今やどのクレジットカード会社でも提供をしているのではないか?というくらい導入が広がっているインターネット利用明細書(ネット明細)。
このインターネット利用明細書を利用すればクレジットカードの利用歴などをその都度、確認することができるため、良い点ばかりが目につきがち…なんですが、そんなネット明細には悪い点はまったく無いのでしょうか?
そこで今回はネット明細の良い点、悪い点を、簡単にまとめてみたいと思います。
現在、インターネット利用明細書を利用しているという方は是非、この機会にネット明細の問題点についてもきちんと把握しておいてくださいね。
ネット利用明細書の良し悪し:
ネット利用明細書の良い点:
まずはインターネット利用明細書の良い点から。
- 年会費が下がったり、上乗せポイントが貰える
- 利用を逐一、確認することが出来る
- いつでもプリントアウトが出来る
- ついでにポイント交換なども出来るので楽
- 紙の明細書を発行しないため、若干のエコ
それぞれわかりやすく解説するとこんな感じです。
メリット | 解説 |
---|---|
1.年会費が下がったり、上乗せポイントが貰える | クレジットカードの中には、インターネット明細を利用することで年会費が安くなったり、ポイントが付与されるなどのメリットを提供しているところも多いです(三井住友カードやビューカードなど)。 |
2.利用を逐一、確認することが出来る | 紙の明細書は郵送されてきてはじめて利用履歴を確認することが出来るため、不正利用等があった場合でも発覚が遅れてしまう危険性があります。その点、ネット明細書であれば早めに利用履歴が反映&確認できるので、クレジットカードに不安がある方にも安心です。 |
3.いつでもプリントアウトが出来る | 紙の明細書は紛失してしまうと無くなってしまうデメリットがありますが、ネット明細であればいつでも自由にプリントアウト出来る分だけ楽ちん。確定申告時期にプリントアウトして保管することも可能です。 |
4.ついでにポイント交換なども出来るので楽 | ネット明細書を確認可能なネットサービスにログインすると、明細書の確認以外にもポイント交換申請だったり、各種キャンペーンの登録手続きなども一緒に出来るので便利です(他、住所変更などの手続きもラクに出来る)。 |
5.紙の明細書を発行しないため、若干のエコ | 紙の明細書を発行してもらわないということは、それだけ紙を無駄にしなくて済むというエコ面でのメリットも。また、郵送にかかるエネルギー(トラック等が消費するガソリンなど)も削減できるなどの魅力もありますね。 |
利用履歴を家族に見られないメリットも:
これらのメリットに加え、配偶者などに自分の利用明細書を確認されたくない!という場合も、インターネット利用明細書であれば隠し通すことが可能。
- ネット明細:
パスワードをしっかり管理すれば自分しか見れない
- 郵送で届く明細書:
家族が勝手に開封してしまう可能性あり
なにせ自宅に郵送されてくる明細書とは異なり、パスワードさえバレなければ勝手に明細書を確認されようがないので、大人の付き合いで「そういったお店」にいく機会が多い方などにもおすすめかもしれません(本来は下記のように、郵送で届く明細書も本人のみしか開封できないはずなんですが、その徹底を家族内でするのは難しい状況)。
ネット明細書の悪い点:
次にインターネット利用明細書の悪い点はこんな感じ。
- 毎月のチェックを忘れてしまう
- 明細書の保存期間を過ぎると、確認できなくなる
- 登録をするといらない広告メールが多く届くようになる
- IDやパスワード漏洩で中身が閲覧される可能性がある
それぞれわかりやすく解説するとこんな風になります。
デメリット | 解説 |
---|---|
1.毎月のチェックを忘れてしまう | ネット明細書は自分からログインをして確認しないと利用履歴の確認が出来ないので、めんどくさがりな方によっては確認作業を怠ってしまう可能性があります。反面、紙の明細書を郵送で届けてもらう場合には月に1度は明細書の確認が可能です。 |
2.明細書の保存期間を過ぎると、確認できなくなる | クレジットカード発行会社によって取扱は違いますが、保存期間の短いカード会社の場合だと、3ヶ月~6ヶ月程度で利用明細書の閲覧ができなくなってしまうことがあります。 |
3.登録をするといらない広告メールが多く届くようになる | インターネット明細に登録をするためには、パソコンや携帯電話のメールアドレスを登録する必要性があるため、ネット明細を使い始めるとそのアドレスに対して広告メールが届くようになります。 |
4.IDやパスワード漏洩で中身が閲覧される可能性がある | ネット明細にログインするためのIDとパスワードが漏洩すると、第三者にあなたのクレジットカード利用履歴を閲覧されてしまう危険性あり。自宅宛に届く紙の明細書だと漏洩リスクは低いです。 |
明細書の保存期間は短い:
ネット明細書のデメリット2つ目については、クレジットカード発行各社、最近になって保存期間を伸ばすようにはなってきていますが、未だに半年や12ヶ月程度で過去の明細書が閲覧できなくなる場合があるのでくれぐれも注意。
特に個人事業主の方など、カードで経費を支払っているという方などはご注意ください。確定申告の時期に間違いなく慌てることになります(そうなりたくない方は下記のクラウド会計ソフトと連動させることなどで回避をどうぞ)。
ネット明細最大のリスク:
ここまでネット明細書の良い点と悪い点をまとめてみましたが、個人的に一番、みなさんに気をつけて貰いたいなと思うのは、悪い点の1つ目である『毎月のチェックを忘れてしまう』という点。
前述のように郵送で明細書を送ってもらう場合には、強制的に月1回、自宅まで封筒が送られてくるので大丈夫なんですが、インターネット明細書の場合にはEメールなどによる通知のみになってしまうため、ついつい他の大量メールに埋もれて確認を忘れてしまう…という落とし穴があるんです。
- ネット明細:意識して確認しなければ確認しない
- 郵送の明細書:月に1度は目に入る
これが怖いんです。
不正利用に気付きにくい:
では明細書を確認しないことのなにが怖いのか…というと、仮に自分のクレジットカードを第三者に不正利用されてしまったとしても被害に気付けないため。
- 毎月明細書を確認する人:不正被害に気付きやすい
- 数ヶ月に1度しか確認しない人:不正被害に気付きにくい
ご存知のようにクレジットカードには盗難補償という補償が完備されているため、原則、不正被害にあってしまったとしてもみなさんの負担は0円で済むのですが、その有り難い補償にも申請期限があるため、期限が切れてしまった場合には全額、自己負担になってしまう可能性があるんです。
つまりネット明細を使っているばかりに盗難補償を申請することができない可能性があるというのが、ネット明細書最大のデメリットなのですね。
そんな悲惨な目に合わないためにも、みなさんはネット明細だろうが郵送で届く明細だろうが、月に1度のチェックは絶対に忘れないようにしてください。
それが不正利用から身を守るための手段となります(不正利用された時の補償については下記記事を参照)。
ネット明細書&郵送のセットが最善:
そんな落とし穴のあるネット明細なので、個人的にはインターネット利用明細書と郵送の組み合わせで利用することをみなさんにはおすすめしたい私。
今や郵送で明細書を受け取っている方も問題なくネット明細は利用可能なため、不正被害から身を守るためにはそれらを併用するのがベストなのですね。
- ネット明細のみ:確認が甘くなりがち
- 郵送で明細取り寄せ:不正利用に気付きやすい
- ネット明細&郵送:非常に安心&安全
これなら不正利用されても二重にチェック可能となります。
郵送サービス無しのクレカも増加中:
とはいえ、最近では郵送による明細書の送付を行わないJCBカードWやNTTグループカードのようなクレジットカードも増えつつあるので、郵送で明細書を取り寄せたくても不可能な場合も増加中。
加えて郵送代を有料化するクレジットカード会社も増えつつある…と、あと2~3年もしたらネット明細のみが普通な時代になっていくのかもしれませんね。
これも時代の流れと言えそうです(カード会社にはネット明細でも不正利用に気付きやすい仕組みを作って欲しい!)。
以上、インターネット利用明細書のメリット、デメリットまとめ!いつでもクレカの利用履歴を確認できる一方、ネット明細ならではの罠も…という話題でした。
参考リンク:
クレジットカードの不正利用にはどのようなものがあるのか知りたい方は下記記事を参考に。クレジットカードの関連犯罪についてわかりやすくまとめています。