大手カフェチェーンのひとつであるドトールコーヒーが、2019年4月19日をもってTポイント加盟店からの脱退を発表しました。
ドトール公式サイトよりの引用です。
Tポイントプログラム終了のお知らせ
日頃は、当社店舗をご利用いただき誠にありがとうございます。この度ご愛顧いただいておりましたTポイントプログラムを、終了させていただくことになりました。
長年ご利用いただき、誠にありがとうございました。
Tポイントの窮地について:
エクセルシオールカフェ等でも終了:
今回、Tポイントの付与が終了するのはドトールコーヒーだけでなく、ドトール系列のカフェチェーンであるエクセルシオールカフェ等でも一緒。
- ドトール:終了
- エクセルシオール:終了
- カフェ・レクセル:終了
- ル・カフェ ドトール:終了
つまりTポイントを管理&運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(通称:CCC)はドトールとエクセルシオールという、業界トップクラスのカフェ2つをTポイント加盟店から失ってしまうことになります。
大手加盟店の脱退が止まらない:
また、先日記事にさせていただいたように、Tポイント加盟店から脱退する流れはなにもドトールコーヒーだけではありません。
大手コンビニであるファミマもTポイントからの脱退 or 他ポイントの併用を模索していると言われていますし、アルペンやスポーツデポについてはすでに楽天ポイントへの乗り換えを決定。
他にも下記のような企業が、Tポイント独占からの路線変更や脱退を検討中…と、大袈裟でもなんでもなく、Tポイント陣営はかつてないほどの窮地に陥っている感じです。
- ファミマ:脱退 or 併用を検討
- アルペン:楽天ポイントへ切替
- すかいらーく:併用を検討中?
- 伊勢丹:2018年に脱退
- ニッセン:脱退
- Yahoo! JAPAN:PayPayに注力か?
このままでは後ろを走っている、楽天ポイントはdポイントに追い抜かれてしまう可能性も高いことでしょう。
CCCの株主であるファミマは株式売却を検討:
Tポイントを運営&管理しているカルチュア・コンビニエンス・クラブが発行している株式のうち、15%分をファミマは保有中。
ただファミマにおいて楽天ポイントやdポイント導入を検討している都合上か、それともTポイント側に愛想をつかしたのかわかりませんが、ファミマではこの株式すべてを売却する意向のようです(情報源はこちら)。
- 現在:ファミマはCCC株の15%を保有
- 今後:ファミマとCCCは業務提携関係に
尚、CCCの35%株主にはソフトバンク&Yahoo! JAPANが存在しますが、こちらの動きも気になるところ。仮にヤフーショッピング等でPayPayを導入するようなことになれば、ソフトバンクも同様にCCC株の売却を検討するかもしれません。
なぜTポイント加盟店から抜けるのか?
ただここで疑問なのは、なぜこれらの企業はTポイント加盟店からの脱退を検討&決定したのかという背景ですよね。
いくらTポイントが個人情報の扱いであれこれ問題を起こしているからといっても、Tポイントカードといえば日本人のほとんどが保有している国民的ポイントプログラム。
下記記事でも紹介しているように、なんと6,000万人もの人が現在進行系でTポイントを貯めている状況があることを考えると、Tポイント加盟店のままでいるメリットも相応にして大きいのではないかと思うのです。
それなのになぜ、CCCとの関係性に波風を立ててまでTポイント陣営から脱退するのか。私にはその理由がわかりませんでした。
ポイント制度についてアンケート実施:
そこでその理由を探るべく、Twitterを使って『将来、ローソンやファミマで、Tポイント、楽天ペイ、dポイント、Pontaの4つが貯められるようになったとしたら、みなさんはどのポイントを選びますか?』という質問をぶつけてみました。
将来、ファミマやローソン等のコンビニで下記4つのポイントが貯まるようになった場合、みなさんはどのポイントを優先して貯めますか?
1つだけお選びください(還元率やキャンペーン等の条件はすべて一緒とする)。
- Tポイント
- 楽天ポイント
- Ponta
- dポイント
理由は単純。
この質問でどのポイント制度が選ばれるかを見れば、今、多くの消費者がどのポイントプログラムに一番魅力を感じているかがわかるためです。
結果は楽天ポイントの圧勝:
気になるその結果は…というと、下記のように楽天ポイントの圧勝という結果に(2,375人によるアンケート結果)。
個人的には楽天ポイントには勝てないまでもTポイントには優位性があると思っていたのですが、これほどまでに楽天ポイントとの格差があるとは思いませんでした(楽天ポイント50%、Tポイント40%、残り10%くらいだと思っていた)。
- 私の予想:楽天ポイントとTポイントは僅差
- 実情:楽天ポイントによる圧勝
また、Tポイントとdポイントの差がわずか…というのも注目すべき点。このままだと近いうちに、dポイントに追い抜かれてしまうこともありえる話でしょう。
Tポイント導入のメリットが乏しく:
少し話がそれましたが、本題に戻ります。
これらのアンケート結果から考えると、現在、大手企業の多くがTポイント加盟店から脱退しようとしている流れは必然そのものですよね。
なにせTポイントの優位性が薄れてしまった今、Tポイント加盟店でいるよりも楽天ポイント加盟店になったほうが顧客満足度が高められることは明らかだから。
- Tポイント加盟店になること:顧客があまり魅力を感じない
- 楽天ポイント加盟店になること:顧客が魅力的に感じる
わざわざTポイントのみと提携をし続ける理由がないのです。
結果、Tポイント加盟店から脱退をする選択を取ったり、楽天ポイントやdポイント等との併用を検討しはじめている企業が増えた…というのがここのところの動きなのではないでしょうか。
もはやTポイント加盟店にさえなっておけば、集客できる時代ではない…ということでもあります。
楽天と提携をするメリットは他にも:
ビックカメラやアルペングループの事例を見てみると、楽天と提携して楽天ポイントを導入するメリットには、自社通販サイトの強化が出来るという魅力もありそうな感じ。
反面、Tポイントを導入してもTポイントを貯めているお客さんを惹きつけるくらいの魅力しかないので、そういった面でもTポイントならではの強みが無くなってきてしまっているのかもしれません。
- Tポイント加盟店になること:集客効果のみ
- 楽天ポイント加盟店になること:集客効果&通販強化など多岐にわたるメリットがある
なかなか厳しいです、Tポイント。
そんな中、TSUTAYAのポイント改悪:
ここまで解説させていただいたように、かつてTポイントは圧倒的なシェアと優位性を誇る共通ポイントサービスでしたが、現在では追いかけてきている楽天ポイントやdポイントなどの2位グループに飲み込まれつつあるTポイント陣営。
それにも関わらず、つい先日もTSUTAYAにおけるTポイントの付与ルールを改悪するなど、ますます魅力が乏しいポイント制度になっていってしまってる気がします(引用はこちら)。
2019年4月1日(月)より、TSUTAYAで貯まるTポイントのうち、ボーナスポイントを期間固定Tポイント(TSUTAYA店舗限定)に変更させていただきます。
まぁ…TSUTAYAのフランチャイズオーナーからTポイント負担が重たいって苦情を受けたんでしょうけどね(苦笑)
TSUTAYAの経営が苦しいからこそ、Tポイントの魅力を薄れさせてしまっては元も子もないように思うので、ここだけは踏ん張ってほしかった点かなと個人的には思います。
この流れはカンタンには変わらない:
さてさて、どうなることやら…ですが、この先、Amazonと提携をするなどのウルトラCでも実現させない限りは、楽天ポイント加盟店が増え、Tポイント加盟店が削られていく流れは止められないのかも。
良くも悪くも、日本は楽天経済圏に飲み込まれていくこととなりそうです(楽天ポイントの貯め方は下記記事参照)。
以上、Tポイント脱退の流れが止まらない!大手カフェチェーンのドトールが、2019年4月19日付けでTポイントプログラムの終了を発表…という話題でした。
参考リンク:
Tポイントの仕組みの中で、個人的に一番嫌だなぁ…と思うのが、この記事内でも登場した期間固定Tポイントの扱いについて。
楽天ポイントの場合ではコンビニやファミレスでも有効期限ありのボーナスポイントを利用できるのに対し、TポイントだとYahoo!関連サービスでしか使えないのが大きなネックだと思ってます。
この辺の使いにくさと、ファミマにおける還元率の低さがTポイント離れを起こしてしまっている可能性が高いので、早めの改善を願うばかりです(Tポイントが貯まるカードは下記記事を参考に)。