自分名義のクレジットカード:家族は利用できない
- 家族名義で発行した家族カード:家族も利用できる
たとえ家族であっても、自分名義のクレジットカードは使わせちゃダメなのですね。利用させたいなら家族カードを発行ください。
家族カードは追加発行されるもの:
ではどのように家族に対して家族カードを発行できるのか…というと、これはETCカードのように追加でクレジットカードを発行することになります。
たとえば楽天カードを保有している場合には、自分が持っている楽天カードに追加カードとして、楽天カード(家族用)を発行してもらうイメージを持てばそれでOK。
つまり家族カードを1枚発行した場合には合計で2枚の楽天カードを持つことに繋がるというわけです。
家族カードは複数枚発行も可能:
また原則として家族カードは複数枚発行できるので、家族カードを2枚発行した場合には親となるカードとあわせて3枚、家族カードを3枚発行した場合には合計4枚になる感じ。
- 家族カード発行なし:親となるカード1枚のみ
- 家族カード1枚発行:合計2枚
- 家族カード2枚発行:合計3枚
- 家族カード3枚発行:合計4枚
まぁたとえが良いかどうかはわかりませんが、ホテル宿泊時にカードキー(カードタイプの鍵)を2枚、3枚渡してもらうイメージと一緒ですね。
家族カード作成=クレジットカードの分身を作るようなものと考えればわかりやすいことでしょう。
家族なら誰でも使えるわけではない:
但し、家族カードを1枚発行すればそのカードを誰でも使えるようになるわけではありません。家族カードであっても親となるクレジットカード同様、その名義人しか使えない規約となっているためです。
- 親となるクレジットカード:名義人のみが使える
- 家族カード:名義人のみが使える
そのため、妻と両親に自分のクレジットカードを使わせたいと考えるのであれば、配偶者用に1枚、父親用に1枚、母親用に1枚といったように、合計3枚の家族カードを発行する必要性あり(親カードと合わせると4枚になる)。
家族3名に家族カードを持たせる場合:
- 親となるクレジットカード:自分用
- 父親用の家族カード:父親用
- 母親用の家族カード:母親用
- 配偶者用の家族カード:妻用
面倒かと思いますが、クレジットカードを利用したい家族の人数分だけ家族カードを発行する必要があるのでこの点はくれぐれも注意ください。
これをせずにクレジットカードを使いまわしてしまうと、最悪、盗難&紛失時の補償が受けられなくなるだけでなく、クレジットカード自体の没収等も考えられますよ。
家族カードを発行できる相手は限定されている:
ちなみに家族カードという名称だと、家族であれば誰にでも発行できると思われるかもしれませんが、原則、18歳未満の子供への発行はできません(18歳であっても高校生ではダメ)。
また、兄弟やいとこへの発行がOKなクレジットカード会社もあれば、同居している両親と配偶者、子供のみに限定するというクレジットカード会社もあるので、発行対象については各公式サイトにて確認をしてください。
- 同居してる両親や子供への発行:どこのカード会社でも可能
- 同居していない両親への発行:カード会社による
- 祖父母や兄弟への発行:カード会社による
- いとこへの発行:カード会社による
- 18歳未満の家族への発行:不可(留学等の例外はある)
まぁ兄弟や従兄弟に家族カードを使わせようと思う方は稀だとは思いますが、それが出来るカードと出来ないカードがあることだけは覚えておくと、無用なトラブルに巻き込まれることもなくなりますよ。
家族カードの利用メリット:
続いて家族カードを利用するメリットについてまとめていきます。
1.家族でポイントを貯められる
家族カードを利用する最大のメリットはやはり、家族そろってポイントを貯めることができるという点。
家族カードをコンビニやスーパーマーケットでの支払いに使った場合でも、親となるクレジットカード同様にポイントがたまるので、家族揃ってポイントを貯めれば効率が良くなります。
- 自分1人でポイントを貯める:限界がある
- 家族揃って貯める:多くのポイントが貯まる
特にJALカードやANAカードといった、最低限のポイントを貯めないと特典に交換することができないクレジットカードでは、家族の協力が必要不可欠。
夫婦でポイントを貯めれば1年に1度は国内旅行に無料で行けるようになるので、家族カードが家族の絆を深めることにも繋がりますよ(詳しくは下記記事などを参照)。
2.年会費無料、もしくは安い
家族カードの利用メリットその2は、家族カードの年会費は無料、もしくは割引になっていることが多いという点です。
そもそも親となるクレジットカードが年会費無料の場合には家族カードも年会費無料になるのは当然なんですが、たとえば三井住友カード プラチナのように年会費が5万円以上もするクレジットカードであっても、家族カードなら年会費が無料の場合も少なくありません。
- 三井住友カード プラチナを夫婦それぞれが持つ:10万円以上の年会費
- 三井住友カード プラチナを発行し、家族カードを作る:5万円(税別)の年会費でOK
そのため、夫婦でバラバラのクレジットカードを持つよりかは、家族カードを活用したほうが年会費負担を抑えることが可能(下記図を参照)。
個別に契約をしてしまうと年会費が高くつく場合が多いので、夫婦や両親などと上手に年会費を節約してもらえればと思います。
3.サービスを家族で活用可能
3つ目のメリットとしては、家族カード保有者も親となるクレジットカード保有者同様のサービスを利用することができる点です。
たとえば空港ラウンジの無料利用サービスなどは便利。
予め家族カードを家族にも発行しておけば家族旅行の際に家族そろって空港ラウンジを無料利用することが可能になるだけでなく、それ以外にも妻がママ友との旅行に行く場合であっても家族カードを使ってそのまま空港ラウンジを利用することができます。
- 家族カードなし:
同伴者利用不可のカードの場合には、自分ひとりしか空港ラウンジを使えない
- 家族カードあり:
同伴者利用不可のカードであっても、家族揃って空港ラウンジが使える(妻や子供が単独で旅行に行く場合にも使える)
※空港ラウンジって何?という方は、こちらの解説記事もあわせて参考にどうぞ。
グルメサービス等も活用可能:
他、親となるクレジットカードに下記サービスが存在する場合には、家族カード利用者も同様に使えることが多いですね。
項目 | 解説 |
---|---|
グルメサービス | 指定レストランでコース料理を注文すると、2名分の料金が1名分無料になるサービス。家族カードでも問題なく使えるクレジットカードは多いです。 |
コンシェルジュデスク | カード保有者の代わりにあれこれ手配を担当してくれる秘書サービスも、家族カード保有者が使える場合は多いです。詳しくはこちらの記事を参照。 |
ゴルフ場の手配 | 有名ゴルフコース等の手配ができるクレジットカードであれば、家族カード保有者でもゴルフ場の手配ができる場合は多いです。 |
空港への手荷物配送サービス | 海外旅行などの際に、手荷物を空港宛に送ったり、帰国後に手荷物を自宅宛に送ることが出来る手荷物配送サービスは家族カードでも使えます。 |
それゆえ、率先して家族カードを発行しておけば家族揃ってクレジットカードのサービスや特典を活用できますよ。
4.旅行傷害保険に加入できるのも魅力:
家族カード保有者は親となるクレジットカード保有者同様に、海外旅行傷害保険や国内旅行傷害保険に加入できるというのも大きなメリット。
家族旅行時に急病になってしまったり、不慮の破損事故などを起こしてしまった場合などにこれらの保険は役立つので、支払いで家族カードを使う予定がなくても家族カードを発行しておくとなにかと便利でしょう。
- 家族カードなし:保険は自分のみが対象
- 家族カードあり:家族も揃って保険加入できる
万が一の時に助けてもらうことができます。
家族カードへの補償が乏しい場合も:
但し、昨今ではクレジットカード会社の財政が厳しいせいか、親となるクレジットカード保有者と比べて家族カード保有者の補償が乏しいステータスカードも増加中(ダイナースクラブカードやアメックス等)。
とはいえ、家族カードを持っていないと補償が乏しいどころか補償ゼロになってしまうだけなので、補償がどんなに少なかったとしても作っておいたほうがお得です。
5.ブラック属性でも持てる
家族カード保有メリットの5つ目は、ブラック属性の方でも持てるという点。
これはまぁ、ごくごく少数の方にとっての利用メリットでしかないんですが、クレジットカードを作ろうとしてももうしばらくはカードを作れないという方向けに、この家族カードは重宝するのです。
- 親となるカード申し込み時:審査が必要
- 子となる家族カード申込時:審査は不要
なぜなら家族カードを与える対象者には入会審査は存在しないので、自己破産や任意整理などによってクレジットカードを作ることができないブラック属性の方であっても保有が可能になります。
自分でカードを作れないなら家族に頼む:
そのため、もしあなたがクレジットカードを作ることが出来ないブラック属性だとしたら、妻や両親、兄弟といった家族に家族カードの発行をお願いしてみてください。
この場合にはあなた自身の入会審査は行われないので、家族の信用力に問題がないのであれば家族カードを利用することができるようになりますよ(ブラック属性とかブラックリストに関する知識がない方は下記記事を参照)。
6.利用明細書で確認可能
家族カード利用の6つ目のメリットとしては、家族カード利用分はそれぞれ区分された状態で利用明細書に計上されてくるという点です。
これは正直、自分がいつどこでどんな支払をしたかがバレたくない家族(配偶者など)にとってはデメリットになりかねない点ではあるんですが、逆に考えると子供にクレジットカードを持たせることで利用履歴を監視するなんて方法も。
中でも一人暮らしをさせている大学生の子供に対して、仕送りの代わりに家族カードを渡しておけば変な支出がないかどうかを逐一チェックできるようになるので、子供の生活が心配…という方におすすめです(子供から見ればイヤな監視にはなりますけどね)。
旦那さんのお小遣い監視にも:
加えて旦那さんのお小遣いがどこで使われているかチェックしたい女性にも効果的。
現金でのお小遣い代わりに家族カード+最小限の現金を渡しておけばガールズバーやスナックといった夜のお店だけでなく、ラブホテルなどの浮気が疑われるような場所にお金を落としていないかがわかるようになります。
まぁこちらも旦那さんからしてみれば迷惑な監視ではありますね(苦笑)
旦那さんが奥さんをチェックすることも:
そしてこれは逆もしかりで、奥さんの浮気や無駄遣いチェックしたい旦那さんは、率先して家族カードを発行するのも手。
普段から家計を奥さんに丸投げしていたとしても、家族カードの利用歴さえ定期的にチェックすれば奥さんがどれだけしっかり家計の管理をしているのかが見えてくるものですよ。
このように親となるクレジットカードの元に利用明細書が集められる家族カードの仕様は使い方次第。
家族のカード利用歴が一箇所にまとめられれば家族間で不要な疑いをしなくても良くなるので、そういったオープンな家庭を築きたい方は家族と相談の上、家族カードの利用を検討してもらえればと思います。
家族カードを監視ツールとして使う場合は:
家族カードを監視目的で夫や妻に持ってもらいたい…という場合でも、『あなたが浮気 or 無駄遣いをしてるか確認したから家族カードを使ってね!』と伝えたら喧嘩になるだけ。
さすがにそんな言い方で納得するわけもないので、家族カードを渡す理由としては下記のようなものをあげるようにしてください。
- 家族揃ってカードを使えばポイントが貯まるから家計の節約になるんだよ
- 家族揃ってカードを使ってマイルを貯めれば、家族旅行に行けるよ!
それでも尚、家族カード利用を断ってくるようなら、なにか都合が悪い理由が隠れている可能性大。
それこそ浮気等の疑いがでてくるので「あぶり出し」としても家族カードは活用できますよ。
家族カード利用の注意点:
念のため、家族カードを利用する上での注意点もまとめておきます。家族カードの落とし穴をしっかり理解しておけば、更に上手に活用できるようになるはずですよ。
1.家族カードの発行ができないカードも:
クレジットカードであればどのカードであっても、家族カードを発行することが出来るのかといえばこれはNO。
有名なところだとエポスカードやアコムのACマスターカードなどでは家族カードの発行をしていないのでご注意ください。
反面、80%程度のクレジットカードでは家族カードの発行に対応してくれるので、家族カードがほしいという方は自分が保有しているクレジットカードに家族カード追加サービスがないかどうかの確認を!
時にはファミリーカードや追加アカウントカードなど、ちょっと違う名前での募集になっていることもあるのであわせてご注意ください。
2.発行枚数には上限があることも:
家族カードの発行には上限が設けられていることも多いです。
2枚以上の家族カードを発行しようと思ったら、家族カードは1枚のみしか発行できないクレジットカードだった…ということにならないよう、複数枚の追加カードを発行しようと思っている方は申し込み前にちゃんとチェックするようにしてください。
年会費の優遇は1枚目のみな場合も:
また、家族カード1枚目は年会費無料になるものの、2枚目以上は有料になったりする場合も有り。
それゆえ、家族カードにおける年会費の優遇措置は枚数限定となっていないかどうかも、クレジットカード申し込み前に併せて確認してください。そうしないと無駄に年会費を払ってしまうだけとなりますよ。
反対に三井住友カード プラチナ(上位カード)のように、家族カードは何枚申し込みしても年会費無料なクレジットカードも存在。
こういったカードを保有した際は作れるだけ家族カードを作ってしまいましょう。
3.家族の使いすぎに注意:
家族カードの注意点、3つ目はいくら信頼のおける家族であってもお金のやりとりが問題になるケースもあるという点です。
なにせ家族カードで支払いをした金額というのは、親となるクレジットカードを持っている人のところに一括して請求されるもの。
自分自身のフトコロに余裕がないときに、いきなり家族カードを持っている母親が30万円のテレビを買ってきた…なんてこともになれば、カード会社への支払いが難しくなってしまうことも十分にありえます。
これではいくらポイントが得られるとか、年会費分を得するという家族カードのメリットがあったとしても台無しになってしまうので、家族カードを使わせるのであれば事前に家族カード利用の取り決めをしておいてもらえればなと思います。
家族カードが作れるおすすめカード:
ここで家族カードをお得に作ることができる、おすすめのクレジットカードをいくつか紹介しておこうと思います。
家族カードでポイントを貯めたり、サービスを共有したい思う方は是非、これらのカード中からお好きなカードを選んでもらえれば幸いです。
楽天カード
顧客満足度調査1位常連の楽天カードでは、最大5枚までの家族カードが無料発行可能。
両親や配偶者(妻や夫)へ家族カードを渡せることはもちろん、子沢山な家計であっても問題なく家族カードを持たせることができるため、年会費無料クレジットカードとしてはかなり優秀な部類に入るのではないでしょうか?
もちろん家族カード利用分も楽天ポイント加算の対象となるので、楽天市場でどんどん買い物をするという方はこれだけでザクザクとポイントをためていくことができるようになります。
併せて家族カード会員も海外旅行傷害保険に加入も可能…と、家族で旅行にいく場合などにもおすすめですよ。
三井住友カード プラチナ
三井住友カードの最高峰カードである『三井住友カード プラチナ』も家族カード発行をおすすめできるクレジットカードです(年会費無料の家族カード)。
まぁこのカード自体の年会費は5万円(税別)とかなりお高い設定になっているのも事実ですが、夫婦で2枚利用すれば1枚あたり2万5,000円、両親にも発行すれば1枚あたり12,500円と決した高い金額にはなりません。
もちろん家族カード保有者も親カード保有者とほぼおなじサービス&付帯保険を利用することができるので、ちょっとお金に余裕がある家計であれば家族のクレジットカードを三井住友カード プラチナに統合して年会費の節約を検討してみてくださいね。
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
アメリカン・エキスプレス社が発行しているゴールドカードも家族利用におすすめのクレジットカードです。
こちらも年会費は2万円以上とちょっとお高めですが、家族カードは1枚まで年会費無料で発行できるので夫婦での利用に最適。
レストランでの割引特典や空港ラウンジサービスの同伴者無料サービス等々、アメックスならではのトラベルサービスをこれでもかっ!と有効活用できるので、夫婦揃ってゴールドカード保有をしたいと考えている方はこちらの作成を検討してもらえればと思います。
年会費が高いカードのほうがお得:
配偶者のいる既婚者の方は、下手なゴールドカードを夫婦それぞれが持つよりも、プラチナカードなどの高いランクのクレジットカードを持って、家族カードを発行したほうが年会費がお得になるケースが多いですね。
なによりプラチナカードはゴールドカードよりも上のステータスを持つクレジットカード。
これを夫婦揃って使えるメリットは計り知れないので、自分1人ではなく、家族全体の節約を考えるのであれば、プラチナカード+家族カード発行がおすすめです。
さぁ家族カードを活用しよう:
ここまで長々と家族カードの基礎知識やメリット等を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
このように使い方次第で家族カードはあなたの家計にとって役立つ支払いツールになるはずなので、ご結婚されている方や両親と同居されているという方は、この機会に是非、家族カードの発行を検討してもらえればなと思います。
以上、実はお得に使える家族カード活用術(2021年版)!その審査基準や利用メリットなど、家族カードとはなにかをわかりやすく解説…という記事でした。
参考リンク:
家族カードで年会費負担を減らせるなら、ゴールドカードやプラチナカードを作ってみたいな…という方は下記記事を参考に。
いやいや自分はさらに上のブラックカードって方は下記記事もあわせてお読みください。ブラックカードの世界が垣間見えますよ。