先日、ライブドアニュースを見たら単身世帯(一人暮らし世帯)の平均貯蓄額が出ていました(こちらの記事)。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査【単身世帯調査】」(2016年)によると、単身者(一人暮らし)の人の平均貯蓄額は822万円、中央値は20万円という結果が出ていました。
さすがに平均822万で中央値が20万円ってことはないんじゃないかな…と思い、実際に金融広報中央委員会の統計をチェックしてみると、この金額はまったく間違いではなく事実であることが判明。
どうやら「貯金ゼロ世帯」が非常に多いために、中央値が限りなくゼロに引きずられてしまっているようなのです。
単身世帯の実に48.1%が貯金ゼロ:
いくつか参考までに統計結果を紹介させていただきます。
まずは20代~70代の単身世帯のうち、金融資産ゼロ(要するに貯金ゼロのこと)の世帯がどのくらいいるのかの比率からです。
ご覧いただいたように年々貯金ゼロの世帯比率は増加傾向に。10年前までは30%程度しかなかった比率が、この10年で18%も増加してそのうち50%を超えそうな勢い…。
仮に50%を越えた場合には平均貯蓄額の中央値は0円になるわけですから、これがいかに深刻かということがおわかりいただけるのではないでしょうか?(苦笑)。
20代、30代の貯金なしは50%以上:
『いやいや、いくらなんでも単身世帯の48.1%が貯金ゼロなんておかしいでしょ?きっと20代世帯が足を引っ張ってるんじゃないの?』と思われる方もいるかもしれませんが、この貯金なし世帯の比率はどの年代でも多めに出ています。
唯一、60代世帯のみが33.5%と健闘(?)していますが、30代、40代、50代の貯金ゼロ率はもはや50%程度。20代については59.3%と3人に2人が貯金なしという状況に迫る勢いです。
年収300万円未満の世帯に貯金ゼロが多い:
では年収別の貯蓄率はどのくらいなのか…というと、これは下記の通り。全体に単身世帯の方は年収300万円未満の層が多いために、貯金ゼロ率が引き下げられている形ですね。
収入の低さがそのまま貯金率として反映されている…といったところでしょうか。
金融資産ありの世帯は更に裕福に:
ここまで単身世帯の貯金ゼロ率について書いてきましたが、では、貯金ありと回答した単身世帯の金融資産保有額はどのくらいあるのか?こちらについては逆に、残高が増加傾向にあります。
2016年の統計結果では平均貯蓄額は1,590万円、中央値でも600万…と、10年前と比べると平均で600万円弱、中央値でも300万円の上積みとなりました。
うーん、この統計だけで結論付けるのは無理があるかもしれませんが、世の中が二極化していってるということを裏付ける統計データかもしれませんね。富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる、そんな感じです。
詳細データはこちら:
尚、金融広報中央委員会(知るぽると)では詳細データも公開しているので、興味がある方はそちらもご覧ください。
こちらでダウンロード可能なエクセルデータを開くと、下記のような単身世帯の世代別の貯金額などがチェック出来ますよ。
以上、一人暮らしの平均貯蓄額は822万円だが、中央値はなんと20万円のみ!実に48.1%の単身世帯が貯金ゼロという状況のようです…という話題でした。さてさて、2017年の調査結果はどうなるのか、今から楽しみです(中央値が0円にならないことを祈るばかり)。
参考リンク:
お金があれば人生どうにかなる…ということがわかりながらも、多くの方がお金を勉強しようとしません。貯金がない…という方は、そんな愚痴とも言える私の意見をまとめた下記記事も参考にどうぞ。