今回は『クレジットカードのキャッシングってなに?』という方のために、キャッシングの基礎知識やその使い方などをわかりやすく解説。
これからキャッシングを使う予定がある方はもちろん、しばらく使うつもりがない方も是非、この機会にその仕組みを勉強してみてください。
お金に困った時、キャッシングはあなたを助けてくれる存在になるはずですよ。
クレジットカードキャッシングの基本:
クレジットカードのキャッシングとは?
まず、クレジットカードのキャッシングとは何かというと、これは「クレジットカード会社との契約を利用してお金を借りること」。
こう書くと『カード会社から借金するなんてとんでもない!』と思われる方は多いかも…ですが、クレジットカードの仕組みを考えるとショッピングだろうがキャッシングだろうが、お金を借りてることには違いがないんですよね。
- カードで1万円の服をショッピング:
服を購入する際、カード会社から1万円を借りること。通常、返済はカード代金の支払日に行われる。 - カードで1万円をキャッシング:
カード会社から自由に使える1万円を貸りること。通常、返済カード代金の支払日に行われる。
カード会社にとってみれば、どちらもあなたに1万円を貸している状況に変わりがありません。
キャッシングは金利手数料が必要:
ではキャッシングとショッピングでは何が違うのでしょうか?
それはキャッシングでは原則、クレジットカード会社に「お金を貸してくれてありがとう」という謝礼を払わないといけない点です(謝礼=金利手数料)。
- クレジットカード1回払い:手数料は不要
- キャッシング:金利手数料が必要
まぁこれは住宅ローンや自動車ローンなど、どんな借金でも同じ。
金利を払わずにお金を貸してくれる人や企業などあるわけがないので、キャッシングを使う予定があるなら金利手数料の負担は覚悟ください。
金利負担はリボ払いとほぼ同じ:
そうなると気になるのがその金利。
だいたいどのくらいの金利を負担が必要なのかというと、これはクレジットカードのリボ払いや分割払いと同じくらい。
1ヶ月あたり1.5%程度、年率にすると18%程度の負担を求められることが多いので、キャッシングにしろリボ払いにせよ、金利を払いたくない方はキャッシングなど使わないほうが無難です。
実際にかかる金利はそこまで多くない:
参考までに1ヶ月間、お金を借りる際にかかる手数料目安はこのくらい。
比較項目 | 金利 | 実際にかかる金利 |
---|---|---|
1万円を1ヶ月借りる | 18% | 月150円の金利手数料 |
10万円を1ヶ月借りる | 月1,500円の金利手数料 | |
30万円を1ヶ月借りる | 月4,500円の金利手数料 | |
50万円を1ヶ月借りる | 月7,500円の金利手数料 | |
80万円を1ヶ月借りる | 月1万2,000円の金利手数料 |
意外と金利って取られないんだなぁ…、そう思った方も多いのではないでしょうか?
早期に返済をすれば、キャッシングの金利負担はそこまで多くありません。
1年間借りっぱなしにしても18%程度:
同様に1年借りっぱなしにした場合の金利手数料はこんな感じ(実際には1年間お金を借りっぱなしには出来ない)。
比較項目 | 金利 | 実際にかかる金利 |
---|---|---|
1万円を1年間借りっぱなし | 18% | 年1,800円の金利手数料 |
10万円を1年間借りっぱなし | 年1万8,000円の金利手数料 | |
30万円を1年間借りっぱなし | 年5万4,000円の金利手数料 | |
50万円を1年間借りっぱなし | 年9万円の金利手数料 | |
80万円を1年間借りっぱなし | 年14万4,000円の金利手数料 |
さすがに1年もお金を借りるとそれなりに手数料がかかるので、極力、キャッシングで借りたお金は早めに返済するのがベストとなります。
キャッシング枠とは何?
続いてクレジットカードのキャッシングではいくらまでお金を借りられるのか…ですが、こちらはクレジットカードに個別設定されているキャッシング枠次第。
たとえばキャッシング枠が50万円に設定されているカードであれば50万円まで自由に借り入れ可能ですが、10万円しかキャッシング枠がない場合では30万円や50万円を借りることは出来ません。
- キャッシング枠10万円の場合:10万円までお金を借りられる
- キャッシング枠50万円の場合:50万円までお金を借りられる
当然、キャッシング枠10万円なら10万円までが借りられる範囲となります。
キャッシング枠0円の方も:
尚、買い物に対する利用限度額(ショッピング枠)とは異なり、キャッシング枠は0円に設定されている場合も多いです。
キャッシング枠0円とは、要するにそのクレジットカードでお金を借りることは出来ませんよ…ってこと。
後述するキャッシング使用方法を使っても、1円もお金を借りられないのでご注意ください。
キャッシング枠の確認方法:
キャッシング枠がいくらに設定されているのか、確認方法はカンタンそのもの。
カード会社から送られてくる利用明細書やウェブサービス上で参照可能なので、そちらを確認いただければ保有中カードのキャッシング限度額がわかります(下記はJCBカードの例)。
ご覧のように高めのショッピング枠が設定されている場合でも、キャッシング枠が0円設定な場合も多いですよ。
キャッシング枠を増やしてもらうお願いは出来る:
キャッシング枠が0円の方や10万円や20万円といった少なめの方は、クレジットカード会社に依頼をして増枠(キャッシング枠を増やしてもらうこと)をお願いすることも可能です。
ただキャッシング枠の大きさは、利用限度額同様にみなさんの信用力によって左右されますので、職業が不安定な方や、すでに消費者金融などを利用してしまっている方の場合には、増枠申請をしても断られてしまうことも。
- 信用力が高めの方:増枠申請が通りやすい
- 信用力が低めな方:増枠申請しても断られやすい
ショッピング枠にしろキャッシング枠にしろ、増枠はやはり信用力次第となります。
キャッシングのやり方:
次にクレジットカードを使ったキャッシングの利用方法を解説。クレジットカードを使ってお金を借りようとしている方は参考にしてください。
コンビニATMや銀行ATMで出来る:
まず、一番簡単なクレジットカードを使ったキャッシング利用方法は、コンビニATMを使った方法です。
銀行のキャッシュカードを使ってお金を引き出す時と同様に、コンビニATMの「引き出す」をタッチし、その後、クレジットカードを入れればキャッシング枠の範囲内でお金を借りることが可能。
まるで銀行口座からお金を引き出すように借りれてしまうので、怖さを感じてしまう方も多いことでしょう。
どのコンビニATMが使えるのか?
参考までにどこのコンビニのATMがクレジットカードキャッシングに対応しているのか、大手クレジットカード会社である三井住友カードの公式サイトから取得してきてみました。
上記の通り、セブン‐イレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップなど、原則、どのコンビニATMであってもクレジットカードキャッシングが利用可能なことがおわかりいただけるかと思います。
ゆうちょ銀行など銀行ATMでも借入可能:
また、ゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行といった大手銀行のATMでもクレジットカードキャッシングは可能。
ゆうちょ銀行や三井住友信託銀行のように返済に対応していないATMもありますが、基本、借りる分ならどこでも借りられると思って間違いありません。
こちらもまるで銀行口座からお金を引き出すかのように借入可能なので、安易に借り過ぎないようご注意ください。
銀行預金感覚でお金を引き出してしまうと、自己破産へまっしぐらです。
ネットキャッシングを利用する:
コンビニATMや銀行ATMからお金を借りる方法以外にも、クレジットカード会社に直接お願いし、指定の銀行口座へ振込をしてもらうことも可能(通称:ネットキャッシング)。
三井住友カード、楽天カード、イオンカード、三菱UFJニコス、オリコ、クレディセゾンなどなど、大抵のクレジットカード会社がこのネットキャッシングに対応しているので、現金ではなく通帳残高が足りずに困っている場合にはこういったサービスを使ってみてもOKです(下記は三菱UFJカードの例)。
インターネット・お電話で口座へお振り込み(お振込サービス)
パソコンやスマートフォン、お電話からお申し込みいただくと、原則として金融機関翌営業日の正午以降にカードご利用代金お支払口座へお振り込みいたします。
ATMを探さずとも直接、お金を入金してもらえます。
預金残高が足りない時に:
ちなみに。
クレジットカード代金の引き落とし金額が足りない場合にネットキャッシングで現金を調達し、その支払いに回す…なんてことが出来るのかといえば、これは可能です。
まぁタコが自分の足を食べて空腹を満たすみたいなものなので全くおすすめはしませんが、『来週、カード代金の引き落としがあるのに預金残高が足りない!』といった場合には、一度、こういった手法でピンチを乗り切るのもひとつのアイデア。
詳しくは下記の「返済日にお金が用意できなかった場合にはどうすればいいのか?」の記事を参照にどうぞ。理想はキャッシングに手を出す前にどうにかすることですよ。
カードキャッシングの応用知識:
更にクレジットカードを使ったキャッシングの知識を深めるため、いくつか応用知識も紹介。
キャッシングを使う予定がある方もない方も、このあたりの知識を身につけておいて損はないので、是非、しっかりと読んでもらえればと思います。
キャッシングを使わないなら0円が無難:
しばらくキャッシングを使う予定がない方は、キャッシング枠を0円に設定しておくのがおすすめ。
目的としてはクレジットカードを万が一、落としてしまったとしても、キャッシングを不正利用されないためです。
詳しくは下記記事にまとめてありますが、ショッピングの不正利用とは異なり、キャッシングが不正利用された場合の損失は盗難保険の適用外とされてしまうことがあるので要注意。
- ショッピングの不正利用:盗難保険対象(暗証番号取引を除く)
- キャッシングの不正利用:盗難保険対象とならない場合も
その点、キャッシング枠0円なら不正利用される可能性もゼロなので安心です。
海外キャッシングは国内キャッシングと同じ枠:
国内でキャッシングを使う予定はないけれども、海外では現地通貨を引き出すためにキャッシングを利用したい…という場合にはどうすれば良いのでしょうか?
こちらは残念ながら国内キャッシング枠を作っておく必要性あり。
三井住友カードのように海外キャッシング枠のみを設定できるクレジットカードもありますが、大手カード会社は国内&海外が同じキャッシング枠となっている場合が多いので、どうしても心配な方は渡航前にのみキャッシング枠を申請し、帰国後にキャッシング枠を0円に設定しなおすのも手だと言えそうです。
ご利用枠の設定・増枠
海外キャッシュサービスのご利用には事前にカードごとの「海外キャッシュサービスのご利用枠の設定」が必要です。
予めご了承ください(海外のカード事情を知りたい方は下記記事参照)。
おカネを借りる前に支払いを工夫する:
世の中、工夫すればキャッシングを使う必要性がないのに、手元のお金のやりくりが追いつかずに、仕方なくキャッシングに頼ってしまっている方は多いです。
- 結構多い:お金に困ったから即、キャッシングを利用
- 理想はこちら:お金に困ったら借りる前に知識を付ける
特にお金に困ったからといって、クレジットカードのリボ払いやキャッシング機能ばかりを利用している方。
これは非常に勿体無い状況だと言えるので、もし「借りたお金の返済に困ってキャッシングを使いたいと思っている」という方がいたら、下記記事をしっかりと読んでもらえると嬉しいです。
場合によってはこれだけで、すべての借金の返済も可能ですよ。
よくある質問とその答え(FAQ):
ここでより、クレジットカードを使ったキャッシングに関する知識を深めてもらうため、よくある質問とその答えを作っておきます。
キャッシングに関して疑問がある方は参考にどうぞ。
Q.どのクレジットカードでもキャッシング出来るの?
どのクレジットカードならキャッシングが利用できて、どのカードが使えないのかといったことは、クレジットカードごとの契約次第。
解説部分でも紹介したように、キャッシング枠がないクレジットカードでは、どのコンビニATMに差し込んだところでお金を借りることは出来ません。
また、ビューカードのようにそもそもキャッシングサービス自体を提供していないクレジットカード会社…なんていうところも。
2009年3月31日までにご契約いただいたビューカードでのみキャッシングサービスをご提供しており、以降のお申込みではサービスをご利用いただけません。
こういったカード会社ではお金を借りられないのでご了承ください(逆にキャッシングを使う予定がない方は、不正キャッシングされないビューカードがおすすめということ)。
Q.キャッシングをする際にかかる費用を教えて:
クレジットカードを使ったキャッシングをする際にかかる費用としては主に3つ。
- 金利手数料
- ATM利用手数料
- 返済手数料
1については借りた金額とその期間によって変動するものの、すべてのカードでかかる費用です。返済できていない金額が大きくなると、発生する金利手数料も大きくなるのでご注意ください。
2と3はクレジットカード次第…ですが、最近では請求されるケースが増えてきた印象あり。
だいたい借入時と返済時ともに1回あたり100~200円程度の費用がかかるので、この費用負担は覚悟しておくと良いでしょう。
Q.消費者金融とどっちがお得なの?
クレジットカードを使ったキャッシングと、消費者金融からの借入ではどちらがお得なのかというと、これはやはり餅は餅屋、消費者金融から借りたほうがなにかと有利です。
消費者金融のほうが優れている点としては、ATMの利用手数料や返済手数料が無料だったり、金利手数料がクレジットカードキャッシングよりも低くなる傾向がある点などなど。
加えて家族にバレずに借りやすい…という意味でも消費者金融にメリットがあることでしょう(大手消費者金融まとめ)。
消費者金融を使うのは勇気がいる:
反面、消費者金融と契約してお金を借りるのはなにかと勇気がいるもの。
いくら「消費者金融から借りちゃったほうがお得ですよ」と言っても、なかなか実行に移すのは難しい場合も多いと思うので、すぐに返せる予定があるなら多少金利が高くてもクレジットカードキャッシングで十分かもですね。
- 短期で返せる予定あり:クレジットカードで借入
- しばらく返せる予定なし:消費者金融と契約を
長期で借りるか短期で借りるかで使い分けください。
キャッシングを上手に活用しよう:
ここまでクレジットカードで使えるキャッシングの解説から、その賢い使い方までを解説させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
キャッシングはたしかに借金のイメージが強い機能ですが、活用次第ではピンチを乗り切る手段になりえるもの。
駄目なのはキャッシングを使うことではなく、無知のままキャッシングを常用してしまうことですよ。
- 絶対ダメ:
知識がなく無知なままキャッシングを使ってしまうこと - 問題なし:
正しい知識を得た上で必要な分だけキャッシングすること
以上、クレジットカードのキャッシングを専門家がわかりやすく解説!その手数料、金利、やり方などの基礎知識から、賢いキャッシング方法まで…という話題でした。
参考リンク:
今すぐにお金が必要…というくらいにピンチでないのなら、国や市区町村から低金利でお金を借りられる個人向けの公的融資制度利用も検討してみてください。
正直、手続きは面倒になる可能性大ですが、その分、金利負担が減るなどのメリットがありますよ。