そういったクレジットカードの支払い方法があることは知ってるけれども、あまり活用されていない筆頭といえば「ボーナス一括払い」ですよね。
事実、過去一度もこの支払い方法を使ったことがないという方は、クレジットカードをすでに利用中の方の中でも多いのではないでしょうか?
そこで今回はそんなボーナス一括払いの仕組みとその活用術を徹底解説。うまく利用すれば家計の節約につなげることも可能ですよ。
ボーナス一括払いの基礎知識:
ボーナス払いの仕組みを理解する:
まずはボーナス一括払いって?という方のために、ボーナス払いの仕組みの解説からはじめます。
ボーナス一括払いとはカンタンに言うと、一括払いの支払いを更に先延ばしできる方法のこと。通常、一括払いで買い物をするとその翌月に支払日がやってきますが、ボーナス一括払いの場合には夏のボーナスや冬のボーナス時期にその支払いが来ます。
- 一括払い:だいたい翌月に支払日がやってくる
- ボーナス一括払い:夏冬のボーナス時期に支払日がやってくる
場合によっては最大6ヶ月以上も支払いを先延ばしすることだって可能。
うまく使えば真夏の7月に払った分を、翌年の1月に払う…なんてことだって出来てしまいます。
金利や手数料は取られないの?
こう書くと、『いやいや、そんなにも支払い時期を先延ばし出来るなら、リボ払いみたいに手数料を取られるんじゃないの?』と思われるかもしれませんが、実はボーナス一括払いで金利手数料が取られることはありません(セゾンカードより引用)。
ボーナス一括払いの手数料や引き落としの手数料は一切かかりませんので急な出費や大きなお買い物にも余裕をもってお得にご利用いただけます。
一括払い同様、ボーナス一括払いも手数料ゼロで使うことが出来るので、違いは支払日が違うことくらいなんです。
比較項目 | 一括払い | ボーナス一括払い |
---|---|---|
支払日 | 主に翌月(カードによる異なる) | ボーナスシーズンに支払い |
金利手数料 | 原則、無し | 原則、無し |
ポイント | 通常通り | 通常通り |
ショッピング保険 | 通常通り | 通常通り |
カード会社によって引き落とし時期は異なる:
参考までにP-oneカードなどを発行しているポケットカード株式会社のボーナス払い例についても記載しておきます。
- 夏のボーナス一括払い
11月21日~翌年6月20日の間に利用した分を支払う
- 冬のボーナス一括払い
6月21日~11月20日の間に利用したぶんを支払う
仮に11月21日にボーナス一括払いで支払いをした場合には、支払いが翌年8月にやってくる…というわけですね。
当然、その間に発生する金利手数料は0円で、タダで約9ヶ月間も支払いを先延ばしできます。
ボーナス払いの欠点は?
そんな便利でお得なボーナス払いですが、利用上の落とし穴やデメリットはないのでしょうか?こちらについては主に3つです。
- ボーナス一括払いが不可な店がある
- 使いすぎると合計額が大きくなりがち
- 利用月によってはすぐに支払いがやってくる
1.ボーナス一括払いが不可な店がある:
デメリット1つ目は、すべてのお店でボーナス払いが使えるわけではないという点。
基本的には百貨店や家電量販店などなど、1回に支払う金額が大きめのお店でのみ利用できる支払い方法となるので、ボーナス払いを使いたい場合には事前にお店側に確認をしておくと良いでしょう。
- コンビニや飲食店:ボーナス払いは原則不可
- 百貨店や家具店など:使えることが多い
ちなみにごく稀に、飲食店でもボーナス払いが使えちゃうお店も存在。『お支払い方法は?』と聞かれたら、試しにボーナス払いできるかどうかを聞いてみてもらえればと思います。
2.使いすぎると合計額が大きくなりがち:
デメリット2つ目は、ボーナス払いを頻繁に利用しすぎてしまうと、夏冬のボーナス時期にやってくる請求額が大変な金額になってしまう点。
これはまぁ自分で過去に使った金額の合計額でしかないので自業自得でしかないのですが、お金の管理が苦手な方だとこれだけで家計がパンクしてしまうこともありえるのでくれぐれもご注意ください。
- 支払い管理ができる人:請求が来ても慌てない
- 支払い管理が甘い人:請求が来て慌てることに
ボーナス払いは所詮、支払いを先延ばししているだけに過ぎませんよ。
3.利用月によってはすぐに支払いがやってくる
ボーナス払いのデメリット、最後は使うタイミングによってはすぐに支払いがやってきてしまうという点です。
たとえばセゾンカードを使ったボーナス払いを7月10日にした場合、その請求がやってくるのは翌月の8月5日。
12月11日~7月10日の夏のボーナス払いの期間に、ボーナス一括払いでお買い物された代金の支払総額を8月5日にお支払い。
つまり1回払いを使ったのとなんら変わりのない支払いサイクルとなってしまうため、いくら支払いを先延ばししたくてもボーナス払いが使いにくい時期があるのですね(7月10日の翌日の7月11日に利用すれば、翌年の1月5日まで支払いは先延ばしできる形)。
ボーナスなんて貰えない職業なんだけど?
冬のボーナスにしろ夏のボーナスにしろ、ボーナスなんて貰えない職業なんだけど、それでもボーナス一括払いって使えるの?と思われる方、いらっしゃいますよね。
これについてはもちろん利用OK。
- ボーナスがある人:問題なし
- ボーナスがない人:問題なし
賞与など存在しないアルバイトやパートの方も、更には個人事業主の方だってボーナス一括払いを使うことが出来るので安心してください。
ボーナス一括払いの活用術:
これでボーナス一括払いとは何なのか?という基本がお分かりいただけたかと思いますので、ここからは肝心の、ボーナス払いの活用術について詳しく解説。
あまり知られてないですが、ボーナス一括払いを利用すればこんなことまで出来るんだ…ということを是非、理解してみてくださいね。
1.借金を減らすことができる:
一番わかりやすいボーナス一括払いの活用術はこれ、借金を減らすことです。
たとえば普段から分割払いやリボ払いといった、手数料が発生する支払い方法を利用しているという方は、ボーナス一括払いに切り替えることで手数料発生を0円にすることが可能。
- リボ払い:利用した当月、もしくは翌月から金利手数料を払う必要性アリ
- ボーナス一括払い:金利手数料は原則、0円
つまり分割払いやリボ払いを使わずにボーナス払いを多用すれば、それだけで金利負担をグンと減らすことが出来るのですね。
例を使ってボーナス払いのメリットを解説:
更に理解を深めてもらうために、数字にしてもう一度解説します。
例えばリボ払いを毎月5,000円の支払いに設定し、2015年1月10日に3万円の買い物をした場合、5000円×6回の支払い+金利手数料がかかります。JCBカードのリボ計算機を使うとこんな感じ(公式サイトはこちら)。
リボ払いを使うために1,233円の金利手数料が別途かかることがわかります。
ボーナス払いなら金利手数料不要:
これを2015年1月10日にボーナス一括払いで3万円の買い物をしたとする。
すると支払日が2015年8月10日に設定されるので、それまでに毎月5,000円をコツコツ積み立てておけば金利手数料0円で支払いをすることが可能です。
- リボ払いを使った場合:1,233円の手数料が必要
- ボーナス一括払いの場合:手数料は0円(毎月自分で積立)
そのため、現在借金をしている方、リボ払いや分割払いを常用しているという方は、リボ払いを減らしてボーナス一括払いを利用がおすすめ。
借金総額が少額な方であればこれだけで負担しなくてはいけない金利手数料を0円にすることも可能でしょう。
2.リボ払いの発生金利を減らせる:
前述の方法は正直、現時点でそこまでお金に困っていない方のための方法なため、『毎月、お金を積み立てておく余裕なんてないよ!』という方には使うことが出来ません。
しかし、そんな慢性的な金欠に陥ってしまっている方にもボーナス一括払いは有益。なぜならボーナス払いをした金額は、あとからリボ払いに切り替えることが出来るからです。
- ボーナス時期に払える場合:そのまま支払い(金利0円)
- ボーナス時期に払えなかった:その時点からリボ払いに切り替え
論より証拠、三井住友カードの公式サイトにおける解説を紹介します(公式より引用)。
あとからリボ
「1回払い」「2回払い」「ボーナス一括払い」でお買物をしたあとから、リボ払いに変更できるサービスです!(中略)
ボーナス一括払いのお支払い月(夏8月、冬1月)以外の期間でも事前にお申し込みになれます。リボ払いとしてのお取り扱いはボーナス一括払いのお支払い月の各締切日からとなり、その翌日から手数料計算の対象となります。リボ払いのお支払いは8月または1月からとなります。
ボーナス払いを経由することで発生金利が減る:
試しに12月にリボ払いをして買い物をした場合と、ボーナス一括払いをした例で比較してみましょう。
- リボ払い:翌月1月から金利手数料が発生
- ボーナス払いをリボ払いに変更:翌年8月から金利手数料が発生
こう比較してみると一目瞭然ですが、普段からリボ払いを利用しているという方はそれをすべてやめ、ボーナス一括払いを利用した後にリボ払いに変更すれば、最大8ヶ月程度の金利手数料を減らすことが出来るように。
これを知らずに家電量販店での支払いからデパートでの買い物まで、今までリボ払いをバンバン使っていた方は、その分だけ金利手数料を余分に払っていたことになるのですね。
金利を無駄に多く払ってしまっていた形となります。
3.お金の運用に回せる:
『私は別に借金なんてないし…』という方にもボーナス一括払いはメリットがあります。それは支払いを数ヶ月~9ヶ月近くも先延ばしできるということは、その分だけ現預金が手元に残ったままになるためです。
つまり6ヶ月の定期預金など、お金が手元にあるからこそ出来る資産運用をすれば、金利手数料0円なのに預金収入を得ることだって可能。
支払日は最初からわかっているわけですから、その日まで運用してお金をまとめておくだけで、ちょっとした収入を得ることが出来るのです。
- 一括払い:翌月には支払日がくるので資産運用には向かない
- ボーナス払い:支払いを最大8ヶ月以上延ばせるので半年定期などを使える
手元に残ったお金は使い方次第:
まぁ現在の定期預金金利だと大した収入にはならないかもしれませんが、手元にお金を残す価値&メリットというのは大きいはず。
さすがにリスクの高い株式投資にお金を回せとは言いませんが、住宅ローンの繰り上げ返済など、金利手数料0円で支払いを先延ばしできるなど使いようはいくらでもあるので、是非、上手にボーナス一括払いを活用してみてください。
うまくいけば半年で1%程度の運用益を得ることも可能だと思いますよ。
ボーナス一括払いはなぜ手数料0円なのか?
ボーナス一括払いはなぜ手数料0円で利用可能なのかというと、それはあなたがクレジットカードを利用したお店が負担しなくてはいけない手数料が一括払いよりも高いため*1。そういった事情があるために、お店によってはボーナス一括払いを受け付けない…という立場をとっているところもあるのです(お店が負担している手数料についての詳細はこちら)。
- 一回払い:お店の負担は少ない
- ボーナス払い:お店の負担は多い
まぁそんな裏事情があるなしに関係なく、みなさんはお店がボーナス一括払いを受け付けてくれているのであれば利用してOK。気にせずどんどん使ってみてください。クレジットカード会社としてもみなさんにボーナス一括払いを使ってもらったほうが収益をあげやすいので大歓迎ですよ。
賢く支払いを先延ばししよう:
ここまでボーナス一括払いの基礎知識から活用術についてまで、幅広く解説させていただきましたがどうでしたでしょうか?
ちょっとむずかしい内容かもしれませんが、きちんと理解して使ってもらえれば家計の節約から収入増にまで繋がる、かなり使い勝手のいい支払い方法になるはずですよ。
少なくとも最初からリボ払いや分割払いを使うなんて勿体無いことはしないようにしてもらえればな…と思います。
なんでもボーナス払い出来るカードも:
ちなみに。
JR東日本系のクレジットカードであるビューカードは、1回払いで会計した支払いをあとからボーナス払いに切り替えることが可能。
これを利用するとSuicaチャージやユニクロでの買い物ですらボーナス払いが出来るようになるのでお得ですよ。詳しくはその仕組みを解説したこちらの記事を参考にどうぞ。
以上、ボーナス払いの仕組みとその活用方法をわかりやすく解説!普段からリボ払いや分割払いを使ってる方は、金利手数料を確実に損してます…という話題でした。
参考リンク:
更にクレジットカードの知識を知りたい…という方は、下記記事などもどうぞ。クレジットカードポイントの仕組みや、入会キャンペーン情報などがおすすめです。
あと、この機会にリボ払いや分割払いといった支払い方法をちゃんと理解しておきたいという方は下記ページも参考に。クレジットカードの基礎知識がわかるようになります。
*1:契約内容によっては一括払いと同等の手数料負担という場合もあります。こういった場合にはボーナス時期までクレジットカード利用客の売上が入金されない契約になることが多いですね。