昔と比べて気軽に行けるようになってきた海外旅行。
コロナの影響で多少は高騰しましたが台湾2泊3日で2万9,800円、1泊2日ソウル弾丸ツアーが1万4,800円などなど、そういった少額でも行けるパッケージツアーが増え、もはや誰でも行こうと思えば海外にいける時代になってきました。
むしろ沖縄や北海道旅行よりも海外旅行のほうが安い…なんてことも多い状況です。
- 昔:海外旅行は高嶺の花。国内旅行で我慢。
- 今:海外旅行は誰でも行ける時代。国内旅行のほうが高いことも。
興味がある方はH.I.S.のサイトなどをご覧ください。
海外での医療費をなめちゃいけない:
そんな格安で行くことができるようになった海外旅行ですが、保険代だけは絶対にケチらないようにしてください。
理由は単純で、日本人が思っているよりも海外の医療費というのは法外なまでに高いためです。
この時、『いやいや、そうはいっても10万円前後くらいでしょ?だったら保険代のほうが高いから無保険でいいんじゃない?』と思った方は要注意。
参考までにちょっと古い2008年時点での情報ですが、株式会社アイエヌシーという損害保険会社が調べた盲腸手術の医療費を紹介させてもらおうと思います。
地域 | 都市名 | 費用 |
---|---|---|
北米 | サンフランシスコ | 2,500,000円 |
ニューヨーク | 2,160,000円 | |
バンクーバー | 1,500,000円 | |
欧州 | ジュネーブ | 2,970,000円 |
ロンドン | 1,512,000円 | |
パリ | 1,134,000円 | |
ローマ | 1,100,000円 | |
マドリッド | 972,000円 | |
アジア | 香港 | 900,000円 |
上海 | 680,000円 | |
ソウル | 630,000円 | |
バンコク | 400,000円 | |
北京 | 200,000円 | |
オセアニア | シドニー | 864,000円 |
クライストチャーチ | 864,000円 | |
ハワイ | ホノルル | 1,950,000円 |
ミクロネシア | グアム | 864,000円 |
※総費用は、外国人が私立病院の個室を利用し手術も複雑でない場合を想定。また総費用は手術費の他、看護費用、技術料などおよび平均入院日数の病室代などを含む。1US$=108円で換算し、千円単位に四捨五入。
ご覧のようにどこの都市でも超高額が求められる状況。
アメリカ合衆国ではざっくり150万円~250万円、ヨーロッパでも100万円以上~300万円程度、物価が安い東南アジアでも総じて高いことがわかります。
加えてこの15年で各地の物価は倍以上に跳ね上がっているので、アメリカでの盲腸手術は下手すると500万円弱になる場合もありそうな感じ。
同様に中国やバンコク、香港といった地域の治療費も2008年頃とは比べ物にならないほど高くなっていることでしょう。
これ…みなさんだったら問題なく払える金額なのか、そして海外旅行中に盲腸などの急病にならない自信があるのか…ということを考えてみてください。
仮に急増にかかった場合にはこれだけの費用が請求されることを考えると、無保険で海外にいく怖さがわかってもらえるのではないでしょうか?
日本へ救急搬送されたらもっと高額:
前述の医療費例は盲腸の手術をした場合のものですが、他にも心筋梗塞や脳梗塞などを渡航時に発症してしまった場合には、下手すると1,000万円以上の医療費になることも。
更に更に日本へ飛行機で搬送されることにもなれば、医療スタッフ同伴での搬送となるのでそれだけで500万円以上の請求されることもありえます。
まぁ可能性をいえばキリがないのでしょうけれども、日本と同じ感覚で海外旅行に行ってしまうと、それだけで人生を狂いかねないほどの借金を背負う可能性があるということ。
どうせ10万円程度だろうと思ってると、かなり痛い目にあいますよ。
私も海外で高額医療費を請求されたことアリ:
私自身も実はアメリカで高額な医療費を請求されたことがあります。ちょっと胸のあたりが痛くで病院に行き、3時間ほどの治療をしてもらった時の費用が18万円と、日本では信じられないような治療費を請求されました。
しかもこれ、2001年当時の治療費です。今、まったく同じ治療を受けようと思えば、たぶん50万円近くの治療費を請求されてもおかしくない感じ。
なにせアメリカは日本と違ってインフレが進み、物価の上昇幅が凄まじいため、倍額はかかることでしょう。
ちなみに3時間ほどの治療を受けたものの胸の痛みは治まらず、「原因がわからないからもっと痛くなったら来てね」と言われて返されました。
そんな治療で18万とか、日本じゃ想像できません。
海外に行く前に旅行保険を:
こんな感じに海外では高い高い医療費を請求されてしまうことが多いので、海外に行く前には海外旅行傷害保険というものに加入していくようにしてください。
この保険があれば補償の限度額はありますが、そのほとんどで医療費の自己負担をしなくて済むようになります。
例えば前述のように私はアメリカで18万円の医療費を請求されたわけですが、海外旅行傷害保険に加入していたために自己負担額は0円で済みました。
仮に加入していなかった場合には金欠に陥って、日本に強制的に帰国しなくてはいけなくなってしまったことでしょう。
- 海外旅行傷害保険なし:18万円は自己負担
- 海外旅行傷害保険あり:18万円は保険会社負担
ではどうすれば海外旅行傷害保険に加入できるのか?その方法について3つほど紹介させてもらおうと思います。
1.パッケージツアー購入時に依頼する:
一番カンタンなのは、海外旅行のパッケージツアーを購入した旅行代理店に「海外旅行傷害保険に加入できないか?」と伝えることです。
今やH.I.S.やJTBをはじめ、ほとんどの旅行代理店で海外旅行傷害保険の取り扱いがあるので、パッケージツアーをそれらの場所で購入したのであれば担当の営業マンまで確認すればOKですね。
その際、保険についての保証内容や適用期間についての疑問がある場合にはちゃんと聞いておくようにしてください。
海外旅行傷害保険によっては十分な保証を受けられない場合もあるので、どのくらいの費用まで保険がカバーしてくれるのか確認することが大切ですよ。
2.国際空港で加入する:
2つ目は成田空港や羽田空港、関西国際空港といった国際空港で海外旅行傷害保険に加入する方法です。
これらの空港には大抵、海外旅行傷害保険に加入するための専用機械が設置されているので、その機械の指示にしたがって手続きしていけば加入できることになります。
デメリットとしては保険加入手続きにやや時間がかかること、相対的に保険代が高くついてしまう可能性があること。
とりわけ急いで出国ゲートに向かわなくてはいけないようなときには、加入手続きをする時間を取る暇もなく離陸してしまうことにも繋がるので、余裕があるならこの方法は選ばないようにしてください。
3.クレジットカードを保有する:
個人的に一番おすすめなのはこの3つ目、海外旅行傷害保険が付いているクレジットカードを持つことです。
ゴールドカードやプラチナカードといった、年会費がかかるクレジットカードの場合には大抵、海外旅行傷害保険が最初から無償で備わっているので、それを活用することで海外旅行時の安心につなげよう…というものですね。
加入が安心へと繋がります。
無料で海外旅行傷害保険に加入する方法も:
『いやいや、海外旅行傷害保険のためだけにゴールドカードに加入するのって勿体無いでしょ?』と思う方、ご安心ください。
下記記事には海外旅行傷害保険がついてくるけど、年会費も入会金も無料で作ることができるクレジットカードをまとめてあるので、それらのクレジットカードを作れば海外旅行傷害保険に実質無料で加入することが可能。
要するに負担0円で海外旅行傷害保険に加入できてしまうんです。
もちろん海外旅行傷害保険付きのクレジットカードさえ持てば、2回、3回と複数回、海外旅行に行った場合でも安心。
その都度、海外旅行傷害保険に加入する必要性はないので、何度でも保険に守られながら海外旅行に行くことができますよ。
- 都度、保険に入る:海外渡航時にその都度、手続きが必要
- クレジットカードの旅行保険を使う:何度でも保険適用
おすすめです*1。
海外療養費支給制度を使えば少しは戻ってくる:
海外旅行時に支払った医療費は、会社員なら勤務先に、自営業者なら自治体に申請することで支出分の最大7割が戻ってくることになります(こちらあたりを参照に)。
しかし、その戻ってくる金額というのは日本の医療費相場と照らしあわせた分しか戻ってこない金額なので、高額な治療費や入院費を海外で払ったという場合にはかなりの持ち出しになる可能性大。
前述の盲腸や心筋梗塞等の手術であれば、持ち出し分だけで数百万以上になることのほうが多いので、やはり海外旅行傷害保険に加入しておくのが安心なのですね。
海外旅行には旅行保険が必須:
ここまで解説してきたように、どんな格安な海外旅行パッケージツアーであっても、海外旅行保険代をケチってはいけません。
仮に旅行中に万が一の事態に陥れば、それだけであなたの人生を狂わせかねないほどの借金を背負ってしまうことになるので、ほんと甘く見ないようにしてくださいね。
以上、海外での医療費はとんでもなく高い!海外旅行傷害保険なしで旅行に行くと、人生が狂いかねないほどの借金を背負う可能性があります…という話題でした。
参考リンク:
クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険についてもっと詳しく知りたい…という方は、下記記事もあわせてどうぞ。
これらの知識をしっかり頭に入れておけば、海外旅行時の急なトラブルでも慌てることがなくなります。
*1:ゴールドカードやプラチナカードに付いている海外旅行傷害保険であればさほど気にする必要性もありませんが、年会費無料のクレジットカードについている海外旅行傷害保険については利用付帯といって、旅行関連の費用をクレジットカードで払った場合のみ保険が適用になる…というものもあります。そのあたりの注意点についても詳しくはこちらの記事にまとめてあるので、とにかく無料で海外旅行傷害保険に加入したいという方はそちらをお読みいただければと思います。