いきなりですが質問です。みなさんは下記の質問に答えることできますか?(こちらより引用)
100万円を預貯金口座に預け入れました。金利は年率2%だとします。また、この口座には誰もこれ以上お金を預け入れないとします。5年後には口座の残高はいくらになっているでしょうか。つぎの中から正しいものを選んで下さい。
- 110万円より多い
- ちょうど110万円
- 110万円より少ない
- わからない
今回はこのお金に関する問題を通して、日本人の金融知識不足について記事を書いてみたいと思います。
日本人がどれだけ複利を理解しているかについて:
複利と単利の違いを理解していない方が多い:
まず、回答をお伝えする前にすこしだけ解説をすると、銀行口座残高につく金利は単利ではなく複利。
1年目に100万円の2%が利息として入るところまでは誰にとってもわかりやすいものの、2年目以降がちょっと難しく、100万円の2%ではなく利息として増えた2万円の部分にも利息がつくために102万円の2%が入るようになります。
- 1年目:100万円の2%が利息としてもらえる
- 2年目:100万円の2%ではなく、102万円の2%が利息になる
- 3年目:104万400円の2%が利息として貰える
- 4年目以降も同様
結果、金利2%の銀行口座に100万円を入れた場合、5年後には110万ちょうどではなく100万円以上になるというのが正解。
つまり前述の質問では1番目の「110万円より多い」が正解になり、実際には複利で5年間まわすと110万円ではなく110万4,080円になるのですね。
正答率は28.7%:
ちなみに日本人3531人にこの質問を投げかけた時の正答率はなんと28.7%のみ。複利と単利の違いを理解できずに110万円ちょうどと答える人が多かったそうです。
この正答率28.7%という数字は国際的に見ても低い数字のようで、ドイツでは47%、イギリスでは37%が正解しているとのこと。
残念ながら日本人の金融知識は国際的に見ても乏しいと言わざるを得ません(1/3も答えられない状況ですからね…)。
これは2011年に金融広報中央委員会が行った『金融力調査』の質問の一つだ。日本人の回答者3531人のうち正解できたのは、28.7%しかいなかった。
同様の調査がドイツとイギリスで行われているが、ドイツでは47%、イギリスでは37%の人が正解している。
まぁこの質問だけクローズアップされているだけで、他の質問では日本人のほうがドイツ人やイギリス人よりも正答率が高い質問もあるのかもしれませんが、やはりこのくらいの簡単な質問に28.7%しか答えられないのは問題そのもの。
なにせ複利はお金の計算を理解する上での基本ですからね。しっかり理解していないと非常にマズいです。
深読みして不正解な人がいるかもだけど:
『税金を考慮したら110万円を下回るから、質問を深読みすると間違える(利息には税金がかかる)』という意見がありそうなので一応、その点について触れておくと、
- 深読みした人は110万円ちょうどと回答することはない
- この質問の前に1年だけの金利を問う質問がある(1年後にはいくらになっているか?)
- 選択肢が4つしかない4択問題の正答率が28.7%、しかも4番目は「わからない」なので当てずっぽうで正解した人も多い
ということを考えると、やはり複利をよくわかっていない日本人が圧倒的に多いのだと思われます。
金融教育の実施をお願いしたい:
常々、当サイト「クレジットカードの読みもの」上で書いている内容ですが、現状のお金の知識不足を変えるべく、中学校か高校の授業に『金融』というものを1年でいいから新設してほしい思う私。
なにせ複利と単利の違いくらいわかっていないと車のローンや住宅ローンを理解することもできませんし、クレジットカードのリボ払いで苦しめられるような目に合う可能性も大ですからね。
更には金融知識不足がそのまま所有格差につながりかねないので、是非ともお金のカリキュラム強化をお願いしたいなと思います。
以上、金利2%の銀行口座に100万円を入れたら5年後にはいくらになっているか?を答えられる日本人はわずか28.7%だけという調査結果…という話題でした。
参考リンク:
お金や経済に関する知識をもっとつけたいと思う方は、下記記事もあわせてどうぞ。
世の中、お金のことに詳しくなれば周りに大きな差を付けることが出来るようになるので、時間を見つけては知識を吸収してみてください。