これだけいろいろなところで「誕生日の4桁を暗証番号にするのは危ない!」と言われている状況でも、未だに銀行キャッシュカードやクレジットカードの暗証番号を自分の誕生日に設定している方は多いもの。
今回はそういったリスク対策が出来ていない方向けに、なぜ暗証番号を自分の誕生日にすると問題なのかを解説してみたいと思います。
別に誕生日のままでも大丈夫だろう…と思ってる方は是非、お読みください。
誕生日を暗証番号する危険性まとめ:
早速、誕生日を暗証番号にする危険性をまとめていきます。
1.盗難・紛失時に預金を盗まれやすい:
まずはこれ。キャッシュカードを紛失・盗難されてしまった際に、あなたの預金が容易に盗まれてしまう点です。
なにせ暗証番号を誕生日4桁に設定してる人が多い傾向は、悪意のある方であれば誰でも知ってる情報。
そのため、盗んだキャッシュカードの暗証番号がわからないときは、とにもかくにも誕生日の4桁から入力するそうです。
この際、誕生日以外の暗証番号を設定している方であれば難を逃れることが出来ますが、誕生日4桁に設定している方はそれでジ・エンド。
- 暗証番号を誕生日4桁:盗まれた時の危険性が高い
- 暗証番号をそれ以外の4桁:盗まれてもまだ安心
大切に貯めたお金であっても、容赦なく盗まれてしまうことでしょう。
2.キャッシングもされてしまう:
「銀行口座になんていつもちょっとしかお金が入ってないから、盗まれても別にいいよ。財布を落とすようなもんだ。」と思う方もいるかもしれませんが、最近ではクレジットカード機能やカードローン機能がついたキャッシュカードも増えてきているため、預金全額が盗まれるだけでは済みません。
- 間違い:損失は銀行残高分だけ
- 正解:損失は銀行残高&キャッシング利用分
最悪の場合にはキャッシングによる借金までされてしまう可能性もあるので、絶対に暗証番号を誕生日4桁にするのは避けてください。
預金を失うだけでなく、重い重い借金を背負わされることになります。
3.好き勝手に買い物をされる可能性も:
「いやいや、俺のキャッシュカードにはATMで降ろせる金額に限度額があるから大丈夫。」なんて方も要注意。
国内発行のキャッシュカードには大抵、J-Debit(ジェイデビット)と呼ばれる支払い手段がついているので、暗証番号4桁がバレると家電量販店等で好き勝手に買い物される危険性があります。
また、クレジットカード機能付きのキャッシュカードも同様ですね。
キャッシング機能がいくら0円に設定されていても、暗証番号が漏洩してしまっていたら好き勝手に買い物できてしまうので、損害額は青天井です。
手続きが面倒くさくなるのも立派なデメリット:
誕生日を設定したキャッシュカードを紛失する隠れたデメリットは、紛失時の手続きが面倒臭くなること。
なにせキャッシュカードを紛失すると不正利用される確率が高いので、結果として警察へ被害届を提出したり、銀行へその経緯を説明したりするなどの手間が発生してしまうのですね。
- 不正利用されにくい場合:紛失時は再発行で問題なし
- 不正利用されやすい場合:紛失時は被害届の提出など手間が多い
そういった意味でもキャッシュカードの暗証番号は誕生日以外に設定しておくのが無難。手続きは最初だけで済むので今すぐ別の暗証番号への変更をご検討ください。
暗証番号=誕生日はとにかく危険:
ここまで3つの危険性を紹介しましたが、実はこれらの危険性はどれも暗証番号を誕生日等のわかりやすい数字に設定しているための問題ばかり。
というのも、キャッシュカードの盗難にしろ紛失にしろ、本来、第三者から推測しにくい暗証番号に設定していた場合には、預金者保護法という法律によって守って貰えるためです。
参考までに愛媛信用金庫のウェブサイトより、そのあたりの記述を紹介。
注目してほしいのは「原則として補償されます」という表記です(100%補償されるわけではないということ)。
平成18年2月10日から「預金者保護法(偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律)」が施行され、偽造・盗難カード等を用いたATMからの不正な預金払戻し被害について、原則として補償されます。
暗証番号=誕生日は過失になりえる:
ではどういったときに預金者保護法で補償されないのか。
これはもうおわかりですね、暗証番号=誕生日である場合です。
【「本人の過失」となりうる場合の例】
金融機関から生年月日等の類推されやすい暗証番号から別の番号に変更するよう個別的、具体的、複数回にわたる働きかけが行われたにもかかわらず、生年月日、自宅の住所・地番・電話番号、勤務先の電話番号、自動車などのナンバーを暗証番号にしていた場合であり、かつ、キャッシュカードをそれらの暗証番号を 推測させる書類等(免許証、健康保険証、パスポートなど)とともに携行・保管していた場合
つまり銀行側より「暗証番号は推測されやすい番号にしないでね!」と言われているにも関わらず、未だに誕生日を暗証番号にしている方は本人にも過失があるとみなされるってこと。
その他にも、
- 自宅の住所・地番
- 電話番号
- 勤務先の電話番号
- 自動車などのナンバー
を暗証番号を設定していると他人から推測されやすい暗証番号になってしまうので、「本人の過失」と判断されやすいようです。
類推しにくい番号にすればまず問題なし:
反面、これは逆にいえば推測しにくい番号に設定しているだけで「本人の過失」に当たらないため、キャッシュカード紛失によって1,000万円盗まれようが1億円盗まれようが安心…と捉えることも可能。
まぁほんとはもっと様々な条件があるんですが、被害額をとにかく自己負担したくなければ、誕生日を暗証番号にしないことが重要なのです。
それでも75%は戻ってくる可能性:
ちなみに。
仮に暗証番号を誕生日にしていた場合でも、銀行の預金者は守られているんですよね。
なぜなら預金者保護法では、誕生日を暗証番号にしていた場合でも「重大な過失」ではなく「過失」と認定。
さすがに被害額が100%戻ってくることはありませんが、被害額の75%は補償されるのは有り難い限りです。
「重大な過失」がある場合
- 偽造、盗難カード被害とも補償されません
「過失」がある場合
- 偽造カード被害は全額補償されます
- 盗難カード被害は75%が補償されます
但し、それはあくまで「キャッシュカード紛失による預金の被害額」について。
預金者保護法が対象としているのは銀行の預金残高なので、クレジットカードのキャッシングやカードローンの新規借入等の被害額についてはこの限りではありません。
やはり暗証番号は他人から類推しにくい番号にするのがベストですし、その番号はたとえ家族であったとしても絶対に教えないようにしてもらえればと思います。
あくまで自分自身のみが知る番号=暗証番号ですよ。
以上、自分の誕生日をキャッシュカードの暗証番号にすると、どんな危険があるのかまとめ。最悪、全財産を失うどころか借金を背負います…という話題でした。未だに暗証番号を誕生日等にしている方は、早めの変更をどうぞ。
参考リンク:
クレジットカードを盗まれたときの補償については下記記事を参考に。
こちらも正しい手続き&防止策を講じていれば、特に怖いことなどありません(正しく利用&確認していれば被害額全額が戻ってくる)。