クレジットカードの読みもの

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消費者金融よりもテレビCMが目立つ、三井住友銀行カードローンや三菱UFJ銀行カードローン。その背景をわかりやすく解説します。

SMBC card service hours

『口座がない、口座がある、口座がない、口座がある、口座がない…でも大丈夫!』などなど、最近は三井住友銀行カードローンや三菱UFJ銀行カードローンなどの銀行カードローンのテレビCMが増えていますよね。

正確な数字を把握しているわけではないのでなんともいえませんが、たぶん、プロミスやアコム、アイフルといった大手消費者金融よりも、今や銀行のカードローンのほうがテレビCMが多いんじゃないかな?と思うくらい。

実際、産経新聞の記事によると銀行カードローンの貸出金額がついに消費者金融の貸出金額を超えてしまったようで、もはや『お金に困ったら銀行から借りるもの』という時代になりつつあるように思います。

  • 昔:お金に困ったら消費者金融
  • 現在:お金に困ったら銀行カードローン

日銀によると、27年3月末の銀行カードローンの貸付残高は4兆6113億円と、23年3月末の3兆2554億円から4年連続で伸長。一方、日本貸金業協会によると、消費者金融会社の無担保貸付残高は3.1%減の4兆336億円にとどまり、銀行カードローンが初めて逆転した。 

なぜ銀行のカードローン貸出が増えているのか?

では、なぜこれほどまでに銀行のカードローン貸出が増えているのかというと、これは2010年に完全施行された改正貸金業法によるもの。

あっ、難しくないのでカンタンにその歴史から解説しますね。

この貸金業法が施行される前、多重債務者(たじゅうさいむしゃ)といって多くの消費者金融から手当たり次第にお金を借りて、自己破産してしまう方が後を立ちませんでした。

その背景にはもちろん、誘惑に負けてお金を借りてしまう人がいけない…というのもあったんですが、国としては「お金を返す余裕のない人にお金を貸すほうが悪い!」という理屈で、消費者金融やクレジットカード会社を規制したんです。

  • 借りすぎてしまう人を減らすためには、貸し過ぎないようにしよう。

結果、消費者金融はお金を借りたい人の年収を確認し、その1/3までしかお金を貸せなくなりました。これを総量規制(そうりょうきせい)といいます。

他にも収入のない専業主婦は旦那さんの許可なしにはお金が借りられなくなったり、50万円以上のお金を貸す場合には源泉徴収票などの収入証明書が必要になるなど、さまざまな規制を設けることで「過度にお金を貸すこと」を減らそうとしたのです。

貸金業法は貸金業を規制する法律:

ただこの法律はあくまで貸金業(消費者金融やクレジットカード会社のこと)を規制するためのもの。もうおわかりかもしれませんが、銀行が個人にお金を貸す場合を規制する法律ではありません

  • 消費者金融:貸金業法の規制の対象
  • クレジットカード会社:貸金業法の規制の対象
  • 銀行:貸金業法の規制対象外

そのため、改正貸金業法が施行された後には下記の表のような状況になりました。消費者金融は法律によってガチガチに規制されているのに、銀行がお金を貸す場合にはほぼなにも制約がない状況になったのです。

比較項目 消費者金融 銀行カードローン
貸出可能金額 年収の1/3まで 規制なし
収入証明書の提出 50万円以上の貸出で必要 提出の必要なし
専業主婦への貸出 ほぼ不可能 問題なく可能 

こうなると当然ながら、お金を借りたい…という時には消費者金融よりも銀行のカードローンを優先して借りる人が増えていく結果に。

なにせ銀行から借りる場合には収入証明書は不要だし、銀行からなら安全そうなイメージもある。どちらから借りたいかといえば、誰もが銀行のカードローンを選びますよね。そんな状況じゃ、消費者金融の貸出が細ってしまっているのも仕方ないところだと思います。

でも実態は消費者金融そのもの:

では銀行のカードローンの貸出が増えて消費者金融の貸出が減ったことで、消費者金融が倒産の危機に陥っているのかといえばそんなことはありません。

というのも銀行のカードローンというのは実は消費者金融そのもののため。仮にみなさんが◯◯銀行カードローンを借りて、期日までにお金の返済ができなかった場合には消費者金融かその関連会社が取り立てに来ます(笑)。

実際、三菱UFJ銀行カードローンの商品説明書には、最初からこんな規約が書かれているくらい。ざっくりいうと貸出審査はアコムが担当し、お客さんがお金を返してくれなかったらアコムが取り立てに来るよ…って話です。

ご利用いただける方

●年齢が満20歳以上65歳未満の国内に居住する個人のお客さまで、保証会社(アコム㈱)の保証を受けられるお客さま。(中略)

※ご返済いただけない状況が続く等により、保証会社のアコム㈱がお客さまに代わって当行に債務を弁済した場合、以降のお取引はアコム㈱がお客さまの窓口となります。

こんな感じで多くの銀行はあくまで銀行の名前でお金を貸しているだけで、お金の回収や貸出審査などはほぼすべて消費者金融が行っているのですね。『消費者金融からはお金を借りたくないから、銀行から借りよう』という行為にはあまり意味がないことがわかります。

  • アコムでお金を借りる:審査や回収はアコムが担当
  • 三菱UFJ銀行で借りる:実質、審査や回収はアコムが担当

規制から逃げるために母体を変えたレイク:

消費者金融として知名度の高い「レイク」。しかし現在、レイクというブランドは新生銀行のカードローン事情に譲渡され、新製銀行カードローン「レイク」となりました。

この理由はもうおわかりですよね。消費者金融のままお金を貸そうとすると貸金業による様々な規制がありますが、銀行のカードローンにしてしまえば規制がかからない状態のため。レイクはあえて消費者金融の枠から出ることで、他の消費者金融よりも柔軟にお金を貸せるようになったのです。

結局、なんのための規制だったのか?

Japanese Yen bills

このように過去、多重債務者(お金を借りすぎてしまった方)を増やさないように消費者金融を規制したことが、今、あんまり意味がなくなってる状態。

特に地方銀行のカードローンの中には、『総量規制以上にお金を借りられます!』『消費者金融で断られた方でもOK』といった解説が並ぶカードローンもあるほど。まるで過去の消費者金融と同レベルに、『貸せるなら貸せるだけ貸しちゃおう』という軽さが感じられるんですが、このままで業界としては良いんでしょうか?*1。かなり心配になります。

…ということで冒頭の話に戻りますが、こういった法律による都合に加えて、日銀によるマイナス金利政策で住宅ローン等では儲けにくくなった銀行は、今後もカードローン事業に力を入れていくはず。引き続きテレビCMで◯◯銀行カードローンを頻繁に見る機会が増えそうな感じです。

以上、消費者金融よりもテレビCMが目立つ、三井住友銀行カードローンや三菱UFJ銀行カードローン。その背景をわかりやすく解説します…という話題でした。

参考リンク:

生活費が足りない…という時にはまず、銀行のフリーローンや消費者金融を利用せずに、国や地方自治体から低金利でお金を借りることができる公的融資制度の利用を検討してみてください。詳しくは下記記事にまとめてあるので参考にどうぞ。

news.cardmics.com

*1:昔は銀行のカードローンでお金を借りられない人が大手消費者金融を利用し、それでも借りられなくなったら中堅消費者金融、街金、自己破産…といった流れがったんですが、今では大手銀行カードローン、消費者金融、地方銀行カードローン、自己破産…といった流れになっているように思います(苦笑)

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