ちょっと前の話題になりますが、アメリカのテキサス州で骨折して入院したら2,000万円の医療費を請求された…という方が話題になっていました(元ネタはこちら)。
年の瀬だから言っておこう!
— ケンモチヒデフミ@水曜日 (@h_kenmochi) 2016年12月31日
今年テキサスで骨折して現地の病院で入院&手術をして、医療費の請求が2000万円だったよ!20万じゃないよ、200万じゃないよ、2000万円だよ。破産寸前だよ。みんな、アメリカでは絶対に無茶なことしちゃダメだよ…。
これ、日本人の感覚からすると『2,000万円の医療費負担なんて嘘に決まってる!』と思うかもしれませんが、あながち、大げさでもなんでもない話なんですよね。
実際、アメリカで盲腸の手術を受けると300~400万円かかるのはザラ。
それゆえ、今回の「骨折」がどの程度のものかによりますが、複雑骨折などで手術&2週間以上の入院が必要だったのであれば2,000万円という金額もおかしくないんです(海外での医療費がいかに高いかはこちらの記事参照)*1。
海外の治療費はとんでもなく高い:
カードの海外旅行保険でも不十分:
そんな時のためにも私は常々、海外旅行や海外出張に行くならゴールドカードやプラチナカードなどのクレジットカードを持参して、海外旅行傷害保険に加入すべきとおすすめしているんですが、それでも2,000万円の医療費負担は難しいですね。
そんじょそこらの海外旅行傷害保険では、その一部を負担してもらうことくらいしかできません。
加えて日本には「海外療養費制度」という、海外で医療費を負担した時に自己負担分を軽減してくれる制度があるんですけど、これを利用しても今回のTwitterの方は自己負担分だけで数百万円~1,000万円近い負担を求められてしまうのではないでしょうか?
こうなると海外で怪我や病気をしただけで自己破産コースです。
短期ならカード付帯の保険で充分だけど:
まぁ骨折&手術で2,000万円を請求されるとか、脳梗塞になって医療費だけで5,000万円必要になった…などは滅多に起きることではないため、短期で海外に行くだけならクレジットカード付帯の海外旅行傷害保険でも十分。
無理にお金を払い、別枠の海外旅行保険に加入する必要性はありません(無料で海外旅行保険に加入する方法は下記記事にて)*2。
しかし1週間以上、海外に滞在する予定があるのなら、万が一を考えて損害保険会社の海外旅行傷害保険に別途加入するのがおすすめ。
その方が安心をお金で買うことが出来ます。
※日本国内にいるとあまり実感はありませんが、日本円が米ドルに対して円安になってること、そしてアメリカ国内はインフレが凄いため、医療費負担も右肩あがりに高くなっている可能性があります。あらかじめご注意ください。
ブラックジャックに依頼したのか?:
『いやいやいや、そうはいっても2,000万円なんて金額はおかしいでしょ?きっとブラックジャックのような名医に依頼したんじゃないの?』なんて思われる方も多いかもですが、ごくごく一般的な医師に診療してもらった場合でも入院が長引けばこのくらいの金額になる可能性大。
とにかく病院に1日入院したら100万円オーバーは普通なので、アメリカでの医療費を甘く見ないようにしてください。
たぶん1週間も入院したら1,000万円の負担も覚悟ですね(他にも最近じゃ中国が高いと言われています)。
カードを複数枚持ってると補償は厚くなる:
ちなみに。
私のようにブラックカードやゴールドカードを何枚も持っている人間だと、すべてのクレジットカードに付帯されている海外旅行傷害保険の傷害・疾病治療費用が「合算」されるため、数千万円程度の医療費なら全額、保険がカバーしてくれる可能性あり。
- カード1枚だけ保有:カード1枚分の補償のみ
- カードを5枚保有:カード5枚分の補償が受けられる*3
しかし、こんなにもクレジットカードをたくさん持っている人間は稀だと思うので、長期で海外に行く予定があるなら十分な補償のある海外旅行傷害保険に加入するのがおすすめでしょう。
『海外での治療費なんてかかっても数万円でしょ?』なんて思ってると、冒頭の方のように自己破産寸前まで追い込まれますよ。
ご注意ください。
以上、アメリカで骨折したら、2,000万円の治療費を請求された件について。海外で病院にかかると、日本人の想像をはるかに越える額になります…という話題でした。
参考リンク:
海外にあまり行き慣れていない方は、海外のクレジットカード事情をまとめた下記記事も参考に。
お店でのクレジットカードの使い方や、困った時の対処方法などを専門家がわかりやすく解説しています。
*1:私も過去にアメリカで病院にかかった際、2時間程度の治療で18万円を請求されたことがあります。他にもちょっと頭痛がしたので診察にいったら、医師による3分診察で7万円請求された…なんてこともありましたね。こんな感じでとにかく海外での医療費は高いんです。
*2:もちろん持病持ちの方や高齢の方の場合などには、短期の海外滞在であっても手厚い海外旅行傷害保険に加入しておいたほうが無難なケースもあると思います。その辺の判断は是非、みなさんの自己破断にてお願いします。
*3:クレジットカードの中にはそもそも海外旅行傷害保険が付帯していないものがあったり、旅費の支払いをしないと旅行保険適用にならないものもあるのでそれらは除きます。