VisaカードやJCBカードといったクレジットカードから、Suicaに楽天Edyといった電子マネーに加え、最近ではPayPayやd払いといったスマホ決済まで利用可能になってきた大手コンビニ。
そんな多彩な支払い方法が使えるにも関わらず、コンビニ大手のファミマでは現金決済比率は2019年時点で80%前後あるんですよね(こちら記事を参照)。
- 現金払いの比率:約80%
- クレジットカードや電子マネー等の比率:20%
店舗では、クレジットカード、各種電子マネー、「uniko」や「Tマネー」といったプリペイドカードなどでの支払いが可能だ。電子マネーについては、「Suica」・「WAON」にいち早く対応した実績がある。
現状、ファミリーマートの非現金決済比率は約20%だが、「政府は2025年までのキャッシュレス化比率40%を目標に掲げているので、さらに高めていきたい」と堀尾氏は意気込みを見せる。
要するにクレジットカードや電子マネーをコンビニで使う人は少数派で、5人に4人は現金で支払っているようなんですが、なぜ皆さん、これほどまでに現金払いを使うのでしょうか。
ちょっと疑問に思いませんか?
そこで今回は「人はなぜコンビニで現金払いするのか」を詳しく調べてみました。私同様、現金払いをする理由が気になっている方は参考にどうぞ(※データが少し古くなりつつありますが、店頭では未だに現金払いが主流なので参考にどうぞ)。
カード保有中でも現金払いを使う理由:
クレジットカードを保有している人は多い:
まず、コンビニで現金払いをしている人は、クレジットカードや電子マネーを保有していない人なのか…というと、これはもちろんNO。
日本人のクレジットカード保有率は、大手カード会社であるJCBカードによる調査でもわかるとおり、だいたい85%前後はいると言われているので、コンビニで現金払いをしている人もクレジットカードを持っていることがわかります(画像の転載はこちらから)。
- 間違い:クレジットカードを持ってないから現金払いしてる
- 正解:クレジットカードを持っているけど現金払いしている
つまりコンビニで現金で払っている人は、なんらかの理由や意思があってクレジットカードを使っていない可能性が高いのです。
Twitterでアンケートを実施してみた:
ではなぜ、クレジットカードを持っているにも関わらず現金で支払いしているのか?
個人的にも非常に興味があったので、旧Twitter上で『クレジットカードを持っているにも関わらず、コンビニで現金払いをしている理由はなぜですか?』というアンケートを2日間かけて実施してみました。
※おかげさまで1,730名もの方に回答をいただくことが出来たので、それなりに信頼性の高いアンケート結果になったように思います。ご協力、ほんとうにありがとうございます。
コンビニでカードを使わない理由はこれ:
気になるその結果は下記の通り。
- 44%:少額決済でカードを使うのに抵抗がある
- 25%:今月使った金額がわかりにくい(後払いが嫌を含む)
- 22%:現金払いのほうが早いから
- 9%:過去にコンビニでカードを使ったことがないので
旧Twitterアンケートの特性上、残念ながら4つ以上の選択肢を用意することができませんでしたが、どうやら多くの方が「少額決済でクレジットカードを使うのに抵抗がある」と考えている模様です。
加えて、そもそもクレジットカードをあまり使いたくない理由で現金払いをしている方も25%ほど存在。
現金払いのほうがカード払いよりも早いから…という理由とともに、多くの投票を集めました。
他にもカードを使わない理由あり:
この他にも下記のような理由でクレジットカードを使いたくない方が存在(当該ツイートへの返信でもらった意見)。
- 無駄遣いの防止
- 小遣いが現金のため
- 店員にカードを渡したくないから
無駄遣いの防止については、クレジットカードだとついつい色々と購入しちゃうから…というアレですね。確かにお金を使っている感覚が希薄になりやすいカード払いは、浪費癖のある人にとって大敵なのでこの理由はわかります。
あとは店員に保有クレジットカードを渡すことに抵抗感がある方、お小遣いが現金なのでカードがそもそも使えない方などなど、いろんな意見をいただきましたが、どれも主流な意見という感じではありませんでした(返信内容を見たい方はこちら)。
やはりコンビニでカード払いを使えない理由は、少額決済でクレジットカードを出すのはちょっとなぁ…そんな心理的な面が大きいようです。
少額決済におけるカード利用について:
ちなみに。
今回の結果だけでなく、少額決済でクレジットカードを利用したくない方が多いことを裏付ける統計データは他にも多数存在。
日本銀行による「キャッシュレス決済の現状」でも、ちょっとわかりにくいグラフになっていますが、少額決済は現金払いが主流であることがわかります(数値は知るぽるとより)。
少額の決済では現金を、高額の決済ではクレジットカードを選択する傾向がみられる。
20代を対象とした統計でも類似性あり:
同様に20代向けに取られた2017年時点の統計でも、少額決済にクレジットカードが使われていない現状あり(転載はこちらから)。
全回答者(1,000名)に、様々な金額の買い物について、どの支払い手段を選ぶか聞いたところ、小さな金額の買い物では「現金」、大きな買い物の金額では「キャッシュレス」(「電子マネー」、「クレジットカード」、「デビットカード」の合計)が多くなる傾向がみられました。
まぁ見事なまでに支払い金額の上昇とともに、現金払いの比率が下がっていくことが見て取れます。
現状維持バイアスも大きいと思われる:
コンビニで現金払いが使われている隠れた理由には、昔から現金払いを使ってきたから…というものがあると思っている私。
いわゆる現状維持バイアスと呼ばれるもので、特に現状に不満を感じていないのだからわざわざ現金払いをやめてカードを使うこともない、そんな心理的な気持ちが大きいのではないでしょうか。
確かにコンビニでカードを出して、『カード払いでお願いします!』と伝えるのは大きな変化なので、なかなか切り替えができないその気持ちもわかるような気がします(でもカード払いをすればポイントが貯まるなど、メリットも多い)。
少額決済でもカードを使ってOK:
ここまで解説させていただいたように、クレジットカードを持っているにも関わらずコンビニで現金払いをしている理由は、少額決済だとカードが使いにくいから…というもの。
ただそれじゃ私たち消費者が感じている申し訳なさのようなものについて、企業側でも同様に『100円の支払いでクレジットカードを使ってんじゃねぇよ』って思ってるのかといえばそんなことはなく、冒頭で紹介した通り、コンビニに限っていえば『100円の支払いでもクレジットカードや電子マネーを使ってほしい』と考えているんですよね。
- カード保有者側の心境:少額でカード払いを使うのは申し訳ない
- コンビニ側の心境:少額でもカード払いをしてほしい
むしろ現金払いをして欲しくない、そんなふうに思っている可能性のほうが高いくらい。
そうじゃなかったらキャッシュレス決済の比率を高めようとも思いませんし、クレジットカードや電子マネー決済の導入に積極的であるはずもありません(事実、ローソンやファミマ等の主要コンビニではキャッシュレス決済比率を高めようとしている)。
コンビニのカード払いはかなり早い:
それに誤解している方も多いのですが、コンビニエンスストアにおけるクレジットカード決済は超早いです。
さすがにSuica、PASMO、Edyといった電子マネーほどの速度はないですけど、それでも現金払いより早いのは間違いなし。
- 電子マネー:超早い
- クレジットカード:かなり早い
- 現金払い:お金のやり取りに時間がかかる
だいたい遅くても10秒くらいあれば完了してしまいます。
コンビニではサインや暗証番号不要:
こう書くと、『いやいや、コンビニでクレジットカードなんて使ったら、サインやら暗証番号入力やらで時間がかかるだろ!列に並んで待ってる後ろの人にも迷惑だよ!』と思われる方もいるかも…ですが、コンビニでのカード決済は基本的にサインレス。
原則1万円未満の支払いについてはサイン等を求められることはないので、まるで電子マネーのようなスムーズな支払いが可能です(ファミマは4,000円未満でサインレス)。
もちろんこれはコンビニに限った話。
他の小売店や飲食店だとサインや暗証番号入力が必要になり、その分、現金払いよりも支払いが遅くなってしまう可能性はありますが、少なくともコンビニではそんなことはないので安心してください。
是非、お店のため&列に並んでいる後ろの人のためにも、VisaカードやJCBカードといったクレジットカードを使ってもらえればな…と思います。
以上、なぜコンビニで現金払いをするのか?財布の中にクレジットカードがあるのに現金で支払う理由を、Twitterで質問してみた結果とは…という話題でした。
参考リンク:
『そうはいってもクレジットカードなんてお店で使ったら、お店側に加盟店手数料を払わせちゃうんじゃない?』
そう思った方は下記記事も参考に。
お店側としては高額紙幣や釣り銭を扱うのもコストなので、現在ではクレジットカードや電子マネー利用を積極的に推奨している背景がありますよ(手数料を払うよりも現金を扱うコストのほうが割高になってしまっているということ)。