『病院での治療費や入院費って、クレジットカード払いできるの?』
今回はそんな疑問をお持ちの方のために、病院でのクレジットカード払いをわかりやすく解説。
出来る限りクレジットカードで払いたいとか、お金に困ってクレジットカード払いしか出来ない…などの理由がある方はご覧ください。
病院におけるカード決済の知識:
カード払いが使える病院と使えない病院がある:
まず、病院の中にはクレジットカード払いが使えるところと、使えないところが存在します。
これはクレジットカード払いを受け付けるかどうかが一律で定められているのではなく、各病院の判断に委ねられているため。
- カード払いを導入すると決めた病院:カード払いが使える
- カード払いを導入しないと決めた病院:カード払いは使えない
要はカード決済導入は義務じゃないので、カード払いできるかは病院次第となります。
カード払いが使える病院はどうやって探すのか?
では、クレジットカード払いが使える病院はどうやって探せばいいのか…というと、これは残念ながら各病院のホームページを見てみたり、直接、病院に電話をして確認をするしかありません。
下記のようにクレジットカード決済対応の病院がまとめられたページは存在しますが、この情報も最新情報である保証はまったくなし。
確実にクレジットカード払いを使いたいなら病院側に確認をするしかない状況です。
実際、上記の「病院なび」では2024年1月現在で3,621件の病院がクレジットカード利用可…となっていますが、全国各地にある小さな診療所、歯科医、産婦人科などを含めると、こんなにも件数が少ないはずはなし。
そのため、これらの一覧リストは所詮、カード払いが使える病院の一部をまとめただけのリストでしかないものと思われます。
カード決済対応の病院は増加傾向:
ここまででクレジットカードが利用可能かどうかは各病院の公式サイトを見るか、電話をして問い合わせるしかないと記載させていただきましたが、病院の種類によってはクレジットカード払いがほぼほぼ完備されている、そんな傾向があるにはあります。
たとえば大学病院や私立病院などの大規模な病院。
こういった高度医療を提供する大型病院ではほぼ100%クレジットカードが利用OK。
近年では自動精算機が完備され、タッチパネル操作のみでカード決済できる場合すらあるほどです(下記は順天堂医院の例)。
クレジットカードでの支払いは出来ますか?
VISAカード・Masterカード、JCBカード、UCカード、American Expressカード、Diners Clubカード、DISCOVERカードがご利用いただけます。
市立病院や市民病院の普及はまだまだ:
反面、市立病院や市民病院などは使えない場合もまだまだ多い感じ。
都市部にある病院であればそれでもカード払いを受け付けてくれますが、地方の病院などではまだまだ現金払いのみなところも多いですね。
病院の種類 | 解説 |
---|---|
大学病院 | 大学付属の大学病院などでは、今や当然のようにVisaやMastercardが利用可能です。慶応大学病院、順天堂大学順天堂医院、東京女子医大病院、昭和大学病院、大阪大学医学部附属病院などなど、どこでも基本はカード払いOKだと思って大丈夫でしょう。 |
国立病院 | 全国に200程度ある国立病院についてもカード支払いは問題なし。東京医療センター、大阪医療センターといった都市部にある病院はもちろん、県立宮崎病院や箱根病院といった地方の国立病院でもカードは使えます。 |
市立病院・市民病院 | 各市町村にあるような市立病院や町立病院については、クレジットカードが必ず使えるとは言い難い状況。まだまだ使えないところが残ってる印象なので、カードを使いたいなら事前に電話をしてご確認ください。 |
赤十字病院 | 赤十字病院と呼ばれる病院ではクレジットカード払いがだいぶ浸透してきた感じ。日本赤十字社医療センター、さいたま赤十字病院、大津赤十字病院、京都第一赤十字病院などでクレジットカード決済が利用可能です。 |
労災病院 | 労災病院でもクレジットカードが使える傾向に。関東労災病院、東京労災病院、福島労災病院、九州労災病院、横浜労災病院などでVisa、Mastercard、JCBが問題なく利用可能です。 |
それゆえ、クレジットカード払いじゃないと診察料を払えない状況下なら、事前に使えるかどうかを電話確認するのがおすすめ。
それが無難です。
産婦人科や歯科医も積極的:
あと、小規模な診療所やクリニックでも、産婦人科や歯科医での導入は進んできている印象あり。
産婦人科は出産費用が高くなりがちであること、そして歯科医ではインプラント手術などの自由診療が多いことがその理由としてあげられます。
- 産婦人科:
出産費用が高いのでクレジットカード決済導入に積極的 - 歯科医:
インプラントなどの自由診療のためにカード払いを導入
とはいえ、それらのカード払いOKな病院すべてで常にカードが使えるわけではなく、これらの病院でも「出産費用のみカード払いOK」とか、「自由診療の場合のみカードOK」などの条件付きでカード払いを導入している場合も多いですね。
つまり儲けの少ない保険治療ではカード払いを禁止し、儲けが多い自費診療ではカード払いを受け付ける…といった傾向があるので、『ちょっと虫歯になってしまったけど、手元にお金がないからカードが使える歯科医を探している』といったような場合には、事前にどういう条件でカード決済可なのかを病院側に確認しておくと安心でしょう。
小規模病院 | 解説 |
---|---|
歯科医院(歯医者) | 使えるところが増加傾向にありますが、支払いで使えるのはインプラントやホワイトニングなどの自由診療のみの場合も。保険治療では現金払いのみなことがまだまだ多いです。 |
産婦人科 | 産婦人科での出産費用等はクレジットカード払いできるところが多い印象。反面、定期健診の費用は現金のみな場合も多めです。 |
美容外科 | クレジットカード決済が使えるところが主流。こちらも自由診療のみがクレジットカード決済OKとなる場合が多いですが、そもそも自由診療のみの美容外科が普通かもです。 |
内科、外科、整形外科、形成外科、耳鼻科、眼科 | まだまだクレジットカード払いが使えるのはごく一部。どうしてもカード払いをしたいなら、事前にカードが使える病院を調べた上で行ったほうが無難です(新しくできた開業医では使える傾向あり)。 |
決済手数料を患者側に負担させる病院も:
一部の中規模病院やクリニックなどでは、クレジットカード払いを使おうとすると現金払いよりも3~5%程度の手数料を上乗せした上で代金を請求してくる場合があります(病院側が負担する手数料について知らない方は下記記事を参照)。
これは病院側がカード会社側に払う手数料を負担したくない意向があるため。
要するにカード払いを使われてしまうと儲けが減ってしまうので、減ってしまう儲け分だけ患者に負担させようという魂胆なのですね。
お気をつけください。
よくある質問とその答え:
ここで更に知識を深めるためにも、病院とクレジットカード払いに関するQ&Aを作っておきました。まだまだ疑問がある方はこちらを参考にどうぞ。
Q.カードで払っても医療費控除は受けられる?
クレジットカードや電子マネーで治療費の支払いをした場合、その金額についても医療費控除の対象になるのかどうかを心配している方も多いのですが、キャッシュレス決済を使った場合でももちろんその対象。
- クレジットカード払い:医療費控除の対象
- 電子マネー払い:医療費控除の対象
- QRコード払い:医療費控除の対象
現金だろうがVisaカードだろうがJCBカードだろうが、どんな支払いでも医療費は医療費なので、年末調整や確定申告でしっかりと控除申請してもらえればなと思います。
クレジットカード払いは履歴になるメリットも:
尚、病院代をクレジットカード払いをした場合、クレジットカードの利用明細書にもしっかりとその履歴が記録されることになるので、仮に病院側から貰った明細(領収書)を失くしてしまった場合でも安心。
なにも手元に残っていないよりも立証が楽になるため、医療費控除として認められる可能性が高まります(とりあえず医療費として申告しておき、税務調査の際に領収書紛失として説明すればOK)。
- 現金払い:領収書紛失が一大事に
- カード払い:領収書紛失でも申告可能
加えてなんでもかんでもクレジットカードや電子マネーで支払っておけば、病院への通院に使ったタクシー代や電車代の記録代わりになるメリットも。
総合的に役立つ可能性大です。
金利負担は控除の対象とならない:
但し、リボ払いや分割払いで医療費を支払った際の金利負担については、残念ながら医療費控除の対象とはならないので要注意。
- 病院に払った金額:医療費控除の対象
- 支払いで発生した金利手数料:控除の対象外
あくまで病院側に支払った金額のみがその対象となる点だけは注意してもらえればと思います。
Q.楽天カードやイオンカードは支払いに使える?
病院でVisaカードやMastercardが利用できることはわかったけれども、私が持っている楽天カードやイオンカードでも支払いできるの?
そんな疑問をお持ちの方もいるかもですが、こちらはまったく問題なし。
基本的に楽天カードにしろイオンカードにしろPayPayカードにしろ、それらのクレジットカードの表面にはVisa、Mastercard、JCB等のマークが入っているので、そのマークが病院に掲示されているマークと同じであれば医療費の支払いに使えることになります。
- 表面にVisaマークあり:Visaのマークのあるお店で使える
- 表面にMastercardマークあり:Mastercardが使えるお店で利用可能
- 表面にJCBマークあり:JCBが使えるお店で利用可能
JCBマーク付きのクレカが使えない医療機関も:
ちなみに、病院や診療所によってはVisaやMastercardは利用可能でも、JCBは利用できないところもチラホラ。
それゆえ、楽天カードやイオンカードの表面にJCBのマークがついている方は支払いで使えない可能性があるのでご注意ください。
心配な方は事前に病院に電話をし、「JCBカードは使えますか?」と問い合わせすればOK。それでJCBが支払いに使えるかわかります。
Q.病院代の支払いでもポイントは貯まるの?
病院での支払いをクレジットカードでした場合には、その医療費支払い分に対してもポイントが貯まるのか…というと、これはもちろんYES。
クレジットカードで支払いをすれば例外を除き、どこのお店でも施設でも、病院や診療所であってもポイントが貯まるので、医療費の支払いが多い方であればクレジットカード払いは節約にも繋がります(下記は楽天カードなどで100万円の買い物をした時のポイント獲得例)。
出産費用などはカード払いしないと勿体無い:
医療費のクレジットカード払いでポイントが貯まるってことは、入院代や手術代など、高額になりがちな費用の支払いにこそクレジットカード払いがおすすめってこと。
中でも数十万単位の出費となる出産費用はクレジットカードで払ってポイントを貯めないと勿体無いですよ(出産一時金はクレジットカード払いした場合でも満額支払われる)。
現金払いと比較すると、軽く数千円程度の差が生じることでしょう。
Q.病院代もリボ払いやボーナス払いできるの?
病院でかかった治療費を、リボ払いやボーナス払いで払いたい!
そんな要望をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、こちらも残念ながら病院次第。
大抵の大学病院&国立病院などでは一括払いによる支払いしか受け付けてくれないと思いますが、産婦人科や歯科医などの専門医では支払い方法を選べるところもあることでしょう。
- 通院による保険治療:1回払いが原則
- 入院による保険治療:支払い方法が選べるかも?
- 自由診療:支払い方法が選べる場合も
自由診療や入院&手術等にならないと支払い方法は選べない、そう思ってもらったほうが良いかと思われます(少額は原則として1回払い、高額になると選べる可能性がでてくる)。
自分で変更は可能:
尚、今やほとんどのクレジットカードで「後からリボ払い」と呼ばれるサービスが利用可能なので、窓口でリボ払いできなくてもあとから自分でリボ払いに切り替え可能。
それゆえ、どうしてもお金に困って治療費の捻出ができない方は、これらの支払い方法切り替えサービスを使ってリボ払いや分割払いを活用ください。
- その場でリボ払い:使えないことも
- あとからリボ払い:だいたい使える
それで支払いを先延ばし可能ですよ(一時的にお金に困っているだけの方はこちらの記事参照)。
一時増枠して出産費用を払おう:
『出産費用をクレジットカードで支払いたいけれども、私の持ってるクレジットカードじゃ利用限度額が足りなくて支払えない…』といった場合には、一時増枠(いちじぞうわく)と呼ばれるサービスを活用してみるのも手。
こちらはその名の通り、一時的に利用限度額を増やしてもらえるサービスなので、「出産のために限度額の増枠が必要なんです」とカード会社まで相談をしてみてください(詳しくは下記記事参照)。
一時的にはなりますが、あなたのクレジットカード利用履歴が健全であれば対応してもらえるはずですよ。これで高額な支払いにも対応可能です。
カード払いが使える病院は増加傾向:
最後に。
昨今の経済事情や行政からの通達により、最近ではクレジットカード&電子マネー決済導入に積極的な病院が増加傾向。
まぁまだまだカード払いが使えない病院も多い状況ですが、あと数年もすれば大多数の病院でVisaカード、マスターカード、アメリカン・エキスプレスといったカード決済が当たり前のように使える時代になるのかもしれませんね。
完全普及までもう一歩です。
以上、病院でクレジットカード払いは使えるのかを徹底解説!入院や治療にかかる医療費は、VisaやJCBといったクレジットカードで支払おう…という話題でした。
参考リンク:
病院代の支払い向けにクレジットカードを作りたい方は、下記のポイントが貯まりやすいカードがおすすめ。
これらのカードで治療費の支払いをすればポイントがたくさん貯まる分だけ家計の節約が可能ですよ。