現在、ソフトバンクにしろNTTドコモにしろ、携帯電話を分割払いで購入するとクレジット情報(個人信用情報)が作成され、個人信用情報機関に契約内容が登録されることになります。
しかし、これを読んで理解できる人は非常にレア。
多くの方は「個人信用情報機関に契約内容が登録される」と言われてもよくわかんないよ…と思うのが実情なのではないでしょうか?
そこで今回は私が過去に契約をしたソフトバンクとの割賦契約(分割払い契約のこと)を事例に、どんなふうに個人信用情報が記録されるのかを解説。
まぁ見ても面白いものではありませんが、しっかり理解しておくとなにかと便利な情報になりますよ。お金に詳しくなりたい方はどうぞ。
個人信用情報機関への登録データについて:
ソフトバンクとの割賦契約データ:
早速、私が2014年にソフトバンクと契約した情報を公開(モザイクがかかっている部分は私個人の氏名や生年月日、電話番号等なので非公開にさせてもらいました)。
ただこれを公開しただけでは「?」だと思うので、ここからは登録されている情報についてわかりやすく解説をさせていただきます。
ちょっと難しい話になりますが、例を多めに入れて解説していくのでしっかりと付いてきてくださいね。
個品割賦とは?
まず13番目の契約内容に書かれている「個品割賦(こひんかっぷ)」について。
個品割賦とはいわゆる立て替え払いのこと。
たとえばあなたが10万円の最新iPhoneを契約する場合には、本来、その場で10万円を払ってiPhone本体を購入する必要性があるのですが、これをせずにiPhone本体が手に入るのは、誰かがみなさんの代わりに一括で10万円を払ってくれているからです。
- 一括払い(本体一括購入):
契約時に10万円を払ってiPhoneを買い取る - 分割払い(本体分割払い):
誰かが代わりに10万円払ってくれるため、分割で返済すればOK
そう、その「誰か」がソフトバンク株式会社ってこと。
ソフトバンクはみなさんに10万円を貸してiPhoneを買わせ、その代金を24回に分けて受け取っている…と考えるとわかりやすいと思います(下記はKDDIの解説)。
個品割賦販売契約とは、お客さまが購入される携帯電話等の代金のうち頭金を除く金額について、後日お客さまが当社にその代金を分割でお支払いいただく購入方法です。
お金を借りている状態に:
そんな感じでソフトバンクから10万円を借りたみなさんは、冒頭で出てきた個人信用情報機関(こじんしんようじょうほうきかん)に『この人は10万円のお金をソフトバンクから借りている人』という記録が登録されることに。
そう、それが先ほどの画像というわけです。
そして登録データをチェックすれば、誰が誰からお金を借りているのか、そしてどんな契約なのか、建て替えしてもらっている商品は何なのか、返済はいつまでなのか…といった情報が丸わかり。
- お金を貸している人:ソフトバンク株式会社
- お金を借りている人:(モザイク部分)私
- 借りているお金:70千円(7万円)
- 分割払い回数:24回
- 請求額:2,000円(実際には2,500円程度)
- 購入商品:携帯電話
これで『そんなお金を借りる契約はしていない』と言い逃れはできません。
入金状況を見て信用力を確認する:
ここまででクレジット情報にはどのようなものが記録されているのかがお分かりいただけたものと思いますが、このクレジット情報の中で一番大切な項目は一番下にある「入金状況」の欄。
なぜ入金状況がそんな重要なのか…というと、ここに毎月、ドルマーク($)が記録されているかどうかで『この契約者は信用に値する人物なのかどうか』かがわかるためです(記載マークについてはこちらを参照)。
- $(ドルマーク):請求どおり(もしくは請求額以上)の入金があった
- P:請求額の一部が入金された
- A: 利用者側の都合で、約束の日に入金がなかった(未入金)
例をあげるとドルマークが毎月記録されておらず、返済遅れや一部入金を示すAマークやPマークが並んでいる場合は「お金を借りても約束通りに返さない人」ってこと。
反面、私のようにすべてドルマークが並んでいる人は「借りたお金をしっかり返す人」になるので、この先、同じように個別割賦で携帯電話を契約する際に有利に働くことでしょう。
各社に情報共有される個人信用情報:
この時、『いやいや、別にソフトバンクやNTTドコモから信用されなくても大丈夫だし。クレジット情報が悪くなっちゃったらその後は一括払いで購入するよ』と割り切っちゃう人もいるかも…ですが、ここが個人信用情報機関の怖いところ。
実は個人信用情報機関(CIC)に登録されているあなたのクレジット情報は、ほぼすべてのクレジットカード会社、消費者金融、銀行などに情報共有されてしまうため、借りたお金をしっかり返さないと携帯電話契約どころの話では収まらなくなるのです。
- 間違い:
ソフトバンクとの契約を破ってもソフトバンクから嫌われるだけ - 正解:
ソフトバンクとの契約を破ると銀行や消費者金融などからも嫌われる
要は『こいつは借りたお金を返さないヤツだ!』という悪い履歴が個人信用情報機関に記録されてしまったら、その後はどのクレジットカードを申し込んでも審査落ちをし、消費者金融からお金を借りようとしても断られやすくなるってこと。
これが俗にいう「ブラックリストに登録される」という事態にあたるものなので、くれぐれも携帯電話料金の支払い遅延にはご注意ください。
- 携帯料金の支払いが遅れがち:
あなたの信用が傷つき、新規にクレジットカードが作れなくなったり、住宅ローン審査等に通らなくなる場合も - 携帯料金の支払いに遅れない:
あなたの信用力があがり、新規にクレジットカード等が作りやすくなったり、消費者金融から低い金利でお金を借りられることも
『俺、もしかしてヤバイかも?』と思った方は、下記記事もあわせてご覧いただければと思います。
携帯電話料金はクレジットカード払いしよう:
現在、携帯電話料金を銀行口座振替で支払っている方は要注意。
なぜなら銀行口座残高が足りないと即座に個人信用情報が傷ついてしまう可能性があるので、直接、銀行口座から振替をするのはリスクがあるんです。
その点、携帯電話料金をクレジットカードで支払っておけば、仮に残高不足を起こしたとしても多少は猶予してもらえるメリットあり。
- 銀行口座振替:残高不足で信用情報が傷つきやすい
- クレジット払い:残高不足でも多少の猶予がある
もちろん10日間も20日間も支払いを送らせてしまうと結局一緒ですが、最悪、お金が足りなくなりそうならリボ払いや分割払いに逃げることも出来るので、信用情報を傷つけにくくなりますよ。
携帯料金はしっかり払おう:
ここまで個人信用情報機関(CIC)にソフトバンク等の購入履歴がどのように掲載されるのかについて書かせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
このように所詮は携帯料金と思っていると、いつの間にか信用力を大きく傷つけてしまうこともあるので、電気代やガス料金の支払いは遅れても、携帯代だけは絶対に遅れないようにしてください。
- 携帯代の支払い遅延:個人信用情報を傷つける可能性アリ
- 電気代やガス代の支払い遅延:支払いが遅れても個人信用情報は傷つかない
甘く見ているとクレジットカードが作れないだけでなく、住宅ローン審査にも通らなくなりますよ。
以上、ソフトバンクやNTTドコモで携帯電話を分割購入すると、こんなクレジット情報が個人信用情報機関に記録される!携帯代はしっかり払おう…という話題でした。
参考リンク:
ちょっと前に書いた記事ではありますが、携帯料金の支払い遅れでブラックリスト登録されるケースについては下記記事も参考に。
ここ8~9年で登録されるようになったものなので、まだまだ知らない方が多い印象ですね。