先ほどVisaデビットカードのデメリットをまとめた記事を書いた私。
その調査の中で、『これはさすがにマズいだろう…』というVisaデビットカードの落とし穴を見つけてしまったので、今回は注意喚起を含めて記事にしておこうと思います。
Visaデビットカードのデメリットについて:
預金残高が100万円以上なら要注意:
まず、最大手のメガバンクである三菱東京UFJ銀行が発行しているVisaデビットカードには、下記のような記述があります(こちらより引用)。
不正利用補償
最大:年間100万円
※偽造・盗難カード等が第三者によって不正利用された場合、当行が連絡を受けた日から60日前まで遡り、その日以降に発生した損害について補償します。
これはざっくりいうと、あなたに発行したVisaデビットカードが不正に利用された場合でも補償しますよ…というものなわけですが、問題なのは「100万円」という限度額が設定されている点なんですよね*1。
100万円以上の不正利用は自腹:
例をあげると銀行口座残高が300万円ある方が、Visaデビットカードを不正利用されて300万円まるごと使われてしまったとする。
この時、不正利用補償の対象となるのは100万円のみ。残りの200万円はどんなに自分に落ち度がなかったとしても自腹…ということとなります。
300万円不正利用された場合:
- 銀行側が補償:100万円
- 自腹で負担:200万円
もちろん自分に過失があった場合には自己責任と納得することも出来ますが、通販サイトの情報漏えいや財布の盗難など、自分に過失がない場合でも補償上限があるというのは危険そのもの。
まぁ銀行口座残高が100万円未満なら問題ありませんが、それ以上あるという方には危険な補償内容であると私は思います
クレジットカードでは補償上限なし:
ちなみにVisaはVisaでもクレジットカードのVisaカードの場合、不正利用は盗難保険が同様に補償してくれるため自腹は0円でOK。
これは300万円不正利用されても1億円不正利用されても特に上限は設定されていないので、自己負担は0円で済むことになります(詳しくは下記記事にて)。
Visaデビットカードも不正利用される:
こう書くと、『でもVisaデビットカードを通販サイトで使ったりしなければ、情報漏えいもないし大丈夫なんじゃない?』とおっしゃる方もいますが、VisaデビットカードはVisaカード同様、様々なルートで不正利用される可能性があります。
例えば店頭で利用した時に店員が番号をメモったり、スキミングといった装置によってカード情報が盗まれることは少なくありません。
また、クレジットマスターと呼ばれるカード番号を自動作成するプログラムが使われてしまうと、一度も持ち歩いたことがない&使ったことがないVisaデビットカードであっても不正利用される可能性も…(詳しくはこちら)。
要するにどんなに防衛しても不正利用される可能性をゼロにすることは出来ないのです。
それにも関わらず、不正補償の上限が100万円ってかなりハイリスク。
ご存知のようにVisaデビットカードは銀行口座残高以上には利用できない仕組みになっていますが、仮に100万円以上の預金残高がある方であればそれ以上に使われてしまうために、補償の上限を突破してしまうかもしれないのは不安ですね。
1日の利用金額上限を設定する:
…とここまで解説をしてきましたが、ひとつだけ安心してほしいのは、日本国内で発行されているVisaデビットカードには1日あたりに利用可能な金額の上限を設定できる機能が設けられている点です。
前述の三菱東京UFJ銀行のVisaデビットカードだと、初期設定で1日50万円までしか利用できないことになっているので、よほどのことがない限りは不正被害の補償上限である100万円に到達することは稀。
ただ毎日、Visaデビットカードが不正利用されていないかをチェックするのはなかなか難しいですし、海外旅行や海外出張とちょうど不正利用が重なってでもしまえば被害が青天井になることもありえます。
自己防衛そのものが面倒:
加えてこういった「自己防衛」をしなくちゃいけないのは面倒なことでもあるので、そこまでしてVisaデビットカードを持とうとは私は思えません。
むしろ預金残高が多いのであれば、Visaデビットカード作成を拒否するなどの対策が必要になってくると思いますよ。
- Visaデビットカード拒否:不正利用を心配せずに済む
- Visaデビットカード付帯:不正利用対策が必須
以上、Visaデビットカードの危険すぎる落とし穴。100万円以上の預金残高があるなら、Visaデビットカードは作らないほうが無難かも…という話題でした。
参考リンク:
クレジットカードについてこの機会に学んでみたい…と思う方は、初歩の初歩をまとめた下記ページをあわせてご覧ください。
クレジットカードを過剰に恐れている方は多いですが、基本がしっかりわかっていれば怖いことなどまったくない支払手段ですよ。記事中でも書いた通り、上限設定のない盗難補償があなたを守ってくれます。
*1:ジャパンネット銀行は不正補償を1口座あたり500万円までとするなど、Visaデビットカードによって補償内容はバラバラです。詳しくは各公式サイトにてご確認ください。