『お得さが一緒なら、みなさんはクレジットカード、電子マネー、スマホ決済のどれを使うのか?』
この点がちょっと気になったので、今回はTwitterのアンケート機能を利用して下記アンケートを実施してみました(※2020年7月に実施した結果)。
質問です。
仮にクレジットカード、SuicaやWAON等の電子マネー、PayPayやd払い等のスマホ決済の3つのお得さがどれも変わらない場合、みなさんはお店でどの支払い手段を使いますか?
- クレジットカード
- 電子マネー
- スマホ決済
教えてください。
※iDやQUICPayはクレカに含めることにする
結果に興味がある方は是非、ご覧ください。回答に協力してくれた1,945名の方に感謝です。
スマホ決済に対する需要について:
スマホ決済の需要はやはり少ない:
クレジットカード、電子マネー、スマホ決済の3つのうち、どの支払手段が支持されているのか、気になるその結果は下記の通り。
- クレジットカード派:49.0%
- 電子マネー派:33.0%
- スマホ決済派:18.0%
ご覧のようにクレジットカードを選んだ方が圧倒的に多く、ついで電子マネー、スマホ決済という順となりました(※性質上、QUICPayやiDの後払い型電子マネーはクレジットカードと定義付けしましたが、QUICPayやiD利用者の中には間違って電子マネーに投票した方も多かったようです)。
全体の1/5以下の支持率に:
まぁこの結果を見るまでもなく、スマホ決済の需要がそこまで多くないことを感じていた方は多いと思いますが、それでも全体の1/5以下である18%は予想外だったはず。
つまりスマホ決済がこの先も生き残るためにはクレジットカードや電子マネーよりもお得さを強化していくしかないので、PayPayにしろau Payにしろ、決済業者が黒字化していく道筋はなかなか見えてこないのかもしれません。
- キャンペーン無し:クレカや電子マネーに負ける
- キャンペーン有り:クレカや電子マネーに対抗可能
シェアを確保し続けたいなら、アクセルを緩めるわけにはいかないのです(お得さが同一ならスマホ決済を利用する人が少ないってこと)。
陰りが見えるスマホ決済:
それを裏付けるデータが日経新聞の記事に存在します。
外出自粛を受けた巣ごもり消費の拡大で、スマートフォン決済に逆風が吹いている。
5月の日用品の支払額データを分析したところ、クレジットカードの利用が36%と最多だった。店頭でかざして使うことが多いスマホ決済は7%にとどまった。対面決済での利用機会が減っているためだ。
記事によると新型コロナの外出自粛によってスマートフォン決済の利用が減っている…とありますが、詳しく記事を読むと同じく対面決済が主流の電子マネー需要は増加しているとのこと。
「ペイペイ」や「LINEペイ」などQRやバーコードを読み取るタイプのスマホ決済のシェアは0.1ポイント減の7.4%だった。
Suica(スイカ)など電子マネーの利用額のシェアは0.8ポイント増えて18.4%となった。支払時にスマホを操作する必要がなくタッチするだけで支払えるため、QRコードの決済などと比べると堅調だった。
その理由として日経新聞では「支払い時にスマホを操作する必要がない」と結論付けられていますが、これってやや苦しい説明ですよね(苦笑)
確かにSuicaのみでいえばその可能性は否定できませんが、iDやQUICPayなどはスマホ操作が必要になることのほうが多いので、原因の理由付けとしてはやや弱い。
- Suica…スマホ操作が確かに不要
- iD…スマホ操作が必要なことが多い
- QUICPay…スマホ操作が必要なことが多い
なによりスマホ決済の需要減は対面決済の縮小が原因としているのに、電子マネーの需要増は対面決済時にスマホ操作が不要だからでは辻褄があわないように思います。
ポイント還元率が低下したスマホ決済:
ではなぜスマホ決済の需要が伸び悩んでいるのか?
その背景には主要スマホ決済として人気のPayPayやLINE Payのポイント還元率が、2020年に改悪されたことがあると思う私。
- 過去:スマホ決済は非常にお得
- 現在:スマホ決済はクレカと同程度にお得
要するにスマホ決済を使った時のお得度がクレカ並かそれ以下に改悪されてしまった結果、わざわざスマホ決済を使う理由がなくなった…と考えるのが妥当なような気がします。
まぁ見事なまでに、前述のアンケート結果を裏付ける結果といえることでしょう。
ひっそりと発表されたYahoo!スコアの終了:
PayPayがアリペイの成功モデルを模倣するのであれば、今後、ビジネスの肝になってくるのが信用スコアの運用になると思っていたのですが、Yahoo!の信用スコア事業である「Yahoo!スコア」は2020年8月31日をもってサービス終了(信用スコア事業とは決済サービス等の利用歴から信用度を算出し、そのスコアを元に提携企業に対して会員を紹介して稼ぐビジネスモデル)。
まぁPayPay独自の信用スコア事業を別途はじめる可能性もゼロではないですけれども、個人情報の売買に厳しい日本ではなかなか信用スコアを元にしたビジネスモデル構築は難しいのかもしれませんね。
この辺からもPayPayの先行きは厳しいなぁ…と思うばかりです。
アメリカからの黒船も襲来予定:
こんな感じで暗雲が立ち込みはじめたPayPayやLINE Pay等のスマホ決済ですが、さらに追い打ちをかけるべく、アメリカから新しい黒船が到来。
それがAppleがはじめた新サービスApp Clipsです(アップルより引用)。
App Clipはアプリの一部をコンパクトにしたもので、必要なときに簡単に見つけることができ、完全版のアプリをインストールしていなくても、ユーザーはアプリのタスクをすばやく実行できます。
レストランのテイクアウト注文、自転車のレンタル、スマート家電の初期設定など、ユーザーはApp Clipを起動して、すばやくタスクを実行し、完了することができます。
タスクの完了後に、完全版のアプリをApp Storeからダウンロードするようユーザーに促すことも可能です。
App Clipsが普及れば中小規模のお店でもApple Payに対応しやすくなるだけでなく、ミニアプリがダウンロードされることで持ち歩くのが煩わしい会員証やポイントカード機能をスマホに取り込めるため、お店&お客双方にとってメリット有り。
- お店:
安価でApple Payの導入可能&お店からのお得な情報発信が楽に - お客:
別サービスを利用することなくiPhoneでそのまま支払い可能&会員証やポイントカードの持ち歩きが不要に
しかもApp Clips経由で配信されるミニアプリは一定期間利用がないと自動的に削除される仕組みとなっているため、スマホの中に無駄なアプリが溜まっていくこともない…と、今後、リアル世界とスマホを繋ぐビジネスの必須ツールになっていきそうな気配です。
さてさて、どうなることやら…ですが、PayPayは今までキャッシュレス決済とは無縁だったお店にスマホ決済を広めてくれた恩があるので、なんらかの形でビジネスを継続しいもの(PayPayの加盟店登録はこちら)。
手数料の有料化後もしぶとく生き残って欲しいなと思います。
以上、もしもお得さが一緒なら、クレカ、電子マネー、スマホ決済のどれを使う?Twitterアンケートを利用して1,945人に聞いてみた結果とは…という話題でした。
参考リンク:
この機会にクレジットカードをもっと学びたい方は下記ページも参考に。
クレジットカードの作り方から支払い方法まで、その基礎知識をわかりやすく解説しています。