クレジットカードの読みもの

クレジットカードに関する様々な知識や使い方を「読みもの」として紹介していくサイトです。

カード会社が『クレジットカード=安心&安全』と言いたいなら、盗難保険の適用条件を変えるべき!現状のままだと説得力がありません。

f:id:cardmics:20170825234455j:plain

『クレジットカードは現金払いよりも安全。なぜならクレジットカードには盗難保険が備わっているので、仮に100万円を不正利用されたとしても全額保険が適用になるためである。』

そんな風にクレジットカード会社のウェブサイトを見れば書いてありますし、当サイト「クレジットカードの読みもの」でも同様の説明をすることがあるのですが、この盗難保険にはひとつ大きな落とし穴が存在するんですよね。

盗難保険の適用期間は60日しかない:

それが『盗難保険の適用させるためには被害発生から60日以内にカード会社に連絡をしなくてはいけない』という点。実際、いくつかのクレジットカード利用規約からその部分を抜き出してみるとこんな感じです(まずは三井住友VISAカードの盗難補償)。

当社は、会員が紛失・盗難により他人にカードもしくはカード情報またはチケット等を不正利用された場合であって、前条第2項に従い警察および当社への届出がなされたときは、これによって本会員が被るカードまたはチケット等の不正利用による損害をてん補します。(中略)

次の場合は、当社はてん補の責を負いません。(中略)

  • 紛失・盗難の通知を当社が受領した日の61日以前に生じた損害

ご覧いただいたように、被害届を出した日より61日前に生じた損害については、三井住友カード側は知らないよ…という記述があります。

JCBカードでも同様の記述あり:

大手クレジットカード発行会社であるJCBカードでも同様です。

第40条 (カードの紛失、盗難による責任の区分)

  1. カードの紛失、盗難等により、他人にカードを使用された場合には、そのカードの利用代金は本会員の負担とします。
  2. 2.第1項にかかわらず、会員が紛失、盗難の事実を速やかに当社またはJCBに届け出るとともに所轄の警察署へ届け出、かつ当社またはJCBの請求により所定の紛失、盗難届を当社またはJCBに提出した場合、当社は、本会員に対して当社またはJCBが届け出を受けた日の60日前以降のカードの利用代金の支払債務を免除します。

60日前以降のみ支払債務を免除する…ということは、61日よりも前に発生した損害については知らないよ、自己責任だよ…という話ですね。

つまりクレジットカード情報の漏洩によって不正被害を受けた場合や、クレジットカード紛失によって第三者によって不正利用されてしまった場合の損害は、被害発生から60日以内に届け出をしないと自己負担。

どんなにカード会社側に文句を言ったところで、よほどカード会社側に過失でもない限りは受け入れてもらえないことでしょう。

60日もあれば充分じゃないのか?

ここまでを読んで、『別に60日間補償してくれればそれで充分なんじゃないの?』と思った方も多いかもですが、実はこの60日間って結構カツカツな厳しい日程なんですよね。

というのも自分のクレジットカードが不正被害を受けたという事実をすぐに察知できれば問題ないのですが、多くの方は月に1度、郵送やメールで届く利用明細書をみてはじめてその事実に気付くことが多いため。

例えば楽天カードの支払いサイクルは毎月1日~月末までに利用した分を翌月27日に払う形ですが、利用明細書が届くのはだいたい翌月の10日過ぎ。仮に前月の1日に不正利用されてしまっていた場合には、翌月の29日までに楽天カード側に不正被害を届け出なければいけません(下記は10月1日に不正利用されたと想定した期限)。

  • 不正被害された日:10月1日
  • 締め日:10月1日~10月31日
  • 明細書が届く日:11月中旬
  • 不正被害の申告期限:11月29日まで

この場合、もし11月中旬に利用明細書の確認を2週間ほど放置してしまったとしたら、それで不正被害はすべて自己責任になってしまうことに。

ちょっと海外旅行に行っていたりとか、ちょっと仕事でバタバタしていたら…と思うと、かなりカツカツだと思いませんか?他にも出産や両親の急病、結婚式準備などと被ってしまったら即アウトです。

毎月利用明細書を確認するのって大変:

特に利用明細書をインターネット明細にしている方はそうなんですが、クレジットカードの利用明細書ってちょっと確認をサボると平気で2ヶ月分、3ヶ月分って貯まってしまいますよね(苦笑)。

こういう時に仮に不正利用されてしまったら、この記事で書いている通り60日の補償期間外になってしまうため自己負担になる可能性大。これじゃ安心してクレジットカードを使うことも出来ないので、やはり60日という補償期間は短すぎな気がします。

クレジットカード=安全としたいなら:

f:id:cardmics:20171203130938j:plain

このようにクレジットカードは確かに盗難保険という補償に強く守られている安全な支払手段ですが、その保険適用をさせる条件があまりにも厳しいために、不正被害を自己負担させられている方が少なくない状況があります。

これじゃいくらカード会社が『クレジットカードは安心&安全ですよ!』とアピールしたところで、自己負担をさせられたことがある人達がクレジットカードに関する否定的な意見を広めて終わり。

いつまでたってもカード=安心であるというイメージが広まることはありません(現状でもクレジットカード=なんとなく怖い…という印象を持っている人のほうが多い)。

365日補償などに変更してほしい:

では、どうすればクレジットカード=安全という印象が広まるのか?といえば、盗難補償をもっと手厚くすればOK。

現状の60日しかカバーしてくれない補償内容を変更し、365日までOKにすればだいぶクレジットカードに対するイメージも徐々に変わっていくことでしょう(不正利用されても1年以内であれば補償されることになる)。

  • 現状:60日しか補償されないので自己負担させられる人が多い
  • 理想:365日補償にすれば自己負担させられる人が減り、カード=安心&安全というイメージが広がる

是非、カード会社にはほんとうの意味での「クレジットカード=安全」を作り上げてもらえればなと思います*1

念のための補助情報:

最後にちょっと念のため。

クレジットカード会社側が用意している盗難保険の適用期間は確かに60日のみですが、実際には60日以上前の被害についてもカード会社やお店側が負担してくれるケースは結構多いです(下記はその一例)。

ただそれでも100%、カード会社やお店側が負担してくれるわけではないので、やはり盗難保険の補償期間は伸ばすべき。そうじゃないとクレジットカード=不安という世の中の風潮を変えることは出来ないように思う私です。

以上、カード会社が『クレジットカード=安心&安全』と言いたいなら、盗難保険の適用条件を変えるべき!現状のままだと説得力がありません…という話題でした。

参考リンク:

クレジットカードの盗難保険についてもっと詳しく知りたい…という方は下記記事も参考に。不正利用をされた補償についてまとめています。

news.cardmics.com

*1:保険料に関する知識がないので申し訳ないんですが、たぶん、カード会社が損害保険会社に支払っている盗難保険料って、60日から365日に変更したとしてもそれほど多くの負担にはならないと思うんですよね。そう考えると「うちの会社は60日じゃなくて365日補償だよ」というのは新規会員獲得に大きな影響を及ぼす可能性が高いので、投資価値が充分にある改善策なんじゃないかなと思います。

PAGE TOP