クレジットカードの読みもの

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現金派よりもキャッシュレス派のほうがお金が貯まりやすいって本当?様々な統計データから、キャッシュレスと貯蓄の関係性を調べてみた。

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『現金派よりもキャッシュレス派のほうが貯蓄が2.7倍貯まりやすい。』

クレジットカード発行大手のJCBが2018年2月に行った調査で、そんな興味深い統計結果が出たようなので、今回はその点について詳しく記事を書いてみたいと思います。

株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役兼執行役員社長:浜川 一郎、以下 JCB)は、2018年2月9日(金)から13日(火)の5日間、全国の20歳から69歳の男女を対象に「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2018」をインターネットで実施しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)

JCBによる統計結果について:

キャッシュレス派は貯蓄上手:

早速、肝心の統計結果を紹介するとこんな感じ。

  • 現金派の貯蓄金額:年間32.5万円
  • キャッシュレス派の貯蓄金額:年間87.6万円

キャッシュレス派の平均貯蓄増加額は87.6万円で、現金派の平均貯蓄増加額(32.5万円)の2.7倍となりました。キャッシュレス派のほうが現金派よりも貯蓄を増やせたようです。

その差は実に55.1万円…と、キャッシュレス派のほうが現金派よりも2.7倍も貯蓄金額を増やすことが出来たようです。

過去3年でも同様の統計結果:

『いやいや、たまたま統計が偏っただけなのでは?』と思われた方もいるかもしれないので、過去3年間の統計データも紹介。

こうみると2018年統計のブレが気になるところですが、過去3年を平均してみてみてもキャッシュレス派は貯蓄額が多く、現金派は貯蓄額が少ない…ということが出来るのではないでしょうか?*1

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少なくとも現金派よりはキャッシュレス派のほうが、貯蓄が得意であることは間違いなさそうです。

男女別にみると、キャッシュレス派の男性では、平均貯蓄増加額は 105.3 万円と 100 万円を超え、現金派の男性(36.1万円)の 2.9 倍の額となりました。

また、キャッシュレス派の女性では、平均貯蓄増加額は 68.0 万円となっており、現金派の女性(29.5 万円)の 2.3 倍の額となりました。

現金派はキャッシュレス派か:

この他にも「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2018」には興味深いデータがあったので、いくつか紹介。

まずは日本国内には現金派が多いのか、キャッシュレス派が多いのか…という統計データから。こう見るとまだまだ日本国内は現金派が主流であることがわかりますね。

  • いわゆるキャッシュレス派:全体の34.1%
  • いわゆる現金派:40.1%

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全回答者(1,000 名)に、「最近、自分はキャッシュレス化している(現金離れだ・キャッシュレス派だ)」と思うか聞いたところ、同意率(「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」の合計、以下同様)は 34.1%、不同意率(「全くあてはまらない」と「あまりあてはまらない」の合計、以下同様)は 40.1%になりました。

また、キャッシュレス派の選択肢である「非常にあてはまる」が10.6%と少ないのに対し、現金派の選択肢である「全くあてはまらない」が21.1%もあるのも特徴的。

  • 完璧なキャッシュレス派:10.6%
  • 完璧な現金派:21.1%

要するに完璧なまでにキャッシュレス派であるという人はキャッシュレス派の中でも少ないのに対し、現金派の中には頑なな現金派が多いようです(日本人には生粋の現金主義者が多いということ)。

20代女子に現金派が多い不思議さ:

年代別や性別ごとの比率については下記の通り。

興味深いのは20代男女に現金派が多い点ですね。特に20代女性によるキャッシュレスの不人気さが突出していて、ここまで来るとクレジットカードや電子マネーを嫌っていると言っても過言ではないのかもしれません。

  • 20代女性のキャッシュレス派:27%
  • 20代女性の現金派:54%

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性年代別にみると、30 代と 50 代の男性では、同意率(30 代男性 39.0%、50 代男性 40.0%)が不同意率(30 代男性 30.0%、50 代男性 29.0%)よりも高くなりました。

反面、30代~50代男性はキャッシュレス好き。クレジットカードや電子マネーをバンバン使っている傾向が強そうです。

20代女性はキャッシュレス飲食店にも反対:

ちなみに。

キャッシュレス派よりも現金派が圧倒的に多い20代女性は、先日、話題になった『現金払いお断りのレストラン』に対しても超否定的(詳しくは下記記事を参照)。

JCBによる質問「完全キャッシュレス化したレストランは(アリかナシかでいうと)アリだと思う」という質問に対して、なんと合計60%もの方が否定的な回答をしていることがわかります。

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個人的には50代、60代といった年令を重ねた人のほうが変化を嫌う傾向にあり、若い人ほど変化を受け入れる傾向にあるのかな…なんて思っていたんですが、現実はまったく逆なんですね。

男女別にみると、男性(同意率 39.6%、不同意率 28.8%)は肯定派の割合のほうが高くなった一方、女性(同意率 33.2%、不同意率 37.2%)は否定派の割合のほうが高くなりました。

性年代別にみてみると、男性では、いずれの年代においても肯定派が否定派を上回っていますが、女性では、20 代において、肯定派(同意率 19.0%)が否定派(不同意率 60.0%)を大幅に下回る結果となりました。

これからやってくるであろうキャッシュレス社会に若者がうまく対応できるのか、すこし心配になる結果だと言えそうです。

キャッシュレス派のほうが貯蓄上手な理由:

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ここまででキャッシュレス派のほうが現金派よりも年間の貯蓄額が多い…という統計データを紹介させていただきましたが、これだけで「キャッシュレス派のほうが貯蓄が上手だ」と結論付けることは正直、無理あり。

そこでここから先は今回の統計データの裏側や、関連データをいくつか紹介させていただきますので、是非、みなさん自身で統計の正しいかどうかを判断してみてくださいね。

40代、50代にキャッシュレス派が多い:

まず、なぜキャッシュレス派のほうが現金派よりも貯蓄上手なのか…というと、これは下記グラフを見てもらえればその答えがわかるはず。

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ざっくりと言い切ってしまうなら現金派には若年層が多く、キャッシュレス派には働き盛りの30~50代が多いために、数字を平べったくするとどうしてもキャッシュレス派のほうが貯蓄額が多くなってしまうわけです。

  • 現金派:20代などの若年層が多い
  • キャッシュレス派:30~50代の働き盛りが多い

まぁ言うまでもありませんが、20代と40~50代の年収を比較すりゃ、そりゃ40~50代の年収のほうが多いのは当然。

結果、キャッシュレス派のほうが貯蓄できる金額も多くなるのは当たり前ですね(ほんとうにキャッシュレス派と現金派の貯蓄額を比較したいなら、40代や50代のみで年代を絞って平均貯蓄額を紹介すべき)。

現金派=カードが作れない人も:

更に現金派の中には理由あってクレジットカードが作れない…という人達も一定数含まれています。

こういった方が貯蓄できる金額は、クレジットカードを普通に作れる層の人達と比べるとどうしても少なくなってしまうため、このあたりでも多少の差がついてしまってる感じもありますね。

  • 現金派:キャッシュレス派になれない人が一定数いる
  • キャッシュレス派:カードを持てるだけの社会的信用がある

これじゃいくらJCBが『現金派よりもキャッシュレス派のほうが貯蓄が2.7倍貯まりやすい』と言っても、結論が恣意的だとか、JCBに都合のいいデータを作っただけだろ…と言われても仕方ありません。

キャッシュレス派=お金に詳しい側面も:

では、キャッシュレス派=お金が貯まりやすいは嘘なのか…というと、実はある程度の相関性があるのは事実です。

たとえば今回のJCBによる統計データの中には下記のようなものも存在(「お金の管理は得意だと思うかどうか」に対する答え)。

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お金の管理については年代を問わず得意だと思う人は得意でしょうし、40代や50代でも苦手と答える人が多いことを考えると、普段からクレジットカードや電子マネー払いを利用している人のほうがお金の管理能力が高い、すなわち、お金を貯めるのが得意であるということも出来ることでしょう*2

  • キャッシュレス派:お金の管理が得意な方が多い
  • 現金派:お金の管理が苦手な方が多い

全回答者(1,000 名)に、お金の管理は得意だと思うか聞いたところ、「はい」は47.3%、「いいえ」は52.7%となり、マネー管理力に自信がないという人が多数派となりました。

キャッシュレス派と現金派についてみると、キャッシュレス派では、お金の管理を得意だと思っている人は54.8%と、半数以上がマネー管理力に自信を持っていましたが、現金派では 39.7%と4割にとどまりました。

キャッシュレス派は金融知識が豊富:

同様に現金派とキャッシュレス派に「デビットカードを知っているかどうか」を尋ねた質問の回答も参考になります。

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注目は「知らなかった」方の比率。

  • キャッシュレス派:知らなかった比率は9.1%
  • 現金派:知らなかった比率は23.7%

つまりキャッシュレス派は10人に1人程度しか『デビットカードという言葉そのものを聞いたことがない』と回答していないのに対し、現金派は4人に1人がデビットカードなんて聞いたことがないと回答しているのは、お金の知識が不足気味であることを表しているように思いますね(お金の知識が不足=正しく貯蓄ができない)。

全回答者(1,000 名)に、「デビットカードについて知っているか」と質問したところ、「詳細まで知っていた」が 31.7%、「名前を聞いたことがある程度」が 51.3%で、合計した認知率は 83.0%となり、「知らなかった」は 17.0%となりました。

キャッシュレス派と現金派を分けてみると、キャッシュレス派では、「詳細まで知っていた」が 42.2%、「名前を聞いたことがある程度」が 48.7%で認知率は 90.9%と 9 割を超えました。一方、現金派では、「詳細まで知っていた」は 22.9%、「名前を聞いたことがある程度」は 53.4%で認知率は 76.3%でした。

年収と金融知識には相関性あり:

また、株式会社ジェーシービーによる統計データではなく、他の統計データでも類似した統計結果があります(金融広報中央委員会による「金融リテラシー」に関する統計結果より)。

金融リテラシー調査は、18歳以上の個人の金融リテラシー(お金の知識・判断力)の現状把握を目的とする、わが国初の大規模調査です。

(中略) わが国の人口構成とほぼ同一の割合で収集した18~79歳の25,000人を対象に、インターネットによるアンケート調査を実施した。

要するにこの「金融リテラシー調査」は、貯金やら投資やらのお金に関する質問を25,000人に対して投げかけ、現在の年代やら年収やらと比較してどのくらいの正答率があったのかを確認した統計なわけですが、下記図のように金融資産(貯蓄)に対して比例した結果になったんですよね。

  • 貯蓄が多い人:金融知識が豊富な傾向あり
  • 貯蓄が少ない人:金融知識が乏しい傾向あり

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まぁこれをもってキャッシュレス派=貯蓄が得意である…ということはちょっと無理がありますけれども、前述のように「現金派=デビットカードという言葉を知らない」とか、「現金派=お金の管理が苦手」という傾向を踏まえると、まったく無関係というわけでもなさそうです。

  • 金融知識が豊富な人:カードや電子マネーを使いこなせる
  • 金融知識が乏しい人:キャッシュレス決済を使いこなす知識が不足してる

支払いに関する知識を増やそう:

ここまで長々と「現金派よりもキャッシュレス派のようが貯蓄が得意である」という統計結果について説明してきましたがいかがでしたでしょうか?

このようにクレジットカードや電子マネーといった支払い手段をきちんと理解すれば貯蓄を増やす効果がありそうなので、是非、知識が不足してるなぁ…デビットカードってよくわからないなぁ…という方は、この機会にお金の勉強をしてみてください。

一番ダメなのは「よくわからないから現金払いのままでいいや…」と、知らないものを知らないままで放置してしまうことですよ(お金の勉強は下記記事参考)。

以上、現金派よりもキャッシュレス派のほうがお金が貯まりやすいって本当?様々な統計データから、キャッシュレスと貯蓄の関係性を調べてみた…という話題でした。

参考リンク:

『そうはいってもクレジットカードってなんか怖くて…』という方は、下記記事も参考に。クレジットカードを作ったことがない方が勘違いしていがちなことについてわかりやすくまとめています。

news.cardmics.com

*1:2018年のキャッシュレス派の数字が大きいのは、特定の誰かが「1億円貯金した」みたい状況があった可能性は高いですが、男女共に2017年比で上がっていることを見ると全体的な底上げもあったものと推測されます。

*2:他、こちらの統計だと、現金派は24.9%しか家計簿等で家計の見える化をしていないのに対し、キャッシュレス派は33.5%は家計の管理をしてるとのこと。これを考慮すると現金派はお金の管理に無頓着な傾向にあり、キャッシュレス派は管理する傾向にあるとも言えそうです。

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