リボ払いに利用価値があるのか?
今回はそんな疑問を抱えている方向けに、リボ払いのメリット&デメリットをわかりやすく記事にまとめてみたいと思います。
お金に困ってリボ払いを使わざるを得ない方は参考にどうぞ。
リボ払いを利用するメリット:
まずはリボ払いを利用する上でのメリットから解説。
これらのメリットはあくまで「考え方によってはメリットだよね」と呼べるものを紹介しているだけなので、その良し悪しについては後述する解説をご覧ください。
1.手元にお金がなくても使える:
リボ払い最大のメリットは、手元にお金がなくても支払いできる点です。
たとえば手元に10万円しか現金がない方も、リボ払いなら30万円、50万円といった買い物をすることが可能。
なにせリボ払いは毎月の支払い額はミニマムペイメント、つまり最小限の支払いだけでOKなので、自分のフトコロ以上の買い物ができるのはひとつのメリットと言って良いでしょう。
感覚としてカード会社からお金を借りて買い物をしている、そんなイメージを持ってもらえればと思います。
リボ払いは金欠時に役立つ:
実際、私も大学の学費が払えなくなった時、リボ払いに助けてもらった経験あり。
あの時、リボ払いがなければ大学を中退するしかなかったので、どれだけこの支払い方法に助けられたかわかりません(私が通っていたアメリカの州立大学はクレジットカードで学費を払えた)。
2.家計の支払い管理が楽:
リボ払いを使うメリットその2は、毎月のお金の管理が楽になる点。
なぜならリボ払いでは5万円使おうが10万円使おうが、毎月の支払い金額を固定できるメリットがあるため、その金額さえ確保しておけば家計のやりくりが可能になるからです。
- 5万5,000円のカード払いをした月:翌月の返済は1万円のみ
- 3万8,000円のカード払いをした月:翌月の返済は1万円のみ
それゆえ、無理のない返済額を設定しておけば、使いすぎた月も節約した月も一定額の返済で済むために生活が安定。
正社員や公務員のように給与が固定な方にとっては、家計のやりくりで頭を痛める必要のないリボ払いは価値ある支払い方法になるかもしれません。
季節を問わず、同じ金額の支払いで済みます。
3.好きな時に繰り上げ返済できる:
リボ払いを使う利点その3としては、リボ払いだと好きな時に繰り上げ返済が可能な点。
たとえばコンビニのレジでリボ払いの返済が出来るファミマTカードのようなクレジットカードもあるので、リボ払いを活用すれば都度都度、フトコロ具合にあわせてお金を返済できるメリットがあるんです。
とりわけ収入に波のある個人事業主の方や、日雇い労働者の方などは余裕がない時にリボ払いを使い、余裕が出たら繰り上げ返済をする…といった活用方法も効果的。
固定費の支払いに設定しておけば電気やガスを止められてしまう心配がなくなることでしょう。
リボ払い専用カードならいつでもどこでもリボ払い:
『リボ払いを使いたいけど、店頭でリボ払いを伝えるのが恥ずかしい』と思われる方は、JCBカードRやファミマTカード等のリボ払い専用クレジットカードを作ればOK。
そうすればたとえ店頭で「1回払いで!」と店員に伝えたとしても自動的にリボ払いに切り替わるので、友人や恋人の前でお金に困った姿を見せなくて済むためです。
また、三井住友カードやVIASOカードといったクレジットカードも、支払い設定を変更することでリボ払い専用カードに切り替え可能。
- 三井住友カード(NL)…マイ・ペイすリボを設定
- VIASOカード…自動リボを設定
前述のリボ払い専用クレジットカードだと知識ある方にバレてしまう危険性がありますが、この方法ならどこからどうみても普通のクレジットカードですからね。
周りから疑われる心配がなくなります。
リボ払いを利用するデメリット:
続いてはリボ払い利用上のデメリットについて。
これらのデメリットとメリットを天秤にかけて、リボ払いを使うべきかどうかを判別してもらえればと思います。
1.金利手数料が発生する:
リボ払い最大のデメリットは、説明するまでもなく金利手数料が発生する点。
カード会社ごとにその設定金利は異なりますが、未払い残高に対してだいたい14~15%程度の金利が発生することになります(下記は楽天カードのリボ払い金利)。
毎月の弁済金(以下リボお支払い金額)は、お手持ちのカードに設定されているリボお支払いコース金額と前月末のリボルビング残高に手数料率(実質年率15.00%)を乗じた金額となります。
仮に10万円を1年間、借りっぱなしにした場合には返済額が11万4,000~11万5,000円程度になるイメージですね。
まぁ実際には毎月返済していくので返済総額はそこまで高くはなりませんが、考え方によっては10万円の洋服や家電を11.5万円で買うような状況を想像してもらえると、リボ払いのデメリットが明確にわかるかと思います。
2.返済がなかなか終わらない:
リボ払いのデメリット、2つ目はリボ払いを毎月利用しているといつまでも返済が終わらない点。
リボ払いは前述のように最小限の支払いのみでOKな決済手段ゆえ、毎月の返済金額が少ない場合には、返済しても返済してもなかなか返済が終わりません。
下手すると1回の支払いを返済し終えるまでに3年以上の期間を必要とする場合すらあります。
20万円をリボ払いすると40回払いに:
論より証拠。
楽天カードで20万円のリボ払いを毎月5,000円ずつ返済すると、下記のように40回の返済が必要になる仕組み(楽天カードの公式サイト)。
40回の支払いを必要ということは、リボ払いの返済をし終えるまでに3年4ヶ月の期間が必要ってことでもあるので、想像するだけでゲッソリしてしまう方も多いのではないでしょうか?(下記は2022年1月にリボ払いを使った場合の完済日時)
- 2022年1月:リボ払い利用
- 2025年5月:リボ払いの支払い完了
これに加えて毎月毎月、生活費をリボ払いしていくと、次から次への未払い残高が膨らみ、いつまでたっても返済が終わらないことになります。
3.金銭感覚が麻痺する:
リボ払いによって毎月の返済金額が少なくなると、金銭感覚が麻痺してしまうのも大きなデメリット。
人によってはまるで自分が高所得者のような錯覚に陥ってしまう方もいるくらいなので、いざ返済に行き詰まった時に苦労することになります。
- 給与所得に準ずる生活をしてる人:生活の切り詰めが簡単
- 給与水準以上の生活をしてる人:生活の切り詰めが難しい
例をあげると月収30万円の人が月収50万円の暮らしをしてしまっては、なかなか月収25万円の生活に戻せない、そういうことですね。
当然、リボ払いを利用限度額いっぱいまで使い切ってしまったその先は日々のクレジットカード利用額よりもリボ払いの返済金額のほうが増えてしまうので、結果として地獄を見ることになります。
リボ払いを使うとローンが組みにくくなる:
あなたがもしリボ払いを利用し、未返済の残高がたんまりと残ってしまっているとしたら、それはあなたがお金に困っているなによりの証拠。
そんな状況を他のクレジットカード会社や銀行などに確認されてしまったら、新規にクレジットカードを作ることも、住宅ローンや自動車ローンを新規に組むことも難しくなります(いわゆるクレジットヒストリーが悪い状態になる)。
- リボ利用歴あり:お金に困ってそうと認定
- リボ利用歴なし:困窮してるとは思われない
これもリボ払い利用上のデメリットで間違いなしですね。これから住宅や自動車を買う予定がある方はお気をつけください。
メリット以上に大きなデメリット:
ここまでクレジットカードでリボ払いを使うメリット&デメリットを紹介させていただきましたが、説明するまでもなく、いくつかあるメリットはリボ払い最大のデメリットである「金利がかかる」ことですべて相殺されてしまうものばかり。
要するに金利を払ってまで得るべきメリットではないので、リボ払いは使わないほうが無難といえるのです。
『そうはいっても手元にお金がないんだからしょうがないじゃないか!』
そう思われる方もいるかと思うので、いくつかお金に困った時にどうすべきなのか…についてもすこし紹介しておきます。
ビューカードを活用する:
お金に困った時、個人的に一番おすすめしたいのがボーナス1回払いです(ボーナス払いに関する知識がない方はこちら)。
やり方は下記記事を参考にしてもらえればな…と思いますが、JR東日本系のクレジットカード「ビューカード」を利用すれば、ユニクロや西友での支払いをあとからボーナス払いに切り替えられるため、支払いを先延ばしできた分だけ金利発生を抑えられるメリット有り。
なぜならボーナス一括払いはリボ払いとは異なり無利息で支払いを先延ばしできる方法。
支払日までにお金を用意する必要はありますが、毎月コツコツ貯めればそれだけでムダな金利支払いを0円に抑えられるメリットがあるんです。
いきなりリボ払いを使うと金利発生:
反面、最初からリボ払いを使ってしまうと翌月から金利が発生してしまうため、そのうちリボ払いの金利負担でクビが回らなくなる可能性大。
- リボ払い:すぐに金利が発生する
- ボーナス1回払い:金利発生なし
これは非常にもったいない状況といえるので、お金が手元にないからとの理由でリボ払いを使っている方は、ビューカードへの切替でうまくやりくりしてみてください。
必要なのは知識ですよ(ビューカード公式はこちら)。詳しくは下記記事もあわせてどうぞ。
銀行のカードローンを利用する:
それでもお金に困っているんだ…という方は、リボ払いの金利を払うよりも大手銀行のカードローンを利用するほうがまだマシ。
これは単純な話、リボ払い金利はどのクレジットカード会社でも概ね14~15%程度かかるんですが、銀行カードローンだと借り方次第でその金利をそれ以下に抑えられるため(試しに下記の銀行ローン金利を確認ください)。
要は思い切って借金してしまったほうが負担が少ないのです。
まぁなかなか借金をするって勇気がいるかもしれませんが、その勇気のあるなしだけで重い金利負担をしつづけるのはもったいない話。
極力、リボ払いを使わずにカードローンからお金を借りて生活費をまかないましょう(すでにリボ払いを目一杯利用してしまっている方は、下記記事も参考に)。
理解して使うのであれば止める理由はない:
『現時点で金欠だけど、3ヶ月後にはちゃんと返済できる目処があるからリボ払いを使う!』とか、『研修期間の3年間だけは収入が少ないからどうしようもないときに限りリボ払いを使うけど、3年後からはちゃんと返済にお金を回すつもり!』といったような、計画性をもってリボ払いを使うのであれば止める理由はなし。
- 理解せずにリボ払いを使う:危険すぎる行為
- 理解してリボ払いを計画的に使う:問題なし
前述のようにリボ払いにも一応はメリットが存在するので、金欠を一時的に回避するとか、収入が安定する目処がある方は上手に活用ください。
リボ払いは最後の手段:
あれこれ解説してきたように、クレジットカードのリボ払いはもうどうしようもなくなった時の最後の手段。
すでにほかの支払い手段や借入先からお金を借りてしまい、他の支払い手段がまったくない…というタイミングになってはじめて使うべきかを検討すべきものなので、それ以外の場合では絶対に利用しないようにしてください。
業界人である私が言うのもアレですが、そのくらいリボ払いは百害あって一利なし。金利を負担しても利用する価値など全くありません。
キャンペーンやポイント目的もダメ:
あと、「楽天カードでリボ払いをするとポイント獲得数が増えるから」とか、「今、リボ払いを利用するとキャンペーン特典として3,000円分の商品券が貰えるんだ」といってリボ払いを使おうとする方もいますが、そういったリボ払いの使い方も要注意。
カード会社もビジネスなので、自社にとって損になるようなキャンペーンを展開することはありませんよ。
それ以上の金利収入が期待できるからこそ実施していることに気付いてもらえればと思います。
以上、専門家がリボ払いのメリットとデメリットを解説!これからクレジットカードのリボ払いを使う予定がある方は、その落とし穴に注意しよう…という話題でした。
参考リンク:
リボ払いやキャッシングの返済が大変で、毎日、頭がお金のことでいっぱいいっぱいになってる方は下記記事を参考に。
本当にお金に困ってしまった時に読んで欲しい内容です。