キャッシュカードとクレジットカード。
この2種類のカードって大きさ、重さ、姿形がまったく一緒なため、どこがどんなふうに異なるのかわからない…そんな方って意外と多いものなんですよね。
そこで今回はお金の初心者を対象に、キャッシュカードとクレジットカードの違いをわかりやすく解説。
これを読めばそれぞれの用途や利用方法が、スッキリとわかってもらえるはずですよ。
キャッシュカードとクレジットカードの違い:
早速、キャッシュカードとクレジットカードをすごく簡単に解説するとこんな感じ。
- キャッシュカード:銀行ATMを利用するためのカード
- クレジットカード:買い物で支払いに使うカード
これだけだと不十分だと思うので、補足を含めて解説していきます。
キャッシュカードはATM操作用のカード:
まず、キャッシュカードは基本的に銀行ATMを操作する目的で発行されるカードです。
キャッシュカードの主な役割としては自分の銀行口座からお金をおろしたり、他銀行口座への振込をしたりするのが一般的(下記画像は三菱UFJ銀行より転載)。
他にもキャッシュカードがあれば下記のようなことが可能です。
- ATMからお金を下ろす
- ATMを使って他口座に振込
- ATMを使って自分の口座に入金する
- 銀行窓口で税金や電気代等を自分名義の口座から払う
反面、キャッシュカードを使ってお店で買い物は出来ません。
クレジットカードは買い物で使える:
次にクレジットカードの機能と役割ですが、こちらは主にレストランや洋服店といったお店での支払いに使えるカードです。
これらのお店では現金を1円も持っていなくても、クレジットカードを店員に渡すことで現金不要のまま支払いを済ませることが可能(画像は三菱UFJニコスより)。
使える金額の上限はクレジットカードごとに異なりますが、クレジットカード1枚で100万円以上の支払いだって出来てしまいます(クレジットカードの仕組みはすこし複雑なので、詳しく知らない方は下記記事を参考に)。
ざっくり言うと「支払いのためのプラスチックカード=クレジットカード」といったところですね。
銀行ATMの操作はできない:
では、クレジットカードがあれば銀行ATMの操作もできるのか…というとこちらは不可能。
クレジットカードはキャッシュカードではないので、これ1枚で自分の銀行口座からお金を下ろすことは出来ませんし、指定口座へ入金も出来ません。
クレジットカードとキャッシュカードの比較表:
ここまで解説させていただいた内容をまとめたのが下記表です。
比較項目 | クレジットカード | キャッシュカード |
---|---|---|
預金の引き出し | できない | できる |
指定口座への振込 | できない | できる |
店頭での買い物 | できる | できない |
ネット通販での支払い | できる | できない |
ご覧のようにクレジットカードは支払いのためのカード、キャッシュカードは銀行ATMを操作するためのカードと覚えておけば基本は問題ないことでしょう。
見た目で2種類を判別する方法も:
キャッシュカードとクレジットカードを見分ける方法としてカンタンなのが、カード表面にVisa、Mastercard、JCBといったマークが入っていないかを確認する方法があります。
- キャッシュカード:Visa、Mastercard、JCB等のマーク無し
- クレジットカード:Visa、Mastercard、JCB等のマーク有り
仮に表面にそれらのマークが入っている場合はクレジットカードである可能性大。
反対にそういったマークがない&銀行名がデカデカと表示されている券面デザインなら、そのカードはキャッシュカードである可能性が高いと言えます。
基本は簡単でも実際はややこしい:
ここまで読んでいただければキャッシュカードとクレジットカードがまったく異なるカードであることがお分かりいただけたものと思いますが、実は世の中はそんなカンタンなものではなく、キャッシュカードであっても買い物できたり、クレジットカードであっても銀行ATMが操作できたりするケースが存在するんですよね。
こういうややこしい状況があるからこそ、キャッシュカードとクレジットカードの違いが曖昧な方が多いのかも。
参考までにいくつかの例を紹介していくのでご確認ください。
キャッシュカード+クレジットカード:
最近増えているのが、キャッシュカードとクレジットカードの機能を1枚にしてしまっているケース。
たとえばテレビCMで聞いたことがある三井住友カードも、三井住友銀行で作ろうとするとキャッシュカードとクレジットカードが一体型になったカード発行をすすめられると思います(転載元はこちら)。
これらのカードの場合、上記図のように銀行ATMの操作にも買い物にも使えるカードになるため、キャッシュカードとクレジットカードの境界線は全くなし。
要するにキャッシュカードでもあってクレジットカードでもある、そんな感じでしょうか。
キャッシュカードでも買い物できる:
次にややこしいのが、キャッシュカードでも買い物が出来る、J-Debit(じぇい・でびっと)と呼ばれる仕組みが存在する点。
J-Debitとは?
J-Debitとは、金融機関で発行されたキャッシュカードが、お買い物やお食事代のお支払いにそのままご利用いただけるサービスの名称です。
お支払いの際にキャッシュカードを提示し、端末に暗証番号を入力すると、ご利用代金がお客様の金融機関の口座から即時に引き落とされ、数日後に加盟店の口座へ入金される仕組みです。
こちらの仕組みを利用すればヤマダ電機やビックカメラ等の家電量販店で、キャッシュカードを使って支払いをすることも可能なんです。
では、クレジットカードとJ-Debitは何が異なるのか…というと、これは支払いのタイミングやポイント制度あたり。
比較項目 | クレジットカード | J-Debit |
---|---|---|
支払い | 後日まとめて引き落とし | 利用したら即座に引き落とし |
ポイント制度 | 各社独自のポイント制度あり | なし |
年会費 | カードによって異なる | 年会費無料 |
入手審査 | 審査あり | 審査なし |
J-Debitでは支払いをした瞬間に銀行口座から利用金額が引き落としされる仕組みなので、レジで銀行振込をするようなものと思っておくとわかりやすいかもしれません。
ブランドデビットも普及中:
また、Jデビット以外にもVisaデビットカードやJCBデビットカード等の、まるでクレジットカードのように使える「ブランドデビット」と呼ばれるデビットカードも存在。
有名なところだと楽天銀行の楽天銀行デビットカードなどでしょうか。
これらのキャッシュカードはJ-Debitとは異なり、クレジットカードが使えるお店でも支払いに使えるので、利用できるお店の数が多いのがその特徴。
仮にみなさんがお持ちのキャッシュカード表面にVisaやJCBのマークが印字されている場合には、そのまま支払いに使えると思って間違いありません(デビットカードの詳細は下記記事にて)。
クレジットカードでも銀行ATMを使える:
最後がこれ。
お金を借りる契約である「キャッシング枠」が付いているクレジットカードの場合には、銀行ATMにクレジットカードを差し込むことでカード発行会社から金を借りることが出来ます。
- キャッシュカードをATMに:預金からお金を引き出せる
- クレジットカードをATMに:カード会社から借金できる
そのため、キャッシュカードと間違ってATMにクレジットカードを入れ、借金をしてしまった…なんてことが無いようにしたいもの。
仮にお金を借りる予定がないのであれば、キャッシング枠を0円、つまりお金を一切借りられないようにクレジットカード契約を見直すのがおすすめですよ。
やり方については下記記事を参考にどうぞ。
一体型カードで起きがちなミス:
世の中には実際にキャッシュカードとクレジットカードを間違って、銀行口座からお金をおろしたつもりがクレジットカード会社から借金をしてしまった経験を持つ方は少なくありません。
とりわけキャッシュカードとクレジットカードが一体型になったタイプのカードを持っている方は要注意。
- 通常のキャッシュカード:誤操作は少ない
- 一体型キャッシュカード:誤操作しやすい
普段どおりにお金をおろしたと思ったら、いつの間にかキャッシングしていた…なんてこともありえるので、ATM操作時には表示画面の確認をお願いします(間違って借入をしてしまったら即座に返済を!)。
お金の知識をもっと付けよう:
ここまでキャッシュカードとクレジットカードの違いを解説させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
このように知ってしまえばそう難しい違いではありませんが、昨今ではこれらに加え、PayPayやd払いといったQRコード決済も登場中…と、キャッシュレス決済全体がさらに複雑でわかりにくいものになりつつあるのも事実です。
それゆえ、この機会にお金の知識を増やしてみようかな…と思えた方は、下記ページを参考にその基礎を学んでみてください。
1度理解してしまえばさらに効率よく家計の節約ができるものと思いますよ。
以上、キャッシュカードとクレジットカードの違いを徹底解説!どちらも同じ形状をした樹脂製のカードですが、使用用途はまったく違います…という話題でした。
参考リンク:
クレジットカードをまだ作ったことがない方は下記記事を参考に、はじめての1枚を作成してみてください。
家計の節約に役立つだけでなく、ネット通販でもスムーズに買いものができますよ(お得なクレジットカードの見つけ方は下記ページ参照)。