ポイントが貯まりやすい支払手段として人気だったLINE Pay。
このポイント制度が2020年5月1日から大幅に改訂され、なんとLINE Payの公式クレカである『Visa LINE Payクレジットカード』を新規に作成した人以外はすべてポイント還元率が0%に変更となります。
- 5月1日9時59分まで:
マイカラーに応じてポイント還元率0.5~2.0%
- 5月1日10時より:
新規に公式クレカを作らないとポイント還元率0%に
つまり公式クレカを作らない場合、どんなにLINE Payを支払いで使ってもポイント獲得数はゼロになることを意味するので、現時点でLINE Payを利用している方はくれぐれもご注意ください。
以下、新しいポイント制度について詳しく解説していきます。
LINE Payのポイント還元率について:
LINE Pay残高利用時は還元率0%:
まず、2020年5月1日10時以降のポイント還元率をわかりやすく説明するとこんな感じ(公式サイトの還元表を加工&転載)。
残念ながら今後はLINE Pay残高を利用した支払いはすべて、ポイント還元率が0%に設定されることになります。
- LINE Payコード払い:還元率0%
- LINE Pay請求書支払い:還元率0%
- LINE Payオンライン支払い:還元率0%
これは1万円分の支払いで使っても、50万円分の支払いで使っても獲得ポイント数はゼロのまま。お得なのはLINE側より発行される特典クーポン分くらいです。
公式クレカを作ると還元率1~3%:
ではどうすればLINE Payでポイントを獲得できるのかというと、それは冒頭でも説明した通り、LINEが新しく発行を開始した『Visa LINE Payクレジットカード』という公式クレジットカードを作成&保有した場合のみ(※従来発行していたプリペイド形式のLINE Payカードとは異なります)。
気になるそのポイント還元率は下記図の通りです。
加えてポイントが還元される条件には、LINE Payにて新しくはじまる「チャージ&ペイ」という機能を使わないと対象とならない点も注意が必要(Visa LINE Payクレジットカード保有者でもLINE Pay残高を使った支払いはポイント還元率0%ということ)。
チャージ&ペイとは
「チャージ&ペイ」とは、5/1からご利用可能になる「Visa LINE Payクレジットカード」を「LINE Pay」に登録いただくことで、これまでのように事前に銀行口座や現金で残高をチャージしなくても、コード支払いなどが可能になる新機能です。
まぁチャージ&ペイを簡単に言うと、Visa LINE Payクレジットカードでその都度支払いをするようなものですね。
そうすれば過去のポイント獲得数に応じて1~3%の還元率が決まる形となります。
過去6ヶ月のポイント獲得数でランク振り分け:
参考までにマイランクの振り分けについても紹介しておきます。
マイランクの算定
マイランクは過去6ヶ月間のポイント獲得数に応じて決まり、毎月1日10:00に更新されます。
例えば、レギュラーランク会員が1月から6月に100ポイント獲得すると、7月1日の10:00にシルバーにランクアップします。
仮に5月1日までのLINE Payで考えると、だいたい過去6ヶ月に30~50万円くらい使っている方が最初から「プラチナ」になれる計算ですね。
これを魅力的に思える方であれば新規にVisa LINE Payクレジットカードを作成し、いやいや、LINE Payのポイント還元率を高めるためだけにクレジットカードなんて作りたくないよ…という方は、PayPayやd払いなどのスマホ決済に切り替えればOK。
- 新ポイント制度が魅力的 → 公式クレカを作成
- 新ポイント制度に否定的 → 他のスマホ決済に乗換?
仮に公式クレジットカードを作らないのであれば、LINE Payを継続利用する理由がほぼ無いと言えます。お得になるのは割引クーポンが配信された時くらいでしょう。
LINE Pay残高は銀行振込できる:
このように2020年5月1日10時以降、LINE Pay残高を使った支払いはすべてポイント還元率が0%になってしまうわけですが、その上で役立つ知識をひとつだけ。
実はLINE Payの残高は指定の銀行口座に振込をすることが可能です。
LINE Payアカウントを持っていない人や、振込先の口座情報がわからない人にもお金を振り込むことができます。
そのため、余ったLINE Pay残高がある程度ある方は、店頭で利用せずに振り込んでしまうのも良いアイデア。
1回10万円までという制限がある&手数料はかかるものの、還元率ゼロよりは良いかと思いますよ(夫婦でLINE Payを使っている人などは、LINE Pay残高を合算した状態で出金指示すると手数料負担を減らせる)。
公式クレカを作る方も検討の余地あり:
ちなみに。
私はキャッシュレス決済を調査するという仕事柄、LINE Payの公式クレカであるVisa LINE Payクレジットカードを申込した人間ですが、前述の通り、公式クレカを入手した人間でもLINE Pay残高利用分のポイント還元率は0%です。
- 公式クレカでチャージ&ペイ:ポイント還元率1~3%
- 公式クレカ保有者が残高払い:ポイント還元率0%
それゆえ、現時点で残っているLINE Pay残高については、そのまま振込で出金してしまってもいいのかなと悩み中。
しかも私のLINE Payアカウントには残高が約33万円分も残ってますからね(苦笑)
このまま利用するよりかは出金してしまったほうが高還元率なので、1日あたりの出金限度額に触れない程度に吐き出してしまおうかと思います。
現実はLINE Payを使わないほうがお得:
ついでにもうひとつ言ってしまうと、Visa LINE Payクレジットカードを入手した人間はLINE Payのスマホ決済を使わないほうがお得だったりもするんですよね。
- LINE Payのコード決済で支払い:1~3%還元
- 公式クレカで支払い:期間限定で3%還元
- Apple PayやGoogle Pay:期間限定で3%還元
- 内蔵のタッチ決済:期間限定で3%還元
もうこうなるとあえてLINE Payのコード決済を使う理由がないので、私もたぶん、そのまま公式クレカで支払いをしてしまうか、Apple Payに紐づけてiD払いをしちゃう可能性が高いと思います(苦笑)
わざわざLINE Payのマイランクを高める必要がありません。
※尚、期間限定の3%還元については「基本還元率は1%、特典内容や、3%還元の期間は、予告なく変更・終了となる可能性がございます」とのことなので強制終了となる可能性あり。
スマホ決済から公式クレカ発行へ:
最後に。
ここまでを読んでくれた方であればなんとなく感じることだとは思いますが、個人的に思うのは、『LINE Pay、もしかしてスマホ決済の普及を諦めてしまったかな?』という点なんですよね。
なにせ今回のポイント制度の改悪は、従来、LINE Payを使ってきた全ユーザーを対象とした「切り捨て」にも近い行為。
確かに公式クレジットカードを新規作成すればポイント還元率がアップすることにはなりますが、その新規サービスを申し込まない人には1円もポイントを与えないというのはさすがにやりすぎに思えてしまいます。
- クレカを作って付いてきた人:ポイント還元で厚遇
- クレカを作らず脱落した人:ポイント付与ゼロで切り捨て
せめて0.5%分でもポイント還元率を残してあげることが出来なかったのか。この辺が残念でなりません。
PayPayに経営資源を投下するため?:
まぁこの背景には、PayPayを運営&管理するYahoo! JAPANと、LINE Payを運営&管理するLINEが経営統合することが少なからず影響を与えている可能性大(引用元はこちら)。
11月に発表されたヤフー(Yahoo! Japan)親会社のZホールディングスとLINEの経営統合について、本日23日、両社の親会社のソフトバンクとNAVERの4社で経営統合に関する最終合意に至ったと発表されました。
合併のプロセスは2020年10月までに順次実行される予定。
最終的には新生ZホールディングスがソフトバンクとNAVERが50%ずつ出資する共同保有の企業となり、LINEはその傘下企業として統合される形になります。
あくまで推測に過ぎませんが、経営判断としてLINE PayよりもPayPayを残すことが決まったために、LINE Pay利用者を公式クレジットカード保有者に切り替えさせることで、LINE Payに投じた費用の回収を図ろうとしているのかもしれませんね(将来的にLINE PayPay誕生に繋がる?)。
さてさて、どうなることやらです。
以上、悲報!5月1日からLINE Payの還元率が0%に改悪。新規に公式クレカを作らないと、いくらLINE Payを使ってもポイント獲得ゼロです…という話題でした。
参考リンク:
LINE Payと同一グループとなるPayPayについても、2020年4月からポイント還元率が低下済み。
ただ完全にポイント還元率が0%になってしまうわけではない&公式クレジットカード保有の有無は関係ないので、この辺がLINE Payとは異なりますね。詳しくは下記記事にてどうぞ。