クレジットカード現金化(ショッピング枠の現金化)とは、クレジットカードの買いもの機能を使って現金を手に入れるやり方のこと。
仕組みは非常にカンタンです。
たとえば10万円する商品をクレジットカードで購入し、その場で即、8万円で買い取ってもらえば手元に現金8万円が残るってだけの話。
- 業者指定の商品をカード払いで購入する
- それを即、その業者に買い取ってもらう
- 手元に現金が残る
こんなふうに業者とグルになってショッピング枠を現金化するから、クレジットカードの現金化と呼ばれているわけです。
ただこの現金化ビジネスはもうキッパリと断言しちゃうと、情弱、つまり情報に疎い人しか使わないサービスで間違いなし。理由は後述していきますが、たとえどんなにお金が必要だった場合でも、絶対に使ってはいけません。
ではなぜクレジットカード現金化は使ってはいけないのか?今回はその理由を初心者の方向けにわかりやすく解説してみたいと思います。
これを読んでいただければきっと、もう二度と現金化サービスを使おうとなんて思わないはずですよ。
クレジットカード現金化のデメリットについて:
カード現金化は手数料が異常に高い:
まずクレジットカードの現金化を使ってはいけない最大の理由は、クレジットカード現金化は手数料がとんでもなく高いためです。
これ、ネットでは4~5%しか手数料を取りませんよ…なんて表記をしている業者もありますが、だいたい20~40%ほど取るのが一般的。
業者によっては98.8%還元とか99.2%還元といった見た目の数値を低くしておいて利用者を集めつつ、なんだかんだで事務手数料やらサービス料やらの諸費用を上乗せして結局50%近くに取るところもあります。
- 見た目の手数料が低い業者:別途手数料がかかることも
- ネットを主体にした現金化業者:持ち逃げされることも
これだけで私なら使いません。
ヤミ金の金利のほうが低いくらい:
それに考えてもみてください。ヤ◯ザさんの金貸しであるヤミ金だってトイチです。
トイチとはご存知の方も多いと思いますが、10日たったら利息が10%かかる仕組みのことで、10万円のお金を借りようとするとその場で1万円が抜かれ、9万円を貸してくれるわけです(返済は10万円返す)。
それがクレジットカードの現金化ってなんですか。
10万円の買い物をその場でさせられて、手元に戻してもらえるのが6~8万円程度。
トイチのヤ◯ザさんの何倍も手数料をもっていかれるとか、ボッタクリ以外のなにものでもないですよね。
リボ払いの金利も追加される:
さらにクレジットカード現金化を利用する際は支払いを分割払いやリボ払いに設定するため、その金利負担も別枠で発生。
- 現金化ビジネス:
即日、手数料が20~40%は抜かれる+リボ払い金利負担 - 違法なヤミ金:
トイチなら10日で10%の手数料
これらを合算すると、だいたい40~60%前後の手数料が必要になるんです。
消費者金融は現金化と比較すると超良心的:
対してテレビCMを行っている大手消費者金融からお金を借りた場合はどうなのか、こちらの手数料は1ヶ月借りたとしても1.5%程度。
15%じゃありませんよ、1.5%です。
しかもどの大手消費者金融であってもそれが最大値なので、賢くお金を借りれば月に1%も手数料がかからない場合だってあります。
- 現金化ビジネス:
即日、手数料が15~40%は抜かれる+リボ払い金利の負担あり。 - 大手消費者金融:
1ヶ月借りても1.5%の手数料(1年借りっぱなしでも最大18%程度)。
そう考えると現金化と消費者金融、どっちを利用すべきかなんてもう明白。
仮に私がお金に困ったら、間違いなくアコムやアイフルといった即日融資をしてくれる消費者金融からお金を借りますよ。
そのほうが安心で負担も少ないです。
そもそも現金化自体が違法:
次に、そもそもクレジットカード現金化って手法自体が、クレジットカード会社の規約違反であることも忘れてはいけません。
事実、現在ではクレジットカードの業界団体が中心となって、現金化業者を撲滅しようと動いているほど(下記抜粋)。
クレジットカード会社は、換金を目的とするクレジットカードの利用を認めていません。
このことは、クレジットカード会社とカード会員との約束事である「クレジットカード会員規約」に記載されています。
このようなことは、規約違反として、「残金の一括請求」、「カードの利用停止」、「カードの強制退会」等のペナルティを受けることにもなります。
つまり仮に現金化を利用した場合には、利用規約違反になってあなたのクレジットカードを取り上げられてしまう可能性があるってこと。
結果、リボ払いで支払いを先延ばしできる…なんて思っていたら、一括返済を求められてしまうような事態も覚悟しておいたほうがいいと言えます(一括返済とは、クレジットカードの未払い残高を一度に支払うように求められること)。
業者も怪しいところが多い:
また、そんなカード会社の規約違反にあたる行為を行っているクレジットカード現金化業者には、怪しい業者が多い点も気をつけたいところ。
真偽は不明ですが、2007年の改正貸金業法という法律が施行された影響で商売が出来なくなったヤミ金業者が、仕方なく現金化業者に姿を変えたって話もあるほど。
- 2007年まで:
ヤミ金でもカンタンに貸金業登録ができた&罰則が少なかった - 2007年以降:
大規模な資本金がないと貸金業登録ができなくなった&罰則が強化された
まぁほんと大げさでも何でもなく、現金化業者のほぼすべてがアンダーグラウンドな違法業者だと思って間違いはないのです。
前述の日本クレジット協会にも下記のような注意喚起ありです。
場合によっては、利用者本人が犯罪に問われることやトラブルに巻き込まれることもあります。
現金化業者の逮捕も続出中:
実際、2011年に下記の現金化業者が初摘発されて以来、全国各地で似たような逮捕事例が続出中(2011年時点でのニュース)。
クレジットカードのショッピング枠を現金化する方法で事実上のヤミ金融を営んだとして、警視庁生活経済課は5日、東京都台東区の貴金属販売会社「インフィニティ」の元代表で飲食店経営を出資法違反(高金利、脱法行為)の疑いで逮捕した。
カードの現金化業者を同法違反で逮捕するのは全国初。
そんな違法業者をあなたは使いたいと思いますか?
加えて現金化業者を利用した場合には、現金化の申請時に記入した個人情報やカード情報が悪用されるリスクもお忘れなく。
- 申込時に住所氏名を記入:他の業者に横流し
- 配偶者に内緒で利用:揺すりのネタにされることも
- 運転免許証を提出:あなた名義で勝手に借金なども
後日、現金化サービス利用後に「お金を貸します!」みたいな電話がかかったら、間違いなく不正に個人情報が転売されてる可能性が高いでしょう。
相手は違法業者、一般常識は通用しません。
もう借りられないから現金化を使う場合は?
中には『そうはいってもこれ以上、消費者金融や銀行からお金を借りることが出来ないから現金化業者を利用するんだよ』って人もいるかも…ですが、それでも後述する理由などを踏まえると現金化業者を使うことはおすすめしません。
だったら最終手段とも言える自己破産等の債務整理を選択したほうがまだ身の安全が確保されるので、周りに迷惑をかけることなく健全に、人生のやり直しができますよ(詳しくは下記記事参照)。
闇金や現金化業者に手を付けてからはではもう手遅れです。
よくある質問とその答え:
さらにショッピング枠現金化の理解を深めてもらうために、よくある質問とその答えをQ&A形式で作ってみました。疑問が残っている方はこちらも参考にどうぞ。
Q.ウェブに98%還元って書いてあったけど?
『この記事で現金化業者は手数料を20~40%取るって書いてあったけど、ホームページを見たら98%還元って書いてあるよ。だったら使わない手はないでしょ?』
そう思われる方もいるかも…ですが、それらの98%還元、97%還元といった表記はただのデタラメ。
表の下やその周辺にだいたい「上記は最高還元率です」といった注意書きが小さく書かれているものと思われます。
逮捕された業者を見れば現実がわかる:
論より証拠。
先日逮捕された某現金化業者の公式サイトより、現金化した際の還元率を転載するとこんな感じ。
ご覧のように90%以上の数字が、さも当然のように並んでいるこの表を見ると、「現金化ってキャッシングを使うよりもお得なのでは?」と思ってしまう人がいるのも理解はできます。
しかし、右下に小さい時で「上記は最高換金率の記載です。換金率はご利用条件によって異なります」と書かれている通り、この比率で現金化してもらえる事例はまずないと思ったほうが無難。
実際、この業者も逮捕時のニュースで30~40%の手数料を取っていたことが発覚したほどなので、この手の「おとり表記」に騙されぬようご注意ください(引用元)。
警視庁は同社が2018年3月~21年12月、同様の手口で全国の約5900人に計約23億5000万円を貸し付け、計約9億5000万円の利息を違法に得たとみて調べている。
90%保証なんて真っ赤なウソであることがわかります。
加盟店手数料がある以上、90%台はありえない:
それにみなさんがクレジットカードをお店で利用すると、お店側は「加盟店手数料」と呼ばれる費用を負担しています(わかりやすい仕組みの解説は下記記事参照)。
この費用負担はクレジットカード現金化業者も例外ではなく、たいたい3~10%程度の手数料を負担していると推測されるため、95%以上の現金をみなさんに返すことは理論上不可能なんです*1。
それにも関わらずインターネット上には98.8%還元や99.2%還元の文字が踊っている状況…。常識的に考えれば実現不可能なこの還元率に、みなさんは決して騙されないようにしてくださいね。
違法ビジネスは儲けが大きいからこそ、成り立つビジネスモデルで間違いありません(逮捕リスクがあるのに10万円を現金化して800円しか儲からないビジネスなど、誰もやるはずがない)。
Q.古物商許可があれば問題ないのでは?
『違法業者だから使うなって書いてあるけど、今、使おうとしてる現金化業者は古物商許可番号を取得済みだから問題ないよ。』
そんなふうに思われる方もいるかもしれませんが、古物営業法をまもっていようがいまいが現金化はクレジットカードの規約違反。
カード会社にバレれば没収&一括返済を求められる可能性があります。
自分の個人情報を渡して大丈夫なのか?
また、繰り返しこの記事の中でも書いていますが、どこの馬の骨かもわからない現金化業者に対し、自分の氏名、住所、電話番号、職業等の個人情報を渡すことはかなりのハイリスク。
- 現金化業者に個人情報を渡す:
誰が運営しているかも不明な業者に個人情報を渡すことはかなりのハイリスク - 大手消費者金融に個人情報を渡す:
大手消費者金融は上場企業&大企業なため個人情報の転用はまずありえない
そのまま名簿業者に「お金に困っている人」の情報として転売されれば様々な犯罪に巻き込まれてしまう可能性があるだけでなく、自宅まで怖い人が取り立てにやってくるケースだってあるわけですから、私なら絶対に利用したくないですね。
最悪、闇バイトに応募後に個人情報を握られ、犯罪に加担するしかなかった人たちと同じ道筋をたどることになります。
ショッピング枠の現金化はメリットなし:
ここまで読んでも尚、クレジットカード現金化を利用したいですか?
一般的に消費者金融の利用に対する抵抗感は強いため、『消費者金融を使うくらいなら、現金化のほうが…』と思われる方の気持ちもわかります。
なんか消費者金融って怖いですもんね。
大手消費者金融は法律を守ってる企業:
しかし安心していただきたいのは、プロミスやアコムといった大手消費者金融であれば、金融庁管轄の合法的な大企業。
みなさんがイメージしているような怖いパンチパーマのおじさんが取り立てにくることもなければ、朝から晩まで携帯電話が鳴りっぱなしになることもありません(消費者金融とヤミ金の違いはこちらの記事参照)。
- 大手消費者金融…法律を守ってる業者
- ヤミ金…法律を無視してる違法業者
現金化業者に常識は通じない:
反面、現金化業者はご覧いただいたように違法性も強く、業者自体が逮捕されてしまうこともあるくらいなアンダーグラウンドの世界。
現金化を利用することは違法カジノに出入りするのと同じくらい怖い行為なので、どんな場合も絶対に利用しないようにしてください。
- 法律を守ってる業者:契約内容は守られる
- 法律を守らない業者:契約が反故されることも
違法業者はあなただけでなく、あなたに関係している人間にも取り立てを行うため、あなたの家族&友人の身を護ることにも繋がります。
現金化業者を使うなら自分自身で:
その上で最後にもうひとつ。
どうしてもお金に困って現金化業者を使わなくちゃいけないくらいなら、業者の手を借りず、自分の手でショッピング枠を現金化したほうがよほどマシ。
やり方については詳しく書きませんが、この記事に辿り着けた方であればきっと見つけられると思いますよ。
怪しい業者とは繋がらないのが一番です。
以上、クレジットカード現金化を絶対に使ってはいけない理由!手数料が高い、業者が怪しい、カード規約違反とデメリットしかありません…という話題でした。
こういった記事を通してクレジットカード現金化の実情が1人でも多くの人に伝わりますように!みなさんの家族や知人友人にも、是非、教えてあげてくださいね。
参考リンク:
消費者金融をもっと詳しく知りたい方は、下記記事もあわせてお読みください。
過去のイメージが強いかも…ですが、現在だと大手消費者金融が違法取り立てをしてくることはまずありません。
*1:前述のように現金化ビジネスは違法業者が大半。表向き、別ビジネスを展開して現金化業者だとバレないようにすれば国内カード決済業者と契約できる場合もありますが、だいたいは海外の怪しい決済業者との取引になってしまいがちです(違法業者と契約をする国内カード決済業者は存在しない)。それゆえ、現金化業者が負担する加盟店手数料は一般的な店舗からは想像できないほどの高さとなります。