クレジットカードの読みもの

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キャッシュレス支援策で飲食店のクレカ決済はどのくらい増えた?食べログで2020年時点のクレジットカード決済導入率を調査してみた。

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クレジットカードや電子マネーといった、キャッシュレス決済の普及を目的とした政策が2019年10月1日より開始されたのはみなさんご存じの通り(引用元)。

キャッシュレス・消費者還元事業とは?

2019年10月1日から施行される消費税率引き上げのあと、期間限定で中小・小規模事業者におけるキャッシュレス決済に関して、決済端末導入費や、決済手数料の一部および、消費者への還元分を国が補助し、キャッシュレスの推進を支援する事業です。

この政策によって飲食店へのクレジットカード決済導入が促進される形となったわけですが、実際に数値としてどのくらい効果があったのか、少し気になりますよね。

そこで今回は飲食店の情報サイト「食べログ」を利用して、クレジットカード決済の導入率を徹底調査。

日本がどのくらいキャッシュレス社会になったのか気になる方はご覧ください(当サイトが独自に調べた2017年までのクレジットカード決済普及率は下記の通り)。

2017年データ:

  • 食べログ登録店舗数:858,852店舗
  • うちカード決済可能な店舗数:182,909店舗

2016年データ:

  • 食べログ掲載店舗数:844,998店舗
  • カード払い可能な店舗数:181,974店舗

2015年データ:

  • 食べログ掲載店舗数:804,103店舗
  • カード払い可能な店舗数:167,152店舗

2020年の飲食店クレジットカード決済事情:

飲食店全体のクレカ決済導入率を調査:

早速、日本国内の飲食店数とクレジットカード決済の導入数を調査してみたところ、下記のような結果に。

  • 食べログ掲載の飲食店数:901,675店
  • そのうち、カード可の店舗数: 217,374店

比率にすると24.1%の飲食店がカード決済を導入しているだけ…というなんとも寂しい数値となりました。うーん、非常にビミョーな普及率ですよね、これ。

2017年と比べると若干改善されている:

参考までに2017年に調査した際の数値とも比べてみましょう。

2017年の数値は「カード可の店舗数182,909店/食べログ掲載858,852店」でカード決済導入率は21.2%だったので、その数値からはやや改善してる感じ。

  • 2017年調査:飲食店へのカード決済導入率21.2%
  • 2020年調査:飲食店へのカード決済導入率24.1%

ただ政府によるキャッシュレス消費者還元事業による後押しあり&2年半という月日が経過した後でこの数字では、やはり寂しいと言わざるを得ないように思います。

レストランジャンルでの導入率:

次に、パン屋やラーメン屋といったお店を含めた飲食店全体の数字ではなく、すこしジャンルを絞った上でのクレジットカード決済導入率についても調査してみます。

まずは和食、洋食、カレー屋、ファミレス、居酒屋等を含む、食べログの「レストラン」というジャンルに絞った上での導入率です。

  • レストランジャンルの飲食店:610,959店
  • そのうち、カード可の店舗数:180,736店

レストランのカード決済導入率は29.5%

レストランのカード決済導入率は29.5%

こちらの導入率はだいたい29.5%とまぁまぁの結果に。

それでも3割しか導入していないというのは寂しい限りですが、飲食店全体の数字と比べると少しは見栄えのする比率になったように思います。

2017年と比べるとこちらもやや改善:

ちなみにこちらも当サイト「クレジットカードの読みもの」が記録していた2017年の調査データと比較してみるとこんな感じ。

  • 2017年調査:レストランのカード決済導入率25.8%
  • 2020年調査:レストランのカード決済導入率29.5%

こう見てみると少しは導入が促進されたのかなぁ…と思える数値ですが、飲食店全体の導入速度とそうは変わらない速度のようです(飲食店全体では11.36%増加し、レストランジャンルだと11.43%増加とほぼ同一の比率)。

フレンチレストランでの導入率:

更にジャンルを絞ってフレンチレストランでのクレジットカード決済導入率を調査してみると、だいたい65%の店舗がカード決済を導入している計算に。

  • フレンチレストラン店舗数: 11,045店
  • そのうち、カード可の店舗数:7,181店

まぁフレンチレストランは客単価が高め&富裕層が利用する傾向にあるために、他ジャンルよりも大幅にカード決済の導入率が高いのでしょう。

高単価なお店=カード決済導入済みの店舗が多いということが言えそうです(2017年比でも4%ほど導入率増加)。

実際の数値はもう少しだけ高いと思われる:

今回は食べログを利用して飲食店のクレジットカード決済導入率を調べてみましたが、ほんとうはクレジットカード決済利用可能なのに食べログ上にはそれが反映されていない…という、「隠れクレカ導入店舗」もそれなりに多く存在する可能性大。

また、食べログにはすでに閉店した古いお店の情報もたくさん残っているので、そういった点を考慮すると、飲食店全体のクレジットカード導入率はだいたい30%くらいに落ち着くのかもしれません。

  • 飲食店全体の導入率:30%くらい?
  • レストランジャンルの導入率:35%くらい?

それらを考慮しても、日本がほんとうの意味でのキャッシュレス社会になるためにはまだまだ道半ばです。

都道府県別のクレジットカード決済普及率:

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続いて、飲食店全体のクレジットカード決済導入率ではなく、都道府県ごとの導入率についても調査してみました。

地域によってキャッシュレス社会化がどのくらい進んでいるのか気になる方はご覧ください。

47都道府県別のクレカ導入率:

まずは2020年1月時点における、47都道府県すべてのデータです。

  • 店舗数:飲食店全体の店舗数
  • カード可のお店:そのうちカード可のお店数
  • 比率:カード可のお店÷全体店舗数
都道府県名 店舗数 カード可のお店 比率
北海道 40,819 10,408 25.5%
青森県 8,266 1,175 14.2%
岩手県 7,780 1,245 16.0%
宮城県 15,586 3,891 25.0%
秋田県 6,551 1,041 15.9%
山形県 8,108 1,210 14.9%
福島県 12,678 1,998 15.8%
茨城県 17,303 2,832 16.4%
栃木県 14,073 2,196 15.6%
群馬県 15,201 2,726 17.9%
埼玉県 35,874 6,618 18.4%
千葉県 32,902 6,969 21.2%
東京都 138,761 53,848 38.8%
神奈川県 48,694 12,889 26.5%
新潟県 14,474 2,614 18.1%
富山県 6,930 1,306 18.8%
石川県 9,216 2,133 23.1%
福井県 6,431 1,190 18.5%
山梨県 7,499 1,230 16.4%
長野県 18,487 2,761 14.9%
岐阜県 14,840 2,214 14.9%
静岡県 25,624 5,060 19.7%
愛知県 49,606 11,633 23.5%
三重県 11,810 1,974 16.7%
滋賀県 7,275 1,738 23.9%
京都府 22,890 6,366 27.8%
大阪府 71,399 21,051 29.5%
兵庫県 38,571 8,320 21.6%
奈良県 7,565 1,556 20.6%
和歌山県 7,486 1,017 13.6%
鳥取県 3,863 717 18.6%
島根県 4,304 696 16.2%
岡山県 12,012 2,112 17.6%
広島県 18,858 4,005 21.2%
山口県 8,644 1,434 16.6%
徳島県 5,367 1,023 19.1%
香川県 7,793 1,314 16.9%
愛媛県 9,740 1,678 17.2%
高知県 5,598 782 14.0%
福岡県 36,327 8,759 24.1%
佐賀県 5,136 693 13.5%
長崎県 9,124 1,580 17.3%
熊本県 10,742 2,191 20.4%
大分県 8,467 2,154 25.4%
宮崎県 7,794 1,391 17.8%
鹿児島県 11,039 1,849 16.7%
沖縄県 15,111 3,787 25.1%

都道府県によって飲食店の店舗数はだいぶ異なりますが、総じて、都市部であればあるほどクレジットカード決済の導入率が高く、地方に行けば行くほどに低くなる傾向があるようです。

導入率ランキングの上位について:

その上で飲食店へのクレジットカード導入率上位をランキングにしてみるとこんな感じ。

クレカ導入率が高い都道府県:

  1. 東京都:38.8%
  2. 大阪府:29.5%
  3. 京都府:27.8%
  4. 神奈川県:26.5%
  5. 北海道:25.5%

特筆すべきは京都府、北海道、沖縄県の比率が高い点ですね。

これはみなさんの想像通り、観光に強みを持つ都市では来訪する外国人観光客のためにクレジットカード決済が導入されがち…という事情があるからでしょう。

愛知県の導入率はやや低め:

反面、意外にちょっと低いなぁ…と思ったのが、名古屋市を抱える愛知県のクレジットカード決済導入率が低めなこと。

都市の規模だけでいえばランキングのTOP5に入ってもなんらおかしくはないのですが、中京地区は現金主義が根強い地域でもあるので、その辺が反映された結果となったようです(引用元)。

経済産業省の調べによる都道府県別のキャッシュレス決済比率によると、愛知県は13位。

全国平均の16.1%を下回り、三重県や岐阜県よりも低いといいます。

導入率ランキングの下位について:

お次は飲食店へのクレジットカード導入率下位のランキングです。

クレカ導入率が低い都道府県:

  1. 佐賀県:13.5%
  2. 和歌山県:13.6%
  3. 高知県:14.0%
  4. 青森県:14.2%
  5. 岐阜県:14.919%
  6. 山形県:14.924%
  7. 長野県:14.935%

5位には岐阜県、山形県、長野県が同率で14.9%でしたが、四捨五入せずに少数第三位まで調べてみると僅差で岐阜県が5位にランクイン。

やはりお世辞にも都市部とは言いがたい県がランクインする形となりました。

和歌山県はキャッシュレス決済が嫌いな県民性?

下位ランキング2位に登場した和歌山県は大阪府の隣に立地している県であるにも関わらず、経済産業省が調査した2014年の商業統計でキャッシュレス決済比率が日本で一番低い都道府県(山口県と徳島県は算出不可能だったため除外されている)。

  • 全国44位:佐賀県
  • 全国45位:和歌山県

要は県民のほとんどが現金払いを利用しているということでもあるので、飲食店経営者もわざわざキャッシュレス決済を導入しなくていい…と判断しているのかもしれません。

PayPayを含めるとキャッシュレスは前進:

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最後に。

この記事をここまで読んでいたいだた後に、『おいおい、クレジットカード決済を導入しているかどうかだけでキャッシュレス決済を語っちゃいけないんじゃないか?』と思われた方、その通りですね。

確かにキャッシュレス決済を語る上で今、重要なのはクレジットカード決済単体の話ではなく、スマホ決済や電子マネーを含めた全体での議論のほう。

  • 間違い:カード決済のみがキャッシュレス決済
  • 正解:電子マネーやスマホ決済を加えたものがキャッシュレス決済

ただ残念ながら食べログ上で検索可能なのがカード決済可能かの絞り込みのみだったので、今回は過去と明確に比較するためにも、クレジットカード決済の導入店舗がどのくらい増えたかのみを記事にさせていただきました。

PayPayの導入店舗も調査:

しかし、それじゃちょっと物足りない方のために、最後に同じく飲食情報サイトのRettyを利用してPayPayの導入店舗を調べてみました(Rettyでは都道府県ごとのPayPay導入店舗が検索可能なため)。

  • 東京全体の飲食店登録数:141,278店
  • カード可の店舗数:40,917店
  • PayPay可の店舗数:25,169店
  • カード&PayPay可の店舗数:12,093店

ざっくり計算してみるとカード決済かPayPay決済のどちらかが利用可能な飲食店は東京都全体の38%程度であることが判明したわけですが、この数字って食べログで調査した東京都のカード決済可能な飲食店比率と同程度…。

食べログとRetty、どちらが正しいかは人によって判断が分かれるところでしょうけれども、Rettyの情報量は食べログよりやや劣るため、実数としては食べログの数字にRettyで調査したPayPay導入店舗数を加えた48%という比率が東京のキャッシュレス決済導入率に近い数字なのでしょう。

以上、キャッシュレス支援策で飲食店のクレカ決済はどのくらい増えた?食べログで2020年時点のクレジットカード決済導入率を調査してみた…という話題でした。

さらに飲食店へのキャッシュレス決済導入が進んでいくよう、当サイト『クレジットカードの読みもの』では引き続き情報発信を頑張ります(応援してやってもいいぞ…って人は、SNSシェアやブックマーク等でこの記事を共有ください)。

参考リンク:

『うちの店にもそろそろクレジットカード決済を導入するか…』という方は下記記事を参考に。

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news.cardmics.com

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