クレジットカードの読みもの

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過払い金が問題になる前の特定調停であれば、それをひっくり返して過払い金が請求できるという判例が最高裁で出た件について。

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いや、読んだ瞬間にポカーンとしてしまいました。最高裁でまた、お金の借り手にとって有利な判決が出たようです。

裁判所で調停が成立したあとも消費者金融に払いすぎた利息を返すよう求めることができるかどうかが争われた裁判で、最高裁判所は「調停が成立していても、いわゆる過払い金の請求は可能だ」という初めての判断を示し、借り手側に有利な判決を言い渡しました。

最高裁判所は平成18年に利息制限法を超える金利を原則認めない判断をしていますが、今回の裁判では、原告の女性が平成14年に消費者金融と話し合い裁判所で特定調停を結んだため、この調停が有効かどうかなどが争われました。

特定調停では返済方法だけが決議されたため:

なぜこのような判決が最高裁で出たのかというと、理屈としては特定調停では返済のみに焦点があてられたものだったから、過払い金返還請求については別物…というものみたいですね。

  • 返済方法:調停で話し合い済み
  • 過払い金について:調停での話し合いに含まれていない

判決で、最高裁判所第3小法廷の大谷剛彦裁判長は「調停は有効だが、このケースでは借金をどうやって返済していくかなどが話し合いの目的だ。過払い金を返してもらうことができるかどうかは当時の調停には含まれていないので、調停が成立していても、いわゆる過払い金の請求は可能だ」という初めての判断を示しました。

結果、特定調停で返済方法や債務削減などをされた場合であっても、過払い金返還請求をする権利は借り手側に残っている…という判例になったようです。

借り手としてみれば特定調停を結んだことが逆に損失に:

まぁお金を借りていたこの40代の女性からすれば、平成14年に特定調停をして債務を削減…してもらったのかどうかの詳細はわかりませんが、消費者金融との話し合いをもってしまったばかりに過払い金返還請求が出来なくなってしまった。だから本来返してもらえるはずの過払い金が欲しい…と考えるのは当然のことなのかもしれません。

しかし、貸し手である消費者金融からしてみれば、過払い金が問題になる前に行われた調停に対しても全てひっくり返されてしまっては、なんのための話し合いだったかすらわからなくなりますよね。

予測するに借金の減額や返済の先延ばし、そして低金利での貸出といった温情とも言える妥協を借り手に対してしたはずにも関わらず、「やっぱり返済計画は無し!過払い金を返して!」とされてはやってられません。

金融庁を訴えてもいいんじゃないのかな?と:

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個人的にはもういい加減、消費者金融やクレジットカード会社は団体で国にたいして損害賠償請求をしてもいいんじゃないかとすら思えます。そもそも貸金業は金融庁が認めていた金利でお金を貸していただけですから、借り手が文句を言うならそれを規制してこなかった金融庁に対してですからね。

そういえば過去、実際に国を訴えた消費者金融もありました(盛岡市のユニワード)。

元貸金業者のユニワード(盛岡市)が、利用者の過払い金返還請求をめぐり、国を相手に約3億円の賠償を求める裁判を4月30日に起こしたと、8日付の日本経済新聞朝刊が報じた。法令や行政指導に従っていたにもかかわらず、返還請求で損失を被ったのは不当だと訴えているという。

過払い金返還での業者の国家賠償請求は初めてで、大手消費者金融も追随する可能性があると報じている。

結果は残念ながら請求の棄却となってしまったようですが、こういう訴訟も個人的にはアリなんじゃないかと思ってます(まぁどこも金融庁には逆らわないほうが無難と思っているため、なにも出来ない状況なのでしょうけど…)。

過払い金返還請求はもうそろそろ下火:

尚、過払い金返還請求自体はもうそろそろ下火になっていくと思いますが、未だに契約が継続している方が残っていることを考えると、2020年頃までは消費者金融やクレジットカード会社の経営を左右してしまう存在になりそうな感じです。

以上、過払い金が問題になる前の特定調停であれば、それをひっくり返して過払い金が請求できるという判例が最高裁で出た件について…でした。

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