今回は電気代、ガス代、上下水道代といった公共料金をクレジットカード払いでするメリットとデメリットをわかりやすく解説。
未だに銀行口座振替でそれらの料金を支払っている方は、この機会に支払い方法の見直しを検討してみてください。
ケースバイケースではありますが、クレジットカード払いすることが節約につながりますよ。
公共料金をカード払いするメリット:
早速、電気代やガス代等の公共料金をクレジットカード払いするメリットからまとめていきたいと思います。
1.ポイントが貯まる
まず、公共料金をクレジットカード払いする最大のメリットは、支払い金額に応じてポイントが貯まること。
たとえば電気代、ガス代、上下水道代、NHK受信料、携帯電話料金などを毎月3万円支払いしている家庭の場合には年間36万円もの支出をしている計算になるため、これらの料金をポイント還元率1%のクレジットカードで支払うだけで3,600円分のポイント獲得につなげることが出来ます。
ポイント還元率1.0%のカード例:
支払い金額 | 還元率0.5% | 還元率1.0% |
---|---|---|
月額3,000円 | 年180円分 | 年360円分 |
月額5,000円 | 年300円分 | 年600円分 |
月額1万円 | 年600円分 | 年1,200円分 |
月額2万円 | 年1,200円分 | 年2,400円分 |
月額3万円 | 年1,800円分 | 年3,600円分 |
月額5万円 | 年3,000円分 | 年6,000円分 |
月額3万円くらい誰しも払っている固定費:
こう書くと『いやいや、月間3万円なんて固定費は払ってないよ?』と思われる方は多いかと思いますが、各固定費を合計してみるとだいたいそのくらいの金額になるもの。
携帯電話代や電気代で軽く1万円になり、それにガス代、水道代、プロバイダ料金、NHK受信料を加えるとカンタンに3万円程度になります。
さらに家族の携帯料金まで払ってる方や、生命保険や自動車保険料等を払っている方であれば軽く5万円以上になることも。
こうなるとこれらの費用を銀行口座振替で払っていることはお金をドブに捨ててるようなものですよ。非常にもったいないです。
長期で考えるとさらにお得:
それに一度、支払い方法を銀行振替からカード払いに切り替えておきさえすれば、その後は3年、5年と長期に渡ってポイント獲得が可能になる点もお忘れなく。
- 手続きを踏む:その後、ずっとポイント獲得
- 手続きしない:ずっとポイントを捨てることに
特に数万円単位の固定費を払っている方なら、下記表のようにちょっとしたお小遣い以上のポイント獲得に繋がるので、1%還元であっても決して馬鹿にはできません(下記表は還元率1.0%で算出したポイント獲得金額)。
年数 | 月間3万円 | 月間5万円 |
---|---|---|
1年間 | 3,600円 | 6,000円 |
3年間 | 1万800円 | 1万8,000円 |
5年間 | 1万8,000円 | 3万円 |
10年間 | 3万6,000円 | 6万円 |
手続きは一瞬、獲得ポイントはこの先ずっとです。
2.引き落とし日が同じになる
電気料金、ガス料金、水道料金などをバラバラに払っていると、当然ながらそのそれぞれで銀行引き落としがかかる形になりますが、1枚のクレジットカードに支払いをまとめてしまえば引き落とし日を1つに限定させることが可能。
- 支払日がバラバラ:
各固定料金の引き落とし日を管理するのが面倒 - 支払日が1つ:
月に1度だけ残高管理をすればOKなので楽
これ、銀行口座残高に余裕がある家計であればバラバラでもそう問題があるわけではありませんが、口座残高がカツカツな家計だと常に銀行口座残高と請求書をにらめっこする必要性があるので面倒なんですよね。
さらに人によっては電気料金はみずほ銀行、ガス料金は三井住友銀行…といったように、固定費ごとに別々の口座を指定してたりすることなんかもあるので、カード払いにまとめてしまえばそういった残高管理が不要になるメリットがあります。
携帯料金の支払い忘れがない:
加えて最近問題になりがちな携帯料金の未納トラブルも、クレジットカード払いを設定しておけば未然に防ぐことが可能。
詳しくは上記記事を読んでもらえれば…と思いますが、こういった支払いミスでブラックリストに追加されたくないのであれば、カード払いにまとめておいてしまったほうが便利&安心だと言えます。
これから住宅ローン等を組む予定があるなら尚更です。
3.支払履歴がわかりやすい:
公共料金の支払いをクレジットカードにまとめると、過去の支払管理が一気にラクになります。
なにせクレジットカードの利用明細書さえ確認すれば、そこにすべての支払履歴が記載されるようになるので、今月は電気代がいくらだったのか…といった数字を把握しやすくなるメリット有り。
- コンビニ払いで納付:
サービスごとに管理をする必要性があるので、過去に発生した費用の確認がしにくい(東京電力なら東京電力に、大阪ガスなら大阪ガスで確認するしかない) - クレジットカード払い:
明細を見ればその月の利用料がわかる(明細書に電気代、ガス代、水道料金等の金額が記載されるので毎月の固定費が把握しやすい)
また、明細書を保管しておけば、先月よりも水道代が500円あがっちゃったな…とか、去年のガス代はいくらだったのか?などの確認がカンタンになるだけでなく、家計簿アプリと連動させることで公共料金の月別比較も出来たりしますよ。
この他にも確定申告がラクになるなど、支払い履歴をデジタル化しておくメリットは多いです。個人事業主の方は下記記事も参考にどうぞ。
4.支払いを先延ばしできる
公共料金をクレジットカード払いにすると、銀行口座振替の時よりも約1ヶ月ほど、支払いを先延ばしできるようになります(先延ばしできる期間はクレジットカードによって異なります)。
- 銀行口座振替:
電気代やガス代の請求→即引き落とし - カード払い:
電気代やガス代の請求→カードで支払い→カード代金の引き落とし
それゆえ、手元にお金がない…という場合にはカード払いに切り替えることで1ヶ月ほど支払いを先延ばしするのがおすすめ。
その間にしっかりお金を貯めておけば、1ヶ月後にやってくる支払日に問題なく料金を払えることでしょう。
緊急時はリボ払いや分割払いで凌ぐ:
それにクレジットカード払いで電気代やガス代を払っておけば、支払いできずに電気やガスを止められてしまう心配も減るので、生活に窮している時こそクレジットカード払いが最適。
加えて金欠時は電気代やガス代をリボ払いや分割払いで支払うことだって出来るので、とりあえずクレジットカードで払っておくことが重要なのです。
- 銀行口座振替に設定:
支払いができなかった時に電気やガスを止められてしまう可能性が高い(払えないとわかっていても対処のしようがない) - クレジットカード払い:
支払いが出来そうにない時は後からリボ払いや分割払いに切り替えることで急場をしのぐことが出来る(電気やガスが止められにくい)
現金を必要とするコンビニ払いや銀行口座振替ではこうはいきません。
5.信用力があがる
公共料金をクレジットカード払いにするメリット5つ目は、あなたの世間一般からの信用力をあげることができるというものです。
実はクレジットカードを使った履歴や、銀行からお金を借りた履歴というのは個人信用情報機関という場所に保管&管理されているもの。
そのため、クレジットカードを正しく健全に利用すると、この履歴を良いものに変えるメリットがあるのです(俗にいうクレヒスを磨くということ)。
もちろん公共料金の支払いをクレジットカードでしている場合でもこの履歴を磨くことが出来るので、将来、住宅ローン等を借りたいとか、いつかはブラックカードを持ちたいと思っている方はクレジットカード払いがおすすめですね。
詳しくは下記記事などを参照にどうぞ。
カード払いしたくても出来ないガス会社や水道局も:
いくらクレジットカードで支払いをしたい…と思っていたとしても、地方自治体が運営しているガス会社の場合だと、クレジットカードによる支払いを受け付けてくれないところも未だに多いですね。
また、上下水道については100万人以上住んでいるような政令指定都市でも未だに銀行口座振替のみなところも結構ある状況。
- 地方のガス会社:カード払い不可が多い
- 水道局:大都市以外はほとんど使えない
なかなかすべての公共料金をクレジットカードで払うというのは難しいようです。
公共料金をカード払いするデメリット:
次に電気代やガス代といった公共料金を、クレジットカード払いするデメリットについての解説です。
1.口座振替割引が受けられない
公共料金をクレジットカード払いする最大のデメリットは、電力会社やガス会社が口座振替利用者に対して設定している「口座振替割引」と呼ばれる割引がカード払いだと受けられないことにあります。
たとえば中部電力や九州電力では銀行口座振替をしてくれた利用者に対して毎月、55円の割引を実施中(引用元はこちら)。
口座振替のお客さまを対象に、前月の電気料金が検針日から約2週間後の初回振替日に引き落とされた場合、当月の電気料金が55.00円(税込)割引となります。
つまり仮にカード払いをするメリットがこの55円以下だと思う方は、口座振替割引のほうを優先させたほうがメリットがあることになります。
- カード払いのメリットが55円以上:カード払いがおすすめ
- カード払いのメリットが55円未満:口座振替がおすすめ
まぁざっくり、月額5,000円以上の電気料金を払っている方ならカード払いのほうがお得、月額3,000円程度しか電気は使わないよ…という一人暮らしの方なら銀行口座振替のほうがお得…といった感じでしょうか。
廃止傾向にあるサービス:
尚、この口座振替割引は近年、クレジットカード払いやQRコード決済の普及によって廃止傾向にあるサービス。
東京電力でも2020年4月分の検針から割引を廃止したとの情報もあるので、他の電力会社やガス会社も東京電力に追随して終了となるかもしれません(引用元はこちら)。
口座振替割引の終了
クレジットカード払いやLINEPay、PayBなどお支払い方法の多様化が進んできたことから、口座振替割引(税込55円/月)を終了します。
また、北海道電力、東北電力、沖縄電力などの電力会社や、地域経済に根付いている中小ガス会社には元よりこの割引サービスが存在しません。
そのため、そういった会社と契約をする場合にはこのデメリットを考慮せずとも大丈夫でしょう。
2.支払いを先延ばしにするのが気持ち悪い
2つ目はデメリットらしいデメリットでもないんですが、『とにかくなんでも支払いがきたらすぐに払ってしまいたい!』という方にはクレジットカードは向きません。
これは現金主義の方に多い傾向があるので、そういう後払いが気持ち悪い方は銀行口座振替のほうがシンプルでわかりやすいかもしれませんね。
- 後払いでも問題なし:カード払いでもOK
- 後払いは気持ち悪い:口座振替のほうが良いかも
いくらお得であっても変な気分を感じながらカード払いをする必要性はないので、好きな方を選んでもらえればと思います。
3.利用限度額を圧迫するなど
3つ目のデメリットは、電気代やガス代などをクレジットカード払いしてしまうと、その分だけクレジットカードの利用可能残高が減り、他の支払いに使いにくくなるというものです。
- 公共料金の支払いあり:カード利用可能額がその分、少なくなる
- 公共料金の支払いなし:利用限度額まで支払いに使える
利用限度額10万、20万といったカードしか持っていない方、リボ払いの未払い残高が膨らみすぎて、もう残りの枠がほとんどないよ…という方はお気をつけ下さい(利用限度額をあげるための方法は下記なども参照に)。
異常に気付きにくいデメリットも:
電気代、ガス代、水道料金、携帯料金などなどをクレジットカードで支払ってしまうと、毎月、いくらの請求が届いているのかがルーズになりがち。
そうなると子供がスマホゲームに課金をしてしまって10万円以上の料金になってしまったとか、自宅裏にある水道を出しっぱなしにしてとんでもない水道料金を請求されてしまった時に気付きにくくなるデメリットはあるので、たとえカード払いに切り替えたとしても月に1度はその明細書を確認するようにしてください。
- 子供がスマホゲームに課金:気付きにくい
- 水道の出しっぱなし:気付きにくい
- 漏電による電力消費:気付きにくい
- 近隣から電気等を盗まれる:気付きにくい
そうすれば異常に気付くことが出来るようになるだけでなく、家計全体の出費把握も可能になりますよ(料金把握は家計の節約にも繋がりやすい)。
私が電気&ガス料金をカード決済する理由:
ちなみに。
そういう私はどのように公共料金を支払っているのかというと、やはりクレジットカード払いを選択中。電気代、ガス代、水道料金、保険代、NHK受信料などなど、カード払いできるものはすべてカード払いしてしますね。
理由としてはそのほうがラクだから…ということがすべて。
ポイントが貯まるとか、支払いが先延ばしに出来るとか、そういう話じゃもうなくて、クレジットカード払いにさえ設定しておけば支払い漏れがなくなるため、余分なアタマをそちらに振り分けなくていい…というのが最大のメリットだと思ってます。
- コンビニ払い:支払い忘れが多くなる&余分な頭を使う
- 銀行口座振替:支払いごとに銀行残高管理が必要
- カード払い:カード代金の引き落としだけ気をつければOK
結果としてポイント獲得ができ、更には信用力もアップしていくクレジットカード払い。個人的には今後もカード払いを優先して選択していきたいなと思います。
以上、電気・ガスなどの公共料金を、クレジットカードで支払うメリット&デメリットを解説。公共料金はカード払いするとポイント分だけお得?…という話題でした。
参考リンク:
公共料金の支払いをクレジットカードで行うのであれば、ポイントが貯まりやすいカードで支払うのがおすすめ。
ポイント還元率1.0%以上のカードを使うことで口座振替割引以上のポイント獲得を目指してみてくださいね(残念ながら楽天カードは公共料金の支払いに向きません)。