今回は2024年現在、日本国内でどのくらいのクレジットカードが発行&利用されているのかといった統計データをまとめてみたいと思います。
だいだいどのくらいの人がクレジットカードを保有しているものなの?といった疑問をお持ちの方は是非、お読みください。
国内のクレジットカード発行枚数:
カード発行枚数は約3億枚:
まず、日本国内で発行されているクレジットカードの総枚数は現時点で約3億枚。
2022年3月末、ついに発行枚数が3億枚を突破しました(日本クレジット協会より引用)。
調査した年 | 発行枚数 | 前年比 |
---|---|---|
2022年末 | 3億101万枚 | +1.9% |
2021年末 | 2億9,531万枚 | +0.8% |
2020年末 | 2億9,296万枚 | +3.2% |
2019年末 | 2億8,394万枚 | +2.0% |
2018年末 | 2億7,827万枚 | +2.3% |
2017年末 | 2億7,201万枚 | +2.3% |
2016年末 | 2億6,600万枚 | +2.7% |
2015年末 | 2億5,890万枚 | -3.1% |
2014年末 | 2億6,722万枚 | +2.9% |
2013年末 | 2億5,979万枚 | -0.2% |
2012年末 | 2億6,027万枚 | -3.8% |
2011年末 | 2億7,068万枚 | -1.2% |
2010年末 | 2億7,405万枚 | +0.5% |
2009年末 | 2億7,261万枚 | +3.0% |
意外と多く発行されてるんだなぁ、そう思った方も多いのではないでしょうか?
数字としては伸び悩み:
そんな3億枚以上が発行されているクレジットカードですが、近年はやや発行枚数が伸び悩み。
ここ5年程度は増加傾向が強まってはいるものの、2010年頃の数字と比較してみるとあまり発行枚数が増えていないことがわかります。
この背景には日本人の人口そのものが減少していることもありそうですが、それよりSuicaやWAONといった電子マネー、そしてPayPayやd払いといったスマホ決済の普及のほうが大きいのかも。
- 影響は小さい:人口そのものの減少(将来的には大きくなる)
- 影響が大きい:電子マネーやスマホ決済の普及
そして今後もクレジットカードが必要不可欠な状況は薄れていく可能性大なので、急激な発行枚数の伸びは期待できないものと思われます。
人口1人あたりの保有枚数について:
続いて日本国内で発行されているクレジットカード枚数を日本人の人口で割り、1人あたりの保有枚数を算出してみる2.36枚という結果に。
ただこの数字はクレジットカードを作れない未成年を含む数字となってしまうため、20歳以上の成人人口で算出した1成人あたり2.81枚という数値のほうが実数に近いものかもですね(人口に関する統計データ)。
- 日本の総人口:1億2,505万人
- 20歳未満の人口:2,017万人
- 20歳以上の人口:1億485万人
※クレジットカードを実際に作れる年齢は18歳なので、20歳以上の人口で算出した数値はやや過大になってしまっている可能性があります(人口統計から18歳以上のみの人口を算出するのが不可能だった)。
高齢者は保有していない:
尚、いくらクレジットカードが自由に作れるといっても80代、90代といった後期高齢者にはクレジットカード保有者は少ないため、労働人口におけるクレジットカード保有率を算出すればさらに1人あたりの保有数はさらに増える可能性大。
そのあたりの『すでにカードを持ってる人の平均保有枚数』についてはこの記事の後半で紹介させていただくので、ここでは成人1人あたりの保有枚数を認識してもらえればOKです。
家族カードや法人カードの発行枚数:
参考までに家族カードや法人カードの発行枚数も紹介。
これらの数値は前述のクレジットカード発行枚数に含まれている数字なので、さらにクレジットカード発行枚数が増えるのか…と勘違いしないよう、お願いします(本カード+家族カード+法人カードの発行枚数が前述の数値)。
調査した年 | 家族カード | 法人カード |
---|---|---|
2022年末 | 2,378万枚 | 1,145万枚 |
2021年末 | 2,355万枚 | 1,091万枚 |
2020年末 | 2,290万枚 | 1,037万枚 |
2019年末 | 2,165万枚 | 1,002万枚 |
2018年末 | 1,997万枚 | 1,002万枚 |
2017年末 | 1,893万枚 | 923万枚 |
2016年末 | 1,794万枚 | 888万枚 |
2015年末 | 1,746万枚 | 874万枚 |
こう見るとお得に使えるはずの家族カードって案外、発行されていないもんなんだなぁ…と思わされますね。
なぜお得かについては下記記事を参考にどうぞ。
クレジットカードの発行枚数は修正された:
ちなみに。
ここまでを読んで、『あれ、日本国内のクレジットカード発行枚数って3億枚を軽く超えてなかったっけ?』と思われた方は詳しい方ですね。
実は2013年の統計データまで、日本国内のカード発行枚数はだいだい3.2億枚と言われていました。
しかし、どうやらその数字はJCBカードの発行枚数が重複計上されていた数字だったようで、2015年に統計方法を訂正&刷新。
過去の(一社)日本クレジット協会の調査結果に基づく統計の訂正
これまで当協会が発刊してきた「日本の消費者信用統計」にて掲載していた「クレジットカード信用供与額(推計値)」「クレジットカード発行枚数・会員契約数」については、一部調査対象事業者において報告すべき数値の解釈に誤解があり、その結果、過大な数値にて公表しておりました。
このため、当該数値については、平成26年12月26日付で過去に遡り訂正しております。
業界団体としては「解釈に誤解」という表現による修正となっていますが、実情はあえて多めに計上していたのではないか。
そんな疑惑もあるくらいです(産経新聞の記事より引用)。
ある業界関係者は、今回の統計修正の背景について、某大手クレジットカード会社が数値を二重計上し、数値を水増しした可能性を指摘する。「発行枚数や利用金額はカード会社の勢力図の象徴。顧客がメーンカードとして使っているかわかってしまう」ためだ。
(中略)
カードの発行枚数と取引額は、新規顧客や加盟店の獲得、提携先拡大などを左右する指標ともいわれ、業績に直結しかねない“生命線”。
インターネットでの買い物が浸透し、カードでの支払いが広がる中、カード業界は銀行系、流通系、自動車系など競争は熾烈を極めており、今回の統計訂正はカード会社の競争激化が背景にありそうだ。
まぁ真相は内部の人間にしかわかりませんが、ひとつ言えるのはさすがに最新の統計データについては「実数」が記載されているはず。
安心して参考にしてもらえればな…と思います。
クレジットカードの年間利用額推移:
3億枚近く発行されているクレジットカードが年間どのくらい使われているのかについては下記の通り(日本クレジット協会より引用)。
年 | 金額 | 前年比 |
---|---|---|
2022年 | 93兆7,926億円 | 15.8%増 |
2021年 | 81兆0,173億円 | 8.8%増 |
2020年 | 74兆4,576億円 | 1.4%増 |
2019年 | 73兆4,311億円 | 9.4%増 |
2018年 | 66兆6,877億円 | 12.4%増 |
2017年 | 58兆3,711億円 | 10.1%増 |
2016年 | 53兆9,265億円 | 8.0%増 |
2015年 | 49兆8,341億円 | 8.2%増 |
2014年 | 46兆2,663億円 | 7.4%増 |
今や年間90兆円以上も支払いがクレジットカード経由であることを考えると、クレジットカードがいかに生活に根ざしているかがわかってもらえることでしょう。
2020年には新型コロナウイルスの流行で伸び悩みましたが、今後も決済金額は右肩あがりで伸びていく可能性大です。
Suicaの発行枚数は右肩あがり:
クレジットカードの発行枚数は緩やかな右肩あがり…ですが、電車やバスに乗れるSuicaの発行枚数はそれよりも勢いのある右肩あがり。
2021年9月時点で8,759万枚も発行されている状況があるため、このあたりの伸び率がクレジットカード需要とカニバリゼーション(業界内のパイの取り合い)を起こしてる可能性は高そうです。
クレジットカードの保有率:
次に日本人はどのくらいクレジットカードを保有しているのか…といった比率についてまとめていきます(JCBの2019年統計データより引用&転載)。
すでにクレジットカードを持っている方はもちろん、まだ持っていない方にも面白いデータとなると思うのでご覧ください。
日本人のカード保有率について:
まず、日本人のクレジットカード保有率はだいたい84~85%程度。
この数字は過去5年に渡りあまり変化がないところをみると、実数としてもだいたいこのくらいの方がクレジットカードを保有しているとみて間違いなさそうです。
逆にいうと、クレジットカードを持っていない成人男女は15%くらいしかいないということに。
- クレカを持ってる人:だいたい85%
- クレカを持ってない人:だいだい15%
そのため、仮にこの記事を読んでいるあなたがクレジットカードを持っていないとしたら、世の中的にはかなりの少数派となります。
男女別や年代別のカード保有率:
続いて男女別&年代別のクレジットカード保有率については下記の通り。
ちょっと意外に感じる方もいるかもしれませんが、キャッシュレス決済とはやや縁が遠いように感じられる50代、60代ほどクレジットカード保有率は高く、逆にキャッシュレス決済を気軽に使ってそうな20代ほど低いという結果になっています。
- イメージ:年配者ほど現金払い
- 実際には:年配者ほどカード保有率が高い
この背景にはPayPayやSuicaといった代替えとなる決済手段が普及した影響もあるでしょうが、10年前に実施されたJCBの統計結果でも同様の傾向があることを考えると、大多数の人は就職、出世、結婚をしていく過程でクレジットカードを申し込むことが多いのかもしれませんね。
要は若いうちからクレジットカードを持つ必要性って、カード保有者が思うよりも低いのでしょう。
保有率が高い=利用率が高いではない:
この際、注意点がひとつ。
年代があがるにつれて比率が高まるクレジットカード保有率ですが、この数字はあくまでクレジットカードを保有しているかどうかの比率です。
保有率が高い=利用率が高いとは限らないので、そのあたりを勘違いしないようにしてもらえればと思います。
地域別のクレジットカード保有率:
男女別&年代別のクレジットカード保有率だけでなく、首都圏や近畿圏といった地域別のクレジットカード保有率も存在します。
これらの数値の中で注目すべきは九州圏の低い保有率…ですが、2018年の調査ではここまで低い数字ではなかったことを考えると、地域性は調査数の少なさによるブレが大きそうな感じ(下記は地域ごとの保有率をざっくりまとめ)。
- 北海道:低めな傾向あり
- 東北:やや低めな傾向あり
- 首都圏:高めな傾向あり
- 甲信越&北陸:やや低めな傾向あり
- 東海圏:高めな傾向あり
- 近畿圏:高めな傾向あり
- 中国&四国:やや低めな傾向あり
- 九州圏:低めな傾向あり
ただどの年度のデータを見ても人口が多い都市部ほど保有率が高く、地方に行くほどに落ちる傾向はあるので、地域ごとの裕福度がそのまま保有率に反映されていると見たほうが良いのかもしれません。
クレジットカードの平均保有枚数:
クレジットカード保有者1人あたり何枚のクレジットカードを保有しているのか…というデータは下記の通り。
前述の人口をもとにした試算では1人あたり2.7枚の保有でしたが、あちらはクレジットカードを1枚も持っていない人を含めた人数で割り出した保有枚数。
こちらの3.0枚という数字はクレジットカード保有者が持っている平均枚数となるので、間違わないようにしてもらえればと思います。
男女別&年代別の平均保有枚数:
男女別&年代別のクレジットカード保有枚数も統計データとして存在。
こちらもクレジットカードの保有率と傾向はまったく一緒で、20代ほど保有枚数は低く、50代、60代と年代があがっていくにつれて保有枚数が増える傾向あり。
ほんと面白いくらいにキレイな階段になっているので、年配の方、中でも年配の男性ほどクレジットカードを多く持っているのは間違いないでしょう。
カードをもともと保有していた人も多い:
クレジットカードを現時点で保有していない約15%の方の中には、もともとクレジットカードを保有していたけど解約をした方や、作ったにも関わらず没収されてしまった方が存在します(下記のような事例で没収となった方)。
- カード代金の返済をしなかった
- 自己破産などの債務整理をした
- 現金化の利用など規約違反による没収
こういった方を含めると、生まれてから一度もクレジットカードを持ったことがない方はもっと少ないのかも。特に保有率が高い50代、60代ともなれば、全体の数%程度と推測されます。
よくある質問とその答え:
ここで疑問がまだ残っている方のために、よくある質問とその答えをQ&A形式で作っておきます。
Q.Visaカードの発行枚数や保有率は?
私はクレジットカードの発行枚数や保有率じゃなくて、Visaカードに関するそれらの統計データを知りたいんだけど?
そんな疑問をお持ちの方もいるかもですが、日本国内のみに絞ったVisaカードの統計データは基本的に存在しません(海外を含めた世界シェアはNILSON Report等で確認可能)。
同様にVisa、Mastercard、JCBの国内シェアについても統計データの存在はなし。
ちょっと古いデータとしてSTORES決済(旧:Coiney)が実施したものがありますが、統計そのものが古い&母数そのものが少ないのでデータとしては微妙です。
三井住友カードの統計データは取得可能:
尚、三井住友カード=Visaカードだと勘違いしている方であれば、三井住友カード自体が発行枚数を開示しているのでそちらを参照に。
ただこちらの数値は三井住友カード発行のクレジットカードだけでなく、グループ企業であるセディナブランドのクレジットカード発行枚数も含められた数値のため、その点はご了承ください。
三井住友カードについて詳しくは下記記事も参考にどうぞ。
Q.カード発行会社ごとの国内シェアは?
楽天カードや三井住友カードといったクレジットカード発行会社ごとの国内シェアを知りたい方は、大手カード会社のクレディセゾンが作った株主向けの資料がおすすめ。
こちらはカード発行枚数による比率ではなく、クレジットカードのショッピング利用に基づいた統計データとなりますが、日本国内の情勢が一瞬にしてよくわかる素晴らしい円グラフになっているのではないでしょうか?(2018年のデータなので少し古いです)
ざっくり解説すると、三井住友フィナンシャルグループが三井住友カードやセディナ等、三菱UFJフィナンシャルグループが三菱UFJニコス等となります。
国内シェアNo.1になった楽天カード:
そんなクレジットカードの国内シェアですが、現時点でのNo.1カード会社は楽天カードです。
こう書くと『おいおい、三井住友フィナンシャルグループの14.3%という比率のほうが楽天カードの13.0%よりも上じゃないのか?』と思われるかもしれませんが、前述のように三井住友フィナンシャルグループの数値は三井住友カードにセディナを加えた数字。
それゆえ、クレジットカード会社単体だと楽天カードがついに日本一のカード発行会社になったのは間違いありません(最新数値は下記の楽天カード解説記事にて)。
Q.年間で新規発行されるカード枚数は?
年間を通してどのくらいのクレジットカードが申し込みされ、どのくらい新規発行されているのかは下記表の通り(引用はこちら)。
真ん中の「カード申込件数」がクレジットカードを申し込みされた件数で、右側の「カード発行数」が無事、入会審査を通過して発行された枚数となります。
対象年 | カード申込件数 | カード発行数 |
---|---|---|
2022年 | 3,587万件 | 2,699万枚 |
2021年 | 3,141万件 | 2,363万枚 |
2020年 | 2,799万件 | 2,067万枚 |
2019年 | 3,362万件 | 2,559万枚 |
2018年 | 3,109万件 | 2,361万枚 |
2017年 | 3,066万件 | 2,328万枚 |
2016年 | 3,023万件 | 2,317万枚 |
2016年 | 2,923万件 | 2,250万枚 |
こう見ると、結構多くのクレジットカードが申し込みされてるんだなぁ…ということがわかりますね。
1日あたり10万件近くの申し込みがあるとか、ほんと凄い世界です。
キャッシュレス派のほうがお金が貯まりやすい?
クレジットカードを持つと使いすぎてしまいそうで…。
そんな不安をカードに対して持っている方も多いのですが、JCBが実施した統計調査によると、キャッシュレス派のほうが現金派よりも貯金が増えた結果になったとのこと(JCBによる2018年時点でのデータ)。
-
現金派の貯蓄金額:年間32.5万円
-
キャッシュレス派の貯蓄金額:年間87.6万円
とはいえ、この辺については鶏が先か卵が先かと一緒で、そもそもお金に余裕があるからクレジットカードを使っているのか、それともクレジットカードを使っているからお金に余裕ができたのかはやや微妙なところ。
あくまでそういう傾向にあると覚えておけば大丈夫そうです。
なんだかんだで持ってるクレカ:
ここまでクレジットカードの総発行枚数や保有率に関連するデータを紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
このように日本人のほとんどがなんだかんでクレカを保有している状況があるので、まだ1枚もクレジットカードを持っていないという方は是非、この機会にカード作成を検討ください。
下記記事ではクレジットカードの専門家がおすすめする厳選カードを紹介していますよ(作成時の注意点などもわかりやすく解説)。
以上、2024年現在のクレジットカード保有率はどのくらい?あわせて男女別や年代別のカード保有率など、発行枚数に関する統計データも紹介…という話題でした。
参考リンク:
この機会にクレジットカードについて詳しく知りたい方は下記ページも参考に。年会費や支払い方法など、クレジットカードの基礎知識をわかりやすく解説中です。