今回は「クレジットカード代金の引き落とし日に、銀行口座の残高不足を起こしてしまったときの対処法」をわかりやすく解説。
いきなりクレジットカードが利用停止になるんじゃないか?とか、ブラックリストに載ってしまうんじゃないか…などと心配な方はお読みください。
読めばその対策がわかります。
残高不足を起こした時の対処法:
とにかく電話をするのが最優先:
まず、『今日はクレジットカードの引き落とし日だったのに、入金を忘れてしまった!どうしよう!』と自分で気づくことが出来た場合には、兎にも角にもカード会社に電話で連絡をいれるのが一番。
よくハガキ(督促状)が送られてくるまで待てばいいよ…とか、カード会社から電話がかかってくるからそれでOKといった情報を広めているサイトもありますが、あなたがカード会社からの信用を失いたくないと思うのであれば、自分から1秒でも早くカード会社に連絡を入れてください。
- おすすめ:自分から電話を入れて相談
- おすすめしない:カード会社からの対応待ち
それがベストな選択肢となります。
「お金を借りていること」を忘れてはいけない:
ではなぜ1分1秒でも早くカード会社に連絡しなくてはいけないのか?これは身近な事例で考えてみるとわかりやすいかも。
たとえばみなさんが誰かにお金を貸した時、その相手がなんの連絡もなくお金の返済をしてこなかったらどうでしょうか?
たぶん『なんて信頼の出来ない奴だ!』と憤慨し、もう二度とお金を貸さないと心に誓うはず。人によっては相手の住所まで行って、金返せと怒鳴り込む人だっていると思われます。
返済遅延の連絡をいれると信頼が維持される:
では、相手から『申し訳ない!今日、入金を忘れてしまったので、明日付けで振り込むから!』と連絡が入ったらどうか。
たぶん少しはイライラも収まるってものですよね。
- お金を貸した相手から連絡がない:
信用ができないやつだ!もう二度とお金を貸したくない! - お金を貸した相手から連絡があった:
事情があったならしょうがない(引き続き信用してもいいと思う)
このようにたとえ相手が企業であっても、支払いに遅れた時はこちら側から連絡を入れるのが誠意ある対応というもの。
特にクレジットカードはいわば、カード会社からお金を借りているようなものなわけですから、どんな場合も「自分から電話をすること」が必須になるのですね。
これをサボると信頼が消えてなくなります。
土日や平日夜だった場合には:
クレジットカード会社の中には365日24時間体制でカード会員へのサポートを実施しているところもありますが、大手クレジットカード会社はそのほとんどが土日や夜間はサポート対象外。
そういった場合は焦る気持ちもわかりますが、翌日、電話対応の時間内になってから電話をすれば大丈夫です。
肝心なのはとにかく誠実な対応をすること。少し遅れてしまったとしても自分から電話をかければ問題ありません。
お金がある場合の対処法:
その後の対処法&対応はクレジットカード会社によって異なります。
支払いをするに十分なお金がある場合の対処法としては、大きくわけると3つ。それぞれ解説していきますね。
1.すぐに銀行振込をする
カード会社が指定する銀行口座に対して振込で、カード代金を払ってしまう方法です。
私の場合は1秒でも早く返済してしまおうと思う人間なので、電話で口座番号を聞いてその場で振り込む方法をとりますね。
これが一番、カード会社にとってみれば「信頼のおける行動」。
支払遅延の原因がただのウッカリ入金忘れであるのなら、すぐにでもお金を振り込んでしまいましょう。それであなたは信用を失わずに済みます。
2.再引き落としがかかる
『銀行振込します!』とカード会社に伝えても、「いやいや大丈夫です。○月○日に再度、引き落としをかけますので、その日までに振替用の銀行口座にお金をいれておいてください」と言われるケースもあります。
こういう場合には支持された通り、十分なお金を銀行口座に入れておけばOK。これで対応完了となります(カード会社からの信頼を失うこともない)。
最近は即日引き落としもある:
尚、すこし昔までは数日経ってから引き落としがかかることが多かったカード代金の銀行振替ですが、最近では三井住友カード株式会社や株式会社ジェーシービーなど、当日中に2度目の引き落としをかけてくれるカード会社も存在します(引用部分は三井住友カードの事例)。
- 以前:○月○日までに入金してくれと言われる
- 最近:15時までに入金しておけば自動で引き落とされると言われる
Q.支払い日当日は、何時までに入金すれば間に合いますか?
A.お客さまのご指定の金融機関により異なります。三井住友銀行・みずほ銀行は18時、ゆうちょ銀行は21時までのご入金が当日のお引き落としとなります。
その他の金融機関については、お客さまより金融機関へお問い合わせください。
こういった会社が発行しているクレジットカードを保有している場合には、引き落とし用の銀行口座にお金を入れておけばOK。
あとは勝手にカード代金の引き落としがかかるので楽チンです。
3.コンビニ払いの用紙を送ってくる
最近ではあまり見なくなりましたが、コンビニ払い用の用紙を郵送で送ってくるカード会社もあります。
その用紙に記載されている日付までにコンビニ払いをすれば支払い遅延が解消する流れですね。
ただ仮に手元に十分なお金があるのであれば、そういった用紙が送られてくる前にカード会社に電話をし、銀行振込してしまうほうがおすすめ。
コンビニ払いだとコンビニ決済用の手数料がかかるだけでなく、支払い遅延による金利負担をしなくてはいけないので、銀行振込よりも高くついてしまう場合が多いです。
手元にお金がない場合の対処法:
次に引き落とし日に残高不足を起こしたものの、そもそも請求された利用代金を払うだけのお金が手元にない場合にはどうすればいいのでしょうか?
今度は手元にお金がない場合の対処法をまとめてみます。
1.怖くてもカード会社に電話
支払いができそうもないという時にまず、やらなくてはいけないことはカード会社に電話をすることです。
『えっ?そんなことしたら電話越しに怒られるんじゃないの?』なんて思われるかもしれませんが、実際には事務的な対応で淡々とあなたの状況を確認してくれるので安心してください。
- イメージ:
返済できない旨を伝えると電話越しに説教される or 怖いおじさんが怒鳴りつけてくる - 実際:
返済する意思をしっかり示せば、淡々と今後について説明される(頭ごなしに怒られることはない)
少なくとも相手がクレジットカード会社であれば、『臓器を売ってでも金返せ!』とか、『返済できないなら東京湾に沈めるぞ!』みたいな感じで怒鳴られるようなことは100%ありません。
電話をする理由は信頼してもらうため:
ではなぜ、返済ができないにも関わらずクレジットカード会社に電話をしなくちゃいけないのかといえば、これは前述の「お金を貸した友人とのやりとり」を思い出してもらえればカンタンそのもの。
仮にお金を貸した相手が『どうせ返済できないんだから、連絡してもムダだと思ってたんだよ』なんて言ってきたら信頼関係はその瞬間に崩れ去りますよね。
そうではなく、『今月、10万円返済する予定だったんだけど、3万円しか用意できなかったんだ。どうしたらいい?』と相談してきたら、まだその相手を信用しようと思えるはずです。
- 信頼できない:お金を貸した相手が連絡をよこさない
- まだ信頼できる:お金を貸した相手から返済ができないと連絡
要するに「返済できなくてもカード会社に電話をする」というのは、そういう作業をしているのと一緒。
返済できようができまいが、引き落とし日に残高不足を起こしてしまったら兎にも角にもカード会社に電話をすることが重要になります。
2.リスケジュールをしてもらう:
カード会社に電話をして相談したら、次にすべきはリスケジュールをお願いすることです。
リスケジュールとはたとえば10万円の引き落としがあるならそれを毎月2万円の分割払いに変更してもらうとか、支払い金額を固定できるリボ払いに変更してもらうといったような、返済スケジュールを変更してもらうこと。
- 近々、お金が入る予定がある:
カード会社に事情を説明して返済日を先延ばししてもらう - すぐお金が入る予定がない:
リボ払いや分割払いに切り替えて、毎月の返済額を減らす
つまり今月支払えないのはしょうがないものとして、それじゃどうすれば返済できるかをカード会社と相談しあうのがリスケジュールとなります。
都合よくリスケジュールに応じてもらえるのか?
ここで気になるのは、『リスケジュールを提案したらカード会社はほんとうに応じてくれるのか?』という点ですよね。
これはだいたいYES。
なぜならカード会社としてもお金を返してもらわなければ損失になってしまうので、リスケジュールの提案にも応じざるを得ないためです。
- リスケジュールを応じる:
クレジットカード発行会社は損失を出さずに債権を回収できる - リスケジュールに応じない:
回収できない債権はそのまま貸倒れ(損失)になってしまう
但し、複数のクレジットカード会社に対してお金が払えない状況になっているとか、すでに消費者金融からお金をたくさん借りていて返済に首が回らない状況下だと、リスケジュールに応じてもらえない可能性あり。
その場合は「今のこの瞬間にお金を回収しておかないと、この人は自己破産をしてしまうかもしれない」といった危機感ゆえの判断なので、しょうがないことだとご理解ください。
比較項目 | リスケジュールの可否 |
---|---|
返済遅延は1社だけ | 過去に返済遅延を繰り返している場合でもなければ、大抵のクレジットカード会社はリスケジュールに応じてもらえる可能性大。 |
返済遅延は2社 | リスケジュールに応じてもらえるかはクレジットカード会社次第だが、代金回収を急ぐカード会社も少なくないと思われる。 |
返済遅延は3社 | リスケジュールに応じてもらえる可能性は低め。カード会社としても代金を早めに回収しないとそのまま自己破産されてしまうことになるので、一括で未払い残高を払えと言われることも。 |
返済遅延は3社以上 | どこもリスケジュールに応じてくれないと思われる状況。それどころか強制解約&一括弁済を求められることのほうが多いと思われる。 |
下手すると一括弁済といって、未払金をすべて1度に払えと請求されることすらありえます。
3.自己破産などの債務整理を考える:
だいたいリスケジュールさえすれば無理なく返済できるようになると思いますが、すでにいろいろなカード会社から返済を求められ、消費者金融にまで手を出してしまっている場合には、リスケジュールをしたところで一向に未払金(債務)が減っていかない場合もあるかもしれません。
こういう場合の最終手段は任意整理や自己破産といった債務整理。いわゆる借金の棒引きのことです。
これ以上は当サイト『クレジットカードの読みもの』で詳しく解説するよりも、下記のような専門家に相談するのが無難なのでそちらで解決策を相談ください。
特に自己破産は『破産なんてしたらそこで人生が終わってしまう』と怖がる方が多いのですが、それよりもヤミ金に手を出すほうが人生が終わってしまうこと間違いなし…なので、これ以上返済できないところまでいってしまったら素直に専門家へ相談ください。
詳しくはお金に困った時の知識をまとめた、下記記事を参考にどうぞ。
理想は引き落とし日の前に対処を:
理想は引き落とし日後に支払い方法をリスケジュール(リスケ)するのではなく、支払日の前に分割払いやリボ払いに切り替えておくのがおすすめ。
こちらであれば一切、あなたの信用力を落とすことがないためです。
- 振替日の後にリスケ:信用力は傷つく
- 振替日の前にリスケ:信用力に傷がつかない
とにかく銀行口座の振替時に十分な残高を用意できるよう、常に次の支払日にはいくら必要なのか、そして自分は今、どのくらいのお金を持っているかを把握しておくようにしてください。
これをお金で損をしないためのコツでもあります。
支払遅延を起こした場合のQ&A:
ここで更に理解を深めてもらうために、支払い遅延に関するよくある質問とその答えをまとめてみました。
まだまだ不安な方は是非、参考にしてみてくださいね。
Q.クレジットカード利用停止になるの?
クレジットカード代金の引き落とし日に残高不足を起こしてしまった場合には、即、そのクレジットカードは利用停止になってしまうのでしょうか?
これについては安心してください。
即座に支払いをしてしまえば利用停止にならずに使い続けられる可能性が高いので、手元にお金がある方は利用停止の心配をする必要はありません。
反対に利用代金を払えない方は利用停止状態になるのはしょうがない話。
- 引き落とし日当日:そのまま使えることも
- カード代金を支払える方:利用停止とならない
- カード代金を支払えない方:当然、利用停止となる
カード会社もボランティアではないので、お金が払えない方にクレジットカードを使わせるわけにもいきません。
常習犯は一発没収も:
但し、これはあくまでたまに残高不足を起こしてしまう方の話。
年間3回以上とか2ヶ月連続…といったように、頻繁に支払い残高不足を引き落としてしまっている方の場合には利用停止になるどころか強制解約になってしまう場合もあるのでご注意ください。
その辺りの判断はあなたの信用力次第でいくらでも変わるってことです。
- 信用力が低い人:支払い遅延を繰り返せば没収も
- 信用力が高い人:数回の支払い遅延なら没収はありえない
また、楽天カードのように支払い遅延に厳しいカード会社…なんていうところも。
こういったクレジットカード会社では一発で強制解約になるケースもゼロではないので、くれぐれも支払い遅延を起こさないようにご注意ください(詳しくは下記記事のエラーコード2問題を参照)。
Q.ブラックリストに載せられてしまう?
カード代金の引き落としに口座振替ができないと「こいつは信用できない人間だ」と判断され、ブラックリストに載せられてしまうのではないか?
そんな感じで極端に支払遅延を心配する方も多いのですが、1度や2度の支払遅延ではそういったことにはならないので安心してください。
- 1度や2度の失敗:ブラックリストに掲載されない
- 長期に渡る失敗:ブラックリストに掲載されるかも?
加えてこの記事で紹介している「誠実な対応」をカード会社側にとった場合には、よほどのことが無い限りブラックリストに掲載されるようはなし。
くどいようですが信頼を失いたくないのであれば、自分からすぐに電話をして振り込むことが重要となります。
支払いをしないまま放置すると載る:
反面、クレジットカード発行会社に電話もせず、支払いをしないままに逃げてしまった場合にはブラックリスト掲載は間違いなし。
まぁこれは自業自得ですし、載せられても文句は言えないですね。
ただ一度でもブラックリストに載ってしまうと後々、人生が大きく狂ってしまうことにもなりかねないので、たとえ支払いができなくても放置はせず、怖くてもカード会社に電話をすることを心がけてもらえればと思います(ブラックリストに掲載される事例は下記記事参照)。
残高不足は起こさないようにしよう:
ここまでクレジットカード代金の引き落としができなかった場合の対処法や疑問について書いてきましたがいかがでしたでしょうか?
まれに支払い遅延を起こす分にはさほど大きな影響はありませんが、頻繁に支払遅延を起こしていると最悪、カードを失ってしまうことにも繋がりますので、みなさんは保有クレジットカードの引き落とし日を正しく把握し、十分な残高を銀行口座に用意しておくようにしてください。
お金に困ってどうしたらいいかわからなくなったら、下記記事も参考にしてもらえればなと思います。
以上、クレジットカード代金の引き落とし日に、残高不足を起こしてしまった時の対処法まとめ!支払遅延を起こしたらどうなるのかも併せて解説…という話題でした。
参考リンク:
手元のお金に余裕がない方は、1回払い以外の支払い方法についてもしっかり勉強しておきましょう。2回払いやボーナス払いを活用できれば、家計をだいぶ楽にしてくれますよ。