クレジットカードの読みもの

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【持ち主 vs 楽天】携帯電話を落とし、楽天Edyを不正に290万円使われた責任はどっちにある?東京高裁でその判決が出たようです。

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電子マネー紛失時の被害に関する、興味深い判決が東京高裁で出たようなので、今回はその内容について紹介させていただこうと思います。

争っていたのは楽天Edyを約290万円も不正利用された持ち主と、楽天Edyを発行&管理している楽天になります(争われている経緯&内容は下記の通り)*1

男性は2012年、スマホの紛失に気付き、警察に届け出た上で携帯電話会社で通信サービスの停止手続きを行ったが、楽天Edyには連絡しなかった。このため何者かに電子マネーの利用額の設定を変更され、約2カ月にわたり不正使用された。

わかりやすくそれぞれの主張をまとめると、こんな感じですね。

  • 利用者:
    携帯を紛失した時に携帯電話会社には停止手続きを行ったが、楽天Edy側にはその手続をしなかったために290万円ほど不正利用された。注意喚起をしなかった楽天Edyが被害を負担すべきだ。
  • 楽天Edy:
    利用停止手続きをされていないのだから、楽天Edy側の不正利用の被害を負担する責任はない。不正利用分は被害者が自己責任で負担すべきだ。

一審では持ち主の敗訴だったものの:

まず、楽天Edy持ち主と楽天のバトル1回戦…ですが、これは実は楽天側の勝利に終わっていました。東京地方裁判所では、楽天側にその責任はない…としていたのです。

しかし、控訴審にあたる東京高裁の判決では一転して、楽天側にもその責任があったという結果に。男性側が求めていた320万円の損害賠償に対し、220万円を支払うように命じた模様です。

携帯電話を落として電子マネーの不正使用の被害に遭った千葉県の男性が、電子マネーの運営会社が注意喚起を怠ったとして、「楽天Edy」(東京都)などに被害額など約320万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審が18日、東京高裁であった。小野洋一裁判長は男性の訴えを退けた一審・東京地裁判決を変更し、楽天側に約220万円を支払うよう命じた。

(中略)

判決は、携帯電話をなくした場合、「通信サービスを停止すれば、電子マネーも使われることはないと考える人がいることは想定できなくない」と指摘。携帯電話を紛失した時に、楽天側にも連絡しなければならないことなどを、12年当時にホームページなどで周知していなかったことから、楽天側に注意義務違反があったと判断した。

全額負担ではないところにも注目:

尚、今回のニュースを読む限りには、持ち主側の勝ち…と思ってしまうところですが、詳しく見てみるとそうとも言い切れないところがあります。

  • 持ち主側が主張した損害賠償金額:320万円
  • 持ち主側が不正利用された金額:290万円
  • 今回、楽天側が敗訴した金額:220万

つまり訴訟費用を別にしても、楽天Edy持ち主側に70万円ほどの自己負担を求めた判決になったということ(訴訟費用を含めれば100万円の自己負担)。

東京高裁として全部が全部、楽天が悪いと判断したわけではないので、やはり電子マネーは不正利用されないに限る…ということが言えそうな気がします*2

クレジットカードのような不正検知システムは無い?

例えば毎月、ほとんどクレジットカードを利用しない人が、いきなり20万円や30万円の家電やパソコンをクレジットカード払いで買おうとしたら、だいたいクレジットカード会社から電話がかかってきて『ほんとうにご本人による買い物ですか?』という確認が入ります(詳しくは下記記事など)。

しかし、今回の楽天Edyの不正利用を見てみる限りだと、2ヶ月という短期間の間で290万円がチャージされてもそれを防止する不正検知システムのようなものは無さそうな感じ…。要するに『プリペイドだから安心』と思ってると、思わぬ落とし穴にハマる可能性もあるということなので、くれぐれもご注意ください(クレジットカードなら不正利用額は全額、保険で返ってくる)。

被害を受けないためには?

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最後に、今回のような電子マネーの不正利用によって、多額の損害を被ってしまわないようにするためにはどうすべきなのでしょうか?

これは言うまでもなく、携帯電話を紛失したタイミングで利用中の電子マネーもしっかりと止めておくこと。これしか私たちに出来る防衛策はありません。

特に電子マネーは現金同様に支払いで使えるものなので、おサイフケータイやアップルペイで電子マネーを使うなら、その管理徹底は忘れずにお願いできればなと思います(携帯の紛失届を出すだけでは電子マネーは利用停止になりません)。

以上、【持ち主 vs 楽天】携帯電話を落とし、楽天Edyを不正に290万円使われた責任はどっちにある?東京高裁でその判決が出たようです…という話題でした。

参考リンク:

日本で発行されている主なプリペイド電子マネーについては下記記事を参考に。楽天EdyだけでなくSuicaやWAON、nanacoあたりも人気ですよ。

news.cardmics.com

*1:引用はこちらから

*2:ついでにいうと楽天Edyを290万円も不正利用された…ということは、それだけ楽天Edyをチャージ可能なクレジットカード情報が登録されていた…ということでもありますね。たぶんゴールドカードやプラチナカードを持っていたような、一定以上の所得を持った方が今回の被害者だったのでしょう。

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