質問:
『クレジットカード表面にある凸凹の加工って、なんのために付いているの?クレジットカード番号や有効期限が浮かび上がってる理由を教えて!』
回答:
クレジットカードやキャッシュカード表面に凸凹な加工(これをエンボス加工と呼ぶ)が付いている理由は、過去、エンボス加工を利用したカード決済が行われていたためです。
ではどのように凸凹加工を活用していたのか?
これはインプリンターと呼ばれる特殊な機械を用いることで、浮かび上がったクレジットカード番号と有効期限を専門用紙に転写。
専門用紙は圧力を受けるとそこだけインクが滲む仕組みになっていたので、凸凹があるおかげで正確にクレジットカード情報を控えることが出来たんです。
- エンボス加工有り:
クレカ番号と有効期限を間違いなく転写できる - エンボス加工無し:
クレカ番号と有効期限を間違えて転記してしまうことも
たぶん40代以上の方なら実際にインプリンターを見たことがある…って方も多いと思います(画像はシャチハタより転載)。
最近じゃ滅多に使われないインプリンター:
そんなインプリンタも最近では滅多にお目にかかることはありません。
これはクレジットカード決済が電話オペレーターによる決済ではなく、ネット回線を通じて行われる時代になったため。
- オンライン決済:ネット通信で即決済可能
- インプリンター決済:電話で決済する必要あり
但し、海外では未だにインプリンターを使ったクレジットカード決済が行われている国や地域は残っているようですし、インターネット回線が整備されていない世界自然遺産に行くと現役で使われていることも多い印象。
つまりエンボス加工は未だに利用価値のある凸凹なのです。
エンボス加工がないSuicaやPASMO搭載カード:
そんな使われないようで使われてるエンボス加工ですが、Suica、PASMO、ICOCA、SUGOCAといった交通系電子マネー搭載のクレジットカードは基本、エンボス加工がされていません(これをエンボスレスと呼ぶ)。
例をあげるとビックカメラSuicaカードや東京メトロのTokyo Metro To Me CARD Primeなどなど。
ではなぜ、これらのクレジットカードにはエンボス加工が施されていないのか…というと、これは単純に、JRや私鉄などの切符販売機が厚みのあるカードに対応していないため。
要はエンボス加工有りカードに対応させると修繕費がかかるので、最初からエンボス加工のないクレジットカードを発行してるようなんです。
近年はエンボスレスカードが増加中:
また、2020年頃からはSuicaやパスモ等の交通系ICカードを内蔵していないクレジットカードでも、エンボス加工がないカードが増加中。
まぁ前述のように今やエンボス加工を使う機会なんて非常に稀なことを考えると、カード会社も無理にエンボス加工を施さなくなりつつあるのかもしれませんね。
- エンボス加工あり:発行費が高くなる
- エンボス加工なし:発行費が安くなる
今後もエンボスレスカードの発行は増えていくものと思われます。
エンボスレスだと不便することも:
エンボス加工のないクレジットカードの注意点は、カード表面がなにかの摩擦で擦れてしまったり、ATM等への出し入れが多い方だとカード番号が見えなくなってしまう危険性があること。
- 通常のクレジットカード:
表面が擦れてもよほどのことがなければカード番号や有効期限が確認できなくなることはない - エンボス加工がないカード:
カード番号や有効期限は表面に印刷されているだけなので、なんらかの理由で表面が削れたら終わり
それゆえ、エンボスレスなクレジットカードを保有する場合にはやや取り扱いに注意が必要になるかもしれません。あらかじめご了承ください。
参考リンク:
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最終更新日:2024年4月27日