クレジットカード=買い物で使うカード…という印象をお持ちの方は多いのですが、実はクレジットカードの多くには銀行ATMやコンビニATMからお金を借りられる「キャッシング機能」が備わっています(解説は下記記事参照)。
実際、2010年頃よりも前にクレジットカードを作った方なら、知らず知らずのうちに30万円、50万円といったキャッシング枠がついているほうが普通。
仮にキャッシング枠の設定がある場合には、銀行ATMを使ってカンタンにお金を借りることが出来ます。
キャッシング枠を無くす方法について:
そんな便利なキャッシング機能ではありますが、借金が嫌いとか、お金が借りられることがわかるとついつい借入してしまうような意思が弱い方にとっては、むしろ迷惑ともいえる存在なんですよね。
それゆえ、いっそのことキャッシング機能なんて無くして欲しい!
そんなふうに思う方も多いようなので、今回は参考までに、キャッシング機能を使えなくする方法を紹介してみたいと思います。
キャッシング枠を0円にすれば利用不可に:
まず、どうすればクレジットカードのキャッシング機能を使えないように出来るのか…というと、それは簡単そのもの。
キャッシング枠の上限を0円に設定してしまえば1円もお金を借り入れできない状態になるので、実質的にキャッシング枠を無くすことが出来ます。
- キャッシング枠が0円以上:お金の借り入れができる
- キャッシング枠が0円:借りたくても借りられない
要は「上限を0円に設定=借りたくても1円も借りられない状況を作る」ってことですね。
キャッシング枠を0円にする方法:
気になるキャッシング枠を0円にする方法も非常にシンプル。
自分が保有しているクレジットカードの発行会社に電話をかけ、そこで『キャッシング枠を0円にしてください』とオペレーターに伝えればOKです。
- カード裏面に記載のある電話番号に連絡
- キャッシング枠を0円にしたいと伝える
- これでキャッシングが使えないカードに
たったそれだけでその瞬間からキャッシングが一切、利用出来なくなります。
ネットサービスを使って変更することも:
また、最近ではクレジットカード会社のネットサービスを利用することで、キャッシング枠をパソコンやスマホから変更できる場合も。
こちらはクレジットカード会社によって異なりますが、楽天カード、三井住友カード、三菱UFJニコスなどの大手カード会社であれば基本は対応してくれるので、電話が苦手&平日昼間は仕事をしている方ならこちらのほうが便利でしょう。
ものの数分でキャッシング枠を0円に変更可能です(上記画像であれば「希望ご利用可能枠」を0万円に変更することでキャッシング枠を廃止できる)。
※カード会社によってはネットサービスでキャッシング枠の増額は出来ても、減額ができない場合があります。その場合はコールセンターに電話をして下げてもらうほかありません。
キャッシング枠の確認方法について:
自分が保有しているクレジットカードにキャッシング枠がついているのかどうか気になる場合には、利用明細書にて確認するのが楽ちん。
明細書にはキャッシング枠の項目が明記されているため、そちらを見れば『いくらまでであればお金が借りられるのか?』がわかります。
- ショッピング枠:買い物で使える金額のこと
- キャッシング枠:借入可能な金額のこと
不要なら即、無くしてしまうに限ります。
キャッシング枠があるデメリット:
ここまででキャッシング枠を解約してしまう方法についてはおわかりいただけたかと思うので、ここから先はキャッシング枠を残しておくデメリットや、廃止してしまうデメリットについても解説しておきます。
枠を残しておくデメリットは2つ:
キャッシング枠を残しておくデメリットについては大きくわけて2つほど。
- 必要ないのに借金してしまう
- カード紛失時に悪用されてしまう場合がある
1つ目は前述のように、借金グセがある人が無駄に借入をしてしまう…といったリスクがある点ですね。
とりわけ意思が弱い人間であることを自覚している方は、最初からキャッシング枠などつけずにクレジットカードを使ったほうが良いと思われます。
これならパチンコや競馬で負けて熱くなってる時でも安心です。
借入不可にしておけば防犯になる:
もうひとつが、クレジットカードを落としてしまったり、財布ごとカードを盗まれてしまった時の防犯対策になる点。
- キャッシング枠がある場合:知らない誰かに使われる可能性も
- キャッシング枠がない場合:カードを紛失してもキャッシングは使われない
なぜならキャッシング枠を0円に設定しておけば、あなたのクレジットカードを拾った誰かがキャッシング利用できなくなるので、うっかり財布を落としてしまっても安心となります。
暗証番号取引は補償対象外になることも:
こう書くと『確かにキャッシング枠を0円にしておけばキャッシングはされなくなるだろうけど、買い物で利用されちゃったら同じなんじゃないの?』と思われる方は多いかも…ですが、クレジットカードには盗難補償といって、紛失&盗難時の補償が備わっているのでまったく問題なし。
- 個人情報漏洩による不正被害:補償対象
- 財布紛失時の不正被害:補償対象
- スリによる不正被害:補償対象
運悪くあなたのクレジットカードを100万円ほど不正利用されてしまったとしても、正しく被害を申告すれば被害額を0円にできます(詳しくはこちらの記事を参照)。
但し、この補償制度にはひとつだけ例外あり。
それはカード保有者本人しか知るはずのない4桁の暗証番号を使った不正利用があった場合には、被害額が自己負担になる可能性がある点です。
- サイン等で不正に利用された:補償OK
- 暗証番号を使った不正利用:補償対象外になることも
論より証拠、大手クレジットカード会社のひとつである三井住友カードの規約にも、下記のような記述があるくらい(太字は当サイトによる装飾)。
当社は、会員が紛失・盗難により他人にカードもしくはカード情報またはチケット等を不正利用された場合であって、前条第2項に従い警察および当社への届出がなされたときは、これによって本会員が被るカードまたはチケット等の不正利用による損害をてん補します。(中略)
次の場合は、当社はてん補の責を負いません。
(中略)カードショッピング、キャッシングリボおよび海外キャッシュサービス取引等のうち暗証番号の入力を伴う取引についての損害(ただし、当社に登録されている暗証番号の管理について、会員に故意または過失がないと当社が認めた場合はこの限りではありません。)
そう、クレジットカードのキャッシングにはこの4桁の暗証番号が必要なので、運悪くあなたの暗証番号が推測され、クレジットカードが悪用されてしまった際には、自己負担になってしまう危険性があるんです。
だからこそ、キャッシングを使う予定がないならキャッシング枠を0円にしておくべき…というのが、当サイト『クレジットカードの読みもの』でおすすめしている防犯対策なのですね。
※クレジットカード会社の規約には大抵、4桁の暗証番号を破られてしまった際の責任を負わない旨が書かれていますが、実際には保有者に落ち度のない形でキャッシングを使われてしまった際には被害額が補償される傾向にあります。
銀行ATMで間違って借入してしまうことも:
これは大げさな話ではなく、よくある失敗事例なんですが、銀行ATMにキャッシュカードではなくクレジットカードを挿入してしまい、いつの間にかカード会社から借金をしてしまった経験をお持ちの方は少なくありません。
そのくらいキャッシング枠があるとカンタンにお金を借りられるので、そういったうっかりミスをしてしまいがちな方も、極力、キャッシング枠を0円にしておくのが無難でしょう。
- キャッシング枠あり:ATMから間違ってお金を借りてしまう
- キャッシング枠なし:ATM操作を間違ってもお金が借りられない
実際、私も借り入れの直前までATM操作をしてしまった経験がありますよ(キャッシュカードとクレジットカードの暗証番号を同じに設定しているために起きる事例)
借入枠を潰してしまう上での注意点:
今後は逆に、キャッシング枠を0円にする弊害についてもいくつか解説しておきます。
海外でキャッシングできなくなる:
キャッシング枠を無くしてしまう代表的な弊害は、海外旅行や出張時に海外でキャッシングが使えなくなってしまうこと。
- キャッシング枠あり:海外でもキャッシング可能
- キャッシング枠0円:海外で借入はできない
こちらはまぁ、海外になんて滅多に行く機会がない方であればそれで問題ないのですが、それなりに頻度よく海外に行く方はキャッシング枠を残しておくのがおすすめ。
それでアメリカドルやユーロといった現地通貨を、必要になったタイミングで自由に入手できます。
私は1枚だけキャッシング枠有りにしてる:
ちなみに。
私は現時点で10枚以上のクレジットカードを保有していますが、そのうちの1枚だけをキャッシング枠ありに設定しています。
そうすれば財布を紛失してしまったとしても不正利用による損失を最小限に抑えられるだけでなく、海外旅行時にも手続き不要でキャッシングが使えるメリット有り。
- 全部のクレカのキャッシング枠を無くす:
防犯面では完璧ですが、海外旅行に行く時などにキャッシング枠を増枠する手続きが必要になる。 - 1枚だけクレカのキャッシング枠を残す:
防犯面では心配材料が残りますが、海外滞在時に手続きなくキャッシングが使えるメリットがある。
まぁ借金グセがある方にはおすすめできませんけど、自制がしっかり出来る方ならこの方法がおすすめですね。
それでも防犯面で心配でしょうがない方は、キャッシング枠があるクレジットカードを自宅保管すれば大丈夫。これで海外渡航時のみ活用できます。
借入枠を増やす場合には審査有り:
あともうひとつ。
キャッシング枠を一度0円にしてしまうと、再度、10万円や20万円といった枠に戻す際にはクレジットカード会社による審査が必要になります。
- 枠を減額する場合:審査は不要
- 枠を増やす場合:審査が必要
それゆえ、現時点で自分の信用力に自信がない方は、キャッシング枠をあえて潰さずに保持し続けるのもひとつの手。
そうすれば再審査による審査落ちを防げますよ。
以上、クレジットカードのキャッシング機能を使えなくする方法!キャッシング枠の上限を0円に設定すれば、お金の借入が出来なくなります…という話題でした。
参考リンク:
この機会にもっとカードのセキュリティを学んでみたい方は、下記の盗難補償について解説した記事もあわせてお読みください。
クレジットカードが盗まれた時の補償がわかります。