クレジットカードの読みもの

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聖徳太子の1万円札など、旧紙幣はなぜ今でも利用可能なのか?現在でも利用できる紙幣一覧と、旧札が使える理由を調査してみた。

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1万円札や5,000円札といった日本円の紙幣。

ご存知のようにこの紙幣というのは現行の1万円札や5,000円札だけでなく、聖徳太子がデザインされた旧1万円札や伊藤博文の1,000円札などの旧紙幣(旧札)もお店で利用できる状況があるわけですが、店舗を経営している側からするとこれってすごくわかりにくいですよね。

なにせウン十年も前に発行された紙幣を提示されて、『これで支払いをしてくれ!』と頼まれたとしても、本物かどうかを見極めるのは素人にはムリな話。

実際、残念なことに2018年9月には旧1万円札のニセ札が23枚も使われてしまう…という事件も発生しています(引用はこちら)。

男の逮捕容疑は9月上旬、東京駅構内のコーヒー店とファストフード店で偽の1万円札を各1枚使った疑い。8月以降、都内の飲食店やスーツ販売店など17店でよく似た偽札が計23枚見つかっており、同庁捜査2課はいずれも同じ男が使ったとみている。

同課によると、偽造されたのは、聖徳太子が描かれ、86年まで約30年間発行されていた「C一万円券」。

インクジェット式プリンターで印刷されたとみられるが、記番号は全て異なり、一部にはすかしが入っていた。男は「知人からもらった。偽物とは知らなかった」と話しているという。

旧紙幣の取扱について:

現在でも使える旧紙幣は18種類:

では、現時点でも使える現行紙幣&旧紙幣にはどのようなものがあるのでしょうか?

日本銀行(通称:日銀)のウェブサイトに使える紙幣の一覧リストが掲載されていたので紹介させてもらいます。

  • 一万円券…2種類
  • 五千円券…2種類
  • 千円券…3種類
  • 五百円券…2種類
  • 百円券…2種類
  • 五十円券…1種類
  • 十円券…1種類
  • 五円券…1種類
  • 一円券…4種類
500円札どころか100円札や50円札も使える:

こう見てみるとすごいですね。

私たちがまだ馴染みのある旧1万円札や5,000円札、1,000円札といった紙幣以外にも、100円札や50円札、さらには10円や5円の価値しかない旧紙幣もお店で使える状態にあるとは驚きそのもの。

その中でも一番古い紙幣は、今から60年以上も前の1955年に発行停止された下記の5円紙幣と10円紙幣

現在でも使える5円札と10円札(1955年に発行停止)

現在でも使える5円札と10円札(1955年に発行停止)

こちらも問題なく店頭で使えるそうですが、さすがにここまで古い紙幣だと旧紙幣を買い取ってくれる専門店に売却したほうが価値は高くなるので、お店で使う方はいないことでしょう。

2015年に100円札の束が使われたニュースも:

ちなみに2015年には、板垣退助がデザインされた100円札の札束がお店で使われた…というニュースもありました(引用はこちら)。

福岡市のカイロプラクティック(整体)で施術を受けた70歳の女性が差し出したのが、百円札100枚の束だった。受け取った整体師は「ドッキリかと思いました」という。

引用部分にもあるようにお店の人は最初、ドッキリかと思ったようですが、100円札の札束を渡した側としては感謝の気持ちを込めての支払いだったとのこと。

こういう旧紙幣の使い方は面白いですが、貰う側としては処理の仕方に困ってしまうので良し悪しな部分もありそうです。

デメリットの多い旧紙幣が使える疑問:

このように現時点でも4種類の現行紙幣+18種類の旧紙幣が使える状況があるわけですが、個人的に疑問なのが、なぜ今でも旧札を使えるようにしているのかという点なんですよね。

特に旧紙幣というのは古い技術をもとに作られている紙幣。

極端な言い方をすると、偽造がされやすい紙幣であるとともに、冒頭で紹介した事件のように「多くの人の記憶からすでに忘れさられてしまっている紙幣」でもあるので、雑な偽造をしたとしても使えてしまうデメリットがあります。

2つの1万円札の違いがわかりますか?

論より証拠、みなさんには下記2つの1万円札の違いがわかりますか?

旧1万円札と現行の1万円札

旧1万円札と現行の1万円札

正解は左側が旧1万円札で右側が現行の1万円札。

一見するとその違いはわかりませんが、新1万円札には偽札を作られないようにする偽造対策が講じられていて、左下にホログラムが入ってるなどの違いがあるんです(偽造対策一覧はこちら)。

  • 旧1万円札:偽造対策がやや甘い
  • 新1万円札:偽造対策がバッチリ

それにも関わらず、旧紙幣も未だに利用可能にしておいてしまっては、せっかくの偽造対策の意味なし。仮に左側の1万円札の偽札を出されたとしても、気付く人は稀でしょう。

なぜ旧紙幣は未だに使えるのか?

それではなぜ旧紙幣が未だに使えるのかについては、一応、日銀のウェブサイト上に答えのようなものがありました。引用させてもらいます(引用はこちら)。

一度発行された銀行券は、法令に基づく特別な措置がとられない限り、通用力を失うことはありません。

そうした特別な措置は、以下のとおり、過去に3回発動されたことがあり、その結果、これまでに発行された銀行券(53種類)のうち31種類については通用力が失われ、現在は銀行券として使えません。

  1. 関東大震災後の焼失兌換券の整理(1927年<昭和2年>)
  2. 終戦直後のインフレ進行を阻止するためのいわゆる新円切り替え(1946年<昭和21年>)
  3. 1円未満の小額通貨の整理(1953年<昭和28年>)

要するに法令に基づいて価値を失わせることは出来るものの、過去にそういった措置が発動されたのは3回のみ。

しかもすべて昭和初期のみの発動なので、日本政府としてはめったに紙幣を廃止をしない方針であることがわかります。

政府としては廃止するメリットが乏しい:

となるとなぜ政府は旧紙幣を廃止しないのかというと、これは予測するに紙幣を廃止すると困る人達が一定数いるので、政府不信に繋がりやすい…という一面があるんじゃないかなと推測。

つまりそんなことをわざわざしなくても旧紙幣を使う人なんてほとんどいないのだから、放置しておいても問題になることはない…という考え方なのでしょう。

たぶんこの先も、偽造された1万円札や5,000円札等が社会問題にならない限り、旧紙幣は使えるままになると思われます。

1889年に発行された1円札でも使える:

戦前に発行された10銭札や50銭札といった1円未満のお札についてはもう使うことは出来ませんが、戦前に発行された1円札であれば今でも利用可能。

こちらはなんと1889年の明治時代に作られた1円札であっても理論上は利用可能とは、日本の紙幣、いつまで使えるんだよ…って話ですね(苦笑)

さすがに廃止しちゃえばいいのになと個人的には思います。

店頭で使えなくすれば良いだけの話:

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最後に。

個人的に政府が旧紙幣を使えるままにしておく方針ならそれでいいのですが、社会的な混乱を起こさないようにするためにも、せめて旧紙幣をお店で使えないようにしてほしいなと思うところ。

  • 現状:旧紙幣はお店で使えるし、銀行で両替もできる
  • 理想:旧紙幣は銀行で両替できるのみ

こうすれば紙幣の価値そのものが落ちるわけではないですし、偽札等がお店で不正に使われる可能性をも低くすることが出来るので、万事、問題が解決できちゃうんじゃないかなと思います。

タンス預金撲滅のためにも効果有り:

ついでにいうと旧紙幣をお店で使えなくすれば、不正に入手した現金をタンス預金してる方などをあぶり出せる効果も見込めそう(現行紙幣に交換する際には本人確認を必須とするなど)。

  • 銀行強盗などで盗んだ旧紙幣:両替必須にすれば使えない
  • 脱税で溜め込んだタンス預金:両替必須にすれば脱税発覚

ここまで来ると一石二鳥どころか一石三鳥なので、是非、政府には重い腰をあげて旧紙幣対策をしてほしいなと思います。

以上、聖徳太子の1万円札など、旧紙幣はなぜ今でも利用可能なのか?現在でも利用できる紙幣一覧と、旧札が使える理由を調査してみた…という話題でした。

参考リンク:

この機会にお金に関する知識をもっと増やしたい…という方は、下記記事も参考に。

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news.cardmics.com

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