2017年2月17日からAMP表示に対応しはじめた当サイト(AMPの解説は下記ページにて)。
AMPは、モバイル環境でWebコンテンツの表示を高速化する仕組みです。GoogleなどWeb業界各社の協力により2015年10月にプロジェクトが発足し、世界中から多くのコンテンツ企業やテクノロジー企業が参加しています。はてなもこの4月、国内Webサービス企業初の「Tech Platform」として参加しました。
導入から約1週間ほど経過し、AMPを導入して良かったなと思うメリットと、ちょっとこれは困るな…というデメリットの両方が見えてきたので、今回はそのあたりについて参考までにまとめてみたいと思います。
これからAMP表示に対応しはじめようと思っている方は是非、参考にしてみてくださいね。
AMP導入の効果:
アクセス数がアップする:
まずはAMP導入の効果から。
下記が検索エンジン(Google&Yahooなど)からAMP表示されている記事に入ってきてくれた方の数を示すグラフです。2月23日はだいたい26,500人の方がAMP表示されている記事を読んでくれたことになります。
この「26,500人」という数字だけではどのくらい訪問者が増えたかわからないので、クレジットカードの読みもの全体の検索エンジンからの流入数のグラフも紹介。
こちらを見てみると、うーん、だいたい10~15%くらいのアクセス数が、AMP導入により増えている感がありますね(2月11日頃にGoogleアップデートがあったため、わかりにくいグラフになってしまってます)。
売上への影響は?
では気になる広告収入への影響ですが、こちらは特に目立った影響なし。つまりAMP導入によりアクセス数は増えたけれども、その増加分だけの売上アップは感じられない…というのが実情といったところです。
詳しくは後述しますが、AMP導入によってクリックされにくいデザインになってしまった結果、1ページあたりの収益性は低下してしまった可能性が高そうな感じ。逆に言うとデザインさえどうにか出来れば、広告収入はアクセスアップに応じてあがってくれることでしょう。
AMP導入のデメリット:
デザインが悪くなる:
次に気になるAMP導入のデメリットについては、やはりデザイン性が乏しくなってしまうという点。
例えば下記に当サイト「クレジットカードの読みもの」の通常ページとAMPページを並べておきますが、どうしてもAMPページのほうが野暮ったいデザインになってしまっている分、最後まで読んでもらえない確率が高まってしまうのではないかと思うのです(出来ればスマホから確認ください)。
長文ページが多いとAMPは相性悪い:
あと、上記くらいのページサイズであれば問題ありませんが、下記記事ともなるとページの崩れが問題に…。
ここまで来ると読みにくいどころか、最初の目次部分の乱れで「読む価値なし!」と判断されてしまう可能性も高そうな感じ。
結果、広告収入が延びないどころか、Googleアルゴリズムにおける順位低下すら有り得そうな勢いです(AMPページは評価に含まないとGoogle側は言ってますが、それもどこまで本当かわかりません)*1。
ただの検索結果がAMPになる場合も:
更にスマホを利用して「クレジットカード」や「ゴールドカード」と検索していただければわかりますが、AMP導入によるメリットであるカルーセル表示(画像+タイトルで表示されるもの)以外の通常検索結果のところも、実はAMP表示に切り替わってるんですよね(わかりやすく赤枠で囲いました)。
そのため、本来であればAMPページではなく通常ページに来てくれていた方までもが、AMPページに誘導されてしまうのはやや痛いところ。
- AMP導入なし:検索結果に表示されるのは通常ページ
- AMP導入あり:検索結果にもAMPページが表示
可能であればはてなブログ側がAMPページにおけるCSSをいじらせてくれれば良いのですが、現状ではそれも出来ない状況があるので、収益性の低下は否めないかもしれません(本日、はてなブログ側に要望として伝えました)。
はてなブログのカスタマイズ性があがれば問題なし:
ここまでAMP導入のメリットとデメリットを紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
結論としてははてなブログ側がAMPページ用のCSS編集画面を用意してくれるか、もしくはhead要素内にCSSを直書きさせてもらえればすべてが解決する感じ。もし私同様にはてなブログでAMPを導入し、同様の不満をお持ちの方がいたら、是非、この記事をブックマークするなどしてその思いを、はてな側にぶつけてもらえればなと思います(利用者の声を届けましょう!)。
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AMPでCSS読み込みとカルーセル実装 - Qiita(こちらの記事のように外部のCSSファイルを読み込むことが出来れば、AMPページにもCSSを当てることが可能です)
以上、AMPを導入してアクセス数はどのくらい上がった?私が思うAMP導入のメリットやデメリットをわかりやすく解説します…という話題でした。
参考リンク:
2月11日のGoogleアップデートでどのような影響があったのか…というデータについては下記記事を参考に。お陰様でその後、「クレジットカード」検索1位に復帰しましたが、まだまだ検索順位が不安定なことには変わりがないようです。
*1:長らく検索1位だった「ゴールドカード」というキーワードが、今日、2位や3位に低下してしまっているのも、もしかするとAMP導入の影響なのかも。記事中で書いた通り、AMP導入でメニュー部分が著しく読みにくくなってしまっているので、検索順位低下が起きている可能性もありそうです。